イオン過払い金|対象条件・返還率・カード解約までを司法書士が解説

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

イオンカードやイオンクレジットでのキャッシング取引は、2007年3月10日以前に借入があった場合のみ過払い金が発生する可能性があります。

返還相場は示談で90〜100%・訴訟で100%+利息が目安で、入金までの期間は示談で6〜8か月、訴訟で6〜10か月程度が一般的です。

項目内容
対象2007年3月10日以前の
キャッシングのみ
返還割合示談90〜100%
訴訟100%+利息
入金までの期間示談6〜8か月
訴訟6〜10か月
カード解約基本は解約されない
滞納時は注意
時効完済から10年で消滅

※記載の割合・期間は当職の実務経験に基づく目安です。事案(取引期間、争点等)により異なります。

参考元:過払金の返還請求-東京弁護士会

目次

イオンで過払い金請求の対象になる条件

イオンカードで過払い金が発生する条件を教えてください

イオンは2007年3月10日以前から取引があった人だけ過払い金が発生する可能性があります。

ショッピングでは過払い金は発生しません。

2007年3月10日以前のキャッシング取引が対象

イオンは2007年3月11日に利息を利息制限法の上限内(18%以下など)に見直しました。

したがって、2007年3月10日以前にキャッシングを利用していた人のみ過払い金が発生している可能性があります。

いつから借りたかを調べる方法については以下の記事で詳しく解説しています。

ショッピング(立替販売・リボ)は対象外

ショッピングリボや立替払いは割賦販売法の対象であり、過払い金は発生しません。

過払い金はキャッシングのみが対象です。

返済をすることが難しい状況の人は任意整理をして、利息をなくして元金だけの分割払いにして返済を楽にすることができます。

対象かどうか簡単に確認できる方法

  • 契約日や借入明細の確認
  • 過去の契約書やカード番号の確認

上記の書類等がない場合は、イオンフィナンシャルサービスへ取引履歴の開示請求を行うのが最も確実です。

イオンカードで過払い金を回収した事例

60代 女性

2005年からイオンカードを利用していて約45万円の過払い金が判明。司法書士に依頼してから6か月で返金、思ったより手続きが簡単で驚きました。

過払い金の返還相場と期間

イオンの過払い金請求への対応を教えてください

イオンの対応は良心的で、裁判をしなくても過払い金の元金の返金に応じてもらえることがあります。

利息まで回収したい、取引の分断等の争点を争うとなると裁判が必要になります。

示談交渉の目安

  • 返還割合:90〜100%
  • 入金まで:約6〜8か月

イオンは比較的対応が良く、裁判なしでも高い割合で回収できることが多いです。

訴訟の目安

  • 返還割合:100%+利息(年5%)
  • 入金まで:約6〜10か月

利息を含めた満額回収を目指す場合は裁判が必要になります。

過払い金の利息については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金請求の流れ

請求の手続きは以下の流れで行います。

STEP
取引履歴の取り寄せ

イオンフィナンシャルサービスへ受任通知を送付し、過去の取引履歴を開示請求します。

取引履歴の開示には1〜2か月程度かかります。

取引履歴には過去の借入・返済の詳細がすべて記載されており、これを基に過払い金を正確に計算します。

STEP
過払い金の請求or裁判

計算後、イオンに請求書を送付して交渉を行います。

交渉で満額回収が難しい場合や利息まで取り戻したい場合は、裁判を提起して回収を目指します。

STEP
和解or判決

裁判をした場合でも、早期に和解(合意)に至ることが多いです。

条件で折り合いがつかない場合は判決で回収額を確定します。

STEP
返金

和解や判決で決まった日にイオンから過払い金が返還されます。

過払い金請求の流れについては以下の記事でも詳しく解説しています。

過払い金請求の注意点(カード解約・銀行保証)

イオンへ過払い金請求をするにあたりデメリット等はありますか?

