dカードは任意整理で将来利息をカットし、最長60回の分割で返済できる可能性があります。
ただし、ドコモ料金・d払い・iDなど、dカードに紐づく支払いは事前に切り替えが必要です。
和解条件の目安、生活への影響、ニッテレ債権回収から通知が来た後の対応まで、司法書士が整理します。
この記事のポイント
- 和解条件
- 将来利息0%・最長60回払いが目安
- 携帯回線
- dカードを任意整理しても止まらない
- 使用中の端末
- 電話料金合算払いなら使い続けられる
- 事前の切替
- d払い・iD・固定費の支払元を変更する
- 滞納後
- 強制解約やニッテレからの通知の後でも任意整理できる
dカードを任意整理したときの和解条件
dカードの任意整理では、滞納の有無にかかわらず、ドコモから委託を受けたニッテレ債権回収が交渉窓口になります。
和解契約もニッテレ債権回収との間で結びます。
任意整理そのものの仕組みは、以下の記事で詳しく解説しています。

dカードの任意整理は厳しい?交渉の傾向
dカードの任意整理は厳しい部類ではありません。
ただし、取引を始めてから間もない場合や滞納が長引いている場合は、厳しい条件を示される可能性があります。
dカードは、他のカード会社と比べて任意整理に応じてもらいやすい部類に入ります。
最長の60回で和解できているケースがほとんどです。
放置して滞納が長引くと遅延損害金が増え、条件も悪くなります。早めの相談のほうが、結果的に有利になります。
遅延損害金については、以下の記事で詳しく解説しています。

dカードを任意整理する前に確認すべき影響
dカードを任意整理しても、ドコモの携帯回線は止まりません。
dカードのクレジット契約と、ドコモの通信回線の契約は別に管理されているためです。
ただし、dカード払いにしている支払いは、任意整理の前に切り替えておく必要があります。
| 支払い・サービス | カードが止まると | 事前にやること |
|---|---|---|
| ドコモの 携帯料金 |
請求書払いに 自動で切替 |
口座振替は 別途手続き |
| ahamo | 自動では 切り替わらない |
支払方法を 変更 |
| 公共料金・ サブスク・保険 |
自動では 切り替わらない |
支払方法を 変更 |
| d払い・iD | dカードが支払元だと決済できない | 支払元を 変更 |
| dポイント | 回線・dアカウントに紐づけば残る | 紐づけと 残高を確認 |
| ETC・ 家族カード |
使えなくなる | 代替手段を 用意 |
当事務所では、受任前に、dカード払いになっている支払いをすべて洗い出していただいています。
ドコモの携帯料金以外は自動で切り替わらず、変更が終わるまで任意整理の交渉に入れません。
支払方法の変更漏れで手続きが遅れるケースは少なくありません。
ドコモの携帯料金・ahamo
ドコモの携帯料金をdカード払いにしている場合は、カードが使えなくなると自動で請求書払いに切り替わります。
口座振替にしたい場合は、My docomoかドコモショップで手続きします。
ahamoは支払方法が口座振替とクレジットカードに限られ、請求書払いを選べません。
そのため、ahamoの料金をdカード払いにしている方は、事前に口座振替か別のカードに変更しておきましょう。
d払い・iD
d払いは、支払元をdカード以外に変更すれば、引き続き利用できます。
dカードに付いているiDは、カードと一緒に使えなくなります。
参考:dカードを解約した後も継続してd払いを利用できますか。
dポイント
dポイントは、ドコモの携帯電話に貯めていれば、dカードが解約されても失効しません。
ドコモ回線を契約していない方は、dアカウントを発行しておけば、基本的には引き続き使えます。
受任通知を送るとカードが止まるため、発行は依頼前に済ませておきましょう。
ETCカード・家族カードは使えなくなる
dカード本体が止まると、付帯するETCカードと家族カードも一緒に使えなくなります。
必要な方は、事前に代わりの手段を用意しておきましょう。
ETCカードや家族カードへの影響や代替手段は、以下の記事で詳しく解説しています。
任意整理の対象にしなかった他社のカードも、更新を断られたり、利用を止められたりすることがあります。

スマホ端末への影響
dカードを任意整理した場合、スマホ端末への影響は、いま使っている端末と、これから買う端末とで分かれます。
いま使っている端末
- 電話料金合算払いなら、そのまま使える
- 携帯料金と一緒に
端末代を払い続ける
これから買う端末
- 分割購入は審査に
通りにくい - 一括払いなら
購入できる
いま使っている端末は使い続けられる
ドコモで端末を分割で買った場合、端末代は「電話料金合算払い」として、毎月の携帯料金と一緒に請求されます。
これはdカードとは別の契約です。携帯料金を払い続けていれば、端末代を返済している途中でも、そのまま使い続けられます。
当事務所でも、電話料金合算払いの端末が、dカードの任意整理を理由に引き上げられたケースはありません。
大切なのは、dカード払いから請求書払いに切り替わった後の携帯料金を滞納しないことです。
なお、端末代をdカードで支払った場合は、その残高もdカードの利用分として、任意整理の対象になります。
これから買う端末は分割の審査に通りにくい
これから端末を分割で買う場合は、信用情報に事故情報が登録されるため、完済後およそ5年間は審査に通りにくくなります。
ドコモ回線をそのまま使っていても、機種変更時の分割審査には影響します。
ただし、端末代を一括で払えば、機種変更はできます。
債務整理後のスマホ契約や端末購入への影響は、以下の記事で詳しく解説しています。

dカードの任意整理で返済額はどう変わる?
リボ払いや分割払いを続けていると、毎月返済していても利息や手数料の負担が大きく、元金がなかなか減らないことがあります。
任意整理で利息をカットできれば、毎月の返済額を抑えながら、支払った金額の分だけ元金が減っていきます。
解決事例|リボと一括払いを合わせて月1万円の返済にしたケース
dカードを約2年半利用し、ショッピングリボの約50万円を毎月15,000円ずつ返していましたが、そこへ一括払いの請求約10万円が重なりました。
もともと家賃と生活費を払うと手元にほとんど残らない状態で、今月分の返済ができなくなり相談に来られました。
リボと一括払いを合わせた約60万円を整理の対象にし、ドコモ料金は口座振替に切り替えていただきました。
借入総額 約60万円
(リボ残高50万円+一括払い10万円)
| 任意整理前 | 任意整理後 | |
|---|---|---|
| 毎月の返済 | 15,000円 +一括10万円 |
10,000円 |
| 将来の 利息・手数料 |
約15万円 | 0円 |
交渉の結果、ご依頼から約4か月で将来利息をカットした60回払いの和解が成立し、月々の返済は10,000円になりました。
任意整理では、リボの残高だけでなく、一括払いの請求も分割払いに組み直せます。
この事例でも、一括払いの約10万円をリボ残高と合わせて60回払いにしたことで、今月分の支払いに困る状態から抜け出せました。
リボ払いの任意整理については、以下の記事で詳しく解説しています。

強制解約・ニッテレ債権回収から通知が来た後でも任意整理できる
dカードの支払いを長く滞納すると、カードは強制解約されます。
強制解約後であっても、任意整理で将来利息のカットと分割返済の交渉ができます。
当事務所でも、強制解約後のdカードの残債務を任意整理で和解した事例が多数あります。
ニッテレ債権回収(0570-783-890)からの連絡
ニッテレ債権回収は、ドコモからdカードの債権回収を委託されている、法務大臣の許可を受けた債権回収会社(サービサー)です。
電話は0570-783-890(ドコモdカード受託センター)から発信されることが多いです。
この番号からの着信は、dカードの支払いに関する連絡と考えてよいでしょう。
通知を放置すると、一括請求や訴訟、差押えに進むおそれがあります。
通知書(ハガキ・封書)が手元にあれば、相談時にお持ちください。残高や経過の確認が早くなります。
訴訟を起こされた後でも、任意整理で和解できることがあります。