通常は過払い金請求をした会社のカードは解約になります。

しかし、イオンは過払い金請求先の会社とカード発行会社が異なるため、過払い金請求をしてもカードが継続して利用できる可能性があります。

イオン銀行で借入があり、支払いに遅れ等があると保証を実行されてブラックリストに登録される可能性があります。

参考元:信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

イオン銀行での借入がある方が過払い金請求をする際は、カード解約やブラックリスト登録のリスクを正しく理解しておく必要があります。

イオンカードは原則解約にならない

  • 現在のイオンカードはイオン銀行が発行
  • 過払い金の請求先はイオンフィナンシャルサービス

2013年4月1日以降、イオンカードはイオン銀行契約に順次切り替えになりました。

そのため、現在キャッシングを利用している人のほとんどは、イオン銀行からの借入になっています。

イオンフィナンシャルへ過払い金請求をしても、原則はイオン銀行のカードに影響はありません。

保証会社と代位弁済の注意点

保証が実行されるとカード解約、ブラックリスト登録、口座凍結といったデメリットが発生します。

イオン銀行から借入があっても、支払いに滞りがなければ、過払い金だけの回収を行うことができます。

ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ポイントまとめ(カード解約・銀行保証)

項目内容
発行会社イオン銀行
過払い金請求先イオンフィナンシャルサービス
旧イオンクレジットサービス
カード解約過払い金請求をしてもカードは解約されない
滞納があると解約の可能性あり
保証会社イオンフィナンシャルサービス
滞納時のリスク保証実行
ブラックリスト登録
口座凍結
カード解約

イオン銀行のカードを利用中でも支払いに遅れがなければ、カードは解約にならずに過払い金を回収できます。

イオンカードが解約にならなかった事例

40代 女性

イオンカードを利用中で過払い金請求をしたらカードが止まるのでは?と不安でしたが、滞納もなかったためカードは継続して利用できています。

イオン銀行への切替に伴う時効の注意点

完済から10年で時効が成立

過払い金は完済日から数えて10年で時効となり、請求ができなくなります。

また、過払い金請求ができると知った時から5年の時効もあります。

イオン特有の注意点

  • 2013年4月1日から
    • イオンカードはイオン銀行との契約に切り替えられた
  • それ以前に利用したイオンクレジットサービスとの契約分は別契約扱い
    • イオンクレジットの完済から10年で過払い金は時効になる

イオンカードを利用中でも、イオンクレジットの完済から10年が経つと時効で過払い金請求ができなくなります。

現在もカードを使っているから安心、というわけではなく、知らずに時効を迎えているケースもあります。

イオンクレジットを
2016年に完済した場合
2016年完済
2026年で時効になる

時効間近の対応方法

ステップ対応内容
早めに相談弁護士や司法書士に
時効の確認・請求可否の判断を依頼
内容証明郵便代理人から内容証明郵便を送付
時効の進行を止める
訴訟で中断回収まで時間がかかる場合
裁判提起で時効を更新

過払い金の時効については以下の記事でも詳しく解説しています。

よくある質問

イオンの過払い金の計算は自分でもできますか?

可能です。

ただ、イオンはイオン銀行とイオンフィナンシャルとの取引に分かれているので、少し複雑になります。

イオンは家族や勤務先に知られずに過払い金請求できますか?

ほとんどのケースで可能です。

イオンから家族や勤務先へ連絡がいくことはありません。

イオンに過払い金を請求するとCICやJICCなど信用情報に記録されますか?

完済後の過払い金請求は信用情報に影響しません。

ただし、返済中で滞納をしている場合等は事故情報が登録される可能性があります。

イオンの過払い金を受け取る口座は指定できますか?

任意の口座を指定可能です。

まとめ

イオンの過払い金の返還内容

  • 過払い金元金の90〜100%が回収できる可能性
  • 話し合いでは和解から6〜8か月後に返金

デメリット・注意点

  • イオンカードは基本的に解約にならない
    • 滞納があると利用停止の可能性あり
  • イオン銀行の借入に滞納があると
    • ブラックリスト登録・口座凍結のリスク
  • 完済から10年で時効が成立し回収できなくなる
    • イオンカード利用中でもイオンクレジットの時効に注意

司法書士からのアドバイス

  • 専門家に相談して安全に進める
    • 取引履歴の取り寄せや時効判断、利息まで回収するための訴訟対応などは専門知識が必要です。
    • 無料相談を活用し、最も有利な方法で過払い金を取り戻すのがおすすめです。
  • 時効が迫る前に行動を
    • 過払い金は完済日から10年で消滅します。
    • 今もカードを利用している方でも、古いキャッシング分は既に時効が進んでいる可能性があるため、早めの確認が重要です。
  • イオン銀行の借入状況を必ず確認
    • イオン銀行を滞納中だと、ブラックリストや口座凍結などのデメリットが発生します。
    • 必ず現状を整理してから請求しましょう。
  • 請求先と発行元の違いを理解する
    • 過払い金の請求先はイオンフィナンシャルサービスですが、カード発行元はイオン銀行です。
    • この仕組みを理解すれば、カードが使えなくなるリスクを最小限にできます。
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