引き落としができなかった直後で、まだ強制解約されていない方は、支払い遅れの段階ごとの対応を先に確認してください。

参考:ニッテレ債権回収株式会社とは何の会社ですか?-dカード
dカードを任意整理する流れ
dカードの任意整理は、一般的な流れに加えて「dカード払いにしている固定費を切り替える」必要があります。
1 dカード払いの支払いを切り替える
ahamo・公共料金・保険料・サブスクなどの支払方法を変更します。
d払い・iDの支払元もあわせて変更します。
2 受任通知を送り、督促が止まる
司法書士がdカード側へ受任通知を送ります。
以後、本人への督促と支払いはいったん止まります。
3 ニッテレ債権回収と和解交渉
将来利息のカットと最長60回の分割を目指して交渉します。
和解までは3〜6か月ほどが目安です。
4 和解後、毎月の返済を始める
和解で決めた金額を毎月返済します。
2回分以上遅れると一括請求を受けるおそれがあるため、無理のない金額で和解することが大切です。
任意整理全体の流れや期間は、以下の記事で詳しく解説しています。

相談前に整理しておきたいこと
相談前に次の点を整理しておくと、見通しを出しやすくなります。
- dカードの現在残高
- 他社借入の有無と残高
- 滞納の有無
- 毎月いくらなら返済継続できそうか
- スマホ端末代の分割払いが残っているか
- dカード払いにしている支払い(携帯料金・d払い・iD・固定費)
dカードの任意整理が向いている人
dカードの任意整理は、すべての人に向いているわけではありません。
返済を続けられる見込みがあるか、生活決済への影響を整理できるかを確認して判断する必要があります。
5年間続けられる見込みがある?
任意整理が
第一候補
リボが長引いて元金が減らない方、自己破産は避けたい方
個人再生・
自己破産も検討
借入総額が大きい、住宅ローンを残して借金を大きく減らしたい方
任意整理で返済を続けることが難しい場合は、個人再生や自己破産を含めて検討したほうがよいことがあります。

よくある質問
- dカードを任意整理すると、ドコモのスマホは止まりますか?
-
止まりません。dカードと携帯回線は別の契約です。
ドコモ料金をdカード払いにしている場合は請求書払いに切り替わるため、その後の料金を滞納しないことが大切です。
- dポイントは失効しますか?
-
dカードが使えなくなっても、dポイントが必ずすべて失効するとは限りません。
ドコモ回線やdアカウントとの紐づけ状況によって扱いが変わるため、任意整理前にdアカウントとポイント残高を確認しておくことが大切です。
- d払いは使えなくなりますか?
-
d払いの支払元をdカードに設定している場合、そのままでは決済できなくなります。
整理前に支払元を別のカードや銀行口座に変更しておく必要があります。
- iDは使えなくなりますか?
-
dカードに紐づくiDは、dカード解約とともに使えなくなります。
継続して非接触決済を使いたい場合は、別カードやスマホ決済への切り替えを検討します。
- ニッテレ債権回収から通知が来ても任意整理できますか?
-
基本的に任意整理で対応できるケースが多いです。
ただし、滞納が進んでいる可能性があるため、通知書の内容を確認し、早めに対応方針を決めることが大切です。
- dカードを任意整理すると、和解の相手はどこになりますか?
-
dカードの任意整理は、滞納の有無にかかわらず、ドコモから委託を受けたニッテレ債権回収株式会社が交渉窓口になります。
和解契約もニッテレとの間で締結します。
- dスマホローンとは別に考えるべきですか?
-
はい。dカードとdスマホローンは別のサービスです。
同じドコモ系でも、契約内容や任意整理の影響は異なります。
dスマホローンについては、以下の記事をご確認ください。
- dカードが強制解約されてしまいましたが、任意整理できますか?
-
はい、強制解約された後でも任意整理できる可能性があります。
残った債務について将来利息のカットや分割払いを交渉できます。
- dカードを任意整理すると、スマホ端末の分割払いや機種変更はできますか?
-
任意整理中および完済後しばらくは、信用情報の影響でスマホ端末の分割購入審査に通りにくくなります。
一括払いで端末を購入する、現在の端末を使い続けるなどの方法は検討できます。
すでに分割払い中の端末については、ドコモ料金と端末代の支払いを継続できていれば、通常はそのまま使い続けられます。
