一度債務整理をしても、仕事や家族の状況、体調が変われば、返済を続けられなくなることはあります。
そのようなときに、もう一度債務整理をすることはできるのか。できるとして、1回目と何が違うのか。
任意整理・個人再生・自己破産それぞれの後に返済ができなくなった場合の選択肢と、後から任意整理する会社を追加する方法を解説します。
任意整理後に返済ができなくなった場合
- 任意整理した後に返済が難しくなってしまったらどうすればいいですか?
-
再度の任意整理で分割払いに戻せる可能性があります。
ただし条件は1回目より厳しくなるのが一般的です。
返済の見込みが立たないのであれば、個人再生や自己破産を検討した方が確実です。
任意整理をした後に返済ができなくなった場合、選択肢は3つです。
- 再度の任意整理で分割払いに戻す
- 個人再生で借金を減額する
- 自己破産で返済義務をなくす
どれを選ぶかは、収入が戻る見込みがあるかどうかで決まります。
※まだ和解が破棄されておらず、1回分の遅れで止まっている段階であれば、対応が変わります。

「2度目の任意整理」にあたるかどうかは和解前か和解後かで決まる
ここが最初の分かれ目です。同じ「辞任された」でも、その時点で和解が成立していたかどうかで、その後の条件は変わります。
和解が成立する前に辞任
- 2度目の任意整理にはあたらない
- 交渉がまだ終わっていない状態
再度依頼したときの条件条件は変わらない
和解の成立後に滞納して辞任
- 2度目の任意整理にあたる
- 一括請求されている状態から交渉し直す
再度依頼したときの条件返済額は上がる
任意整理の流れについては以下の記事で詳しく解説しています。

2度目の任意整理は条件が厳しくなる
和解後に辞任になったケースでは、1回目と比べて次の点が不利になります。
毎月の返済額が高くなる
2度目の任意整理では、債権者から1回目より高い月額を求められるのが一般的です。
一度和解した条件を守れなかった以上、同じ水準の返済額では応じてもらえないためです。
遅延損害金が加算されている
和解が破棄されると、完済までの遅延損害金も請求されます。
この金額を含めた残高が交渉の対象になるため、1回目より総額が増えます。
遅延損害金については以下の記事で詳しく解説しています。

債権が譲渡されていることがある
滞納が長引くと、債権が債権回収会社へ譲渡されている場合があります。
譲渡先との交渉では頭金を求められるなど、対応がさらに厳しくなることがあります。
そもそも交渉に応じてもらえないことがある
任意整理は貸金業者との任意の交渉なので、相手が応じなければ成立しません。
3回目や4回目になると任意整理に応じないところもあります。
楽天カードは2回目も柔軟な和解が可能
楽天カードは、2度目の任意整理でも1回目と変わらない条件で和解できることがあります。
条件が同じであれば、1回目に返済した分だけ元金は減っているので、毎月の返済額が下がる可能性もあります。
楽天カードの任意整理については以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理後に個人再生をする場合
個人再生は、借金を減額してもらい、減額後の金額を原則3年(36回)で返済していく手続きです。
任意整理をしたからといって個人再生ができなくなることはありません。
減額後の金額は、次の基準と清算価値(自己破産した場合に財産を売却して得られる金額)を比べて、高い方になります。
- 100万円以下 … 減額なし
- 1500万円未満 … 5分の1(最低100万円)
- 1500万円を超え3000万円以下 … 300万円
- 3000万円を超え5000万円以下 … 10分の1
注意が必要なのは、個人再生では任意整理のように、手続きの対象とする借金を選ぶことができない点です。
任意整理では一部の債権者を手続きから除外できますが、個人再生では原則としてすべての債権者が手続きの対象になります。
そのため、自動車ローンが残っている場合は車を引き上げられる可能性があります。
また、奨学金など保証人がついている借入がある場合は、保証人に対して返済を求められることがあります。
個人再生については以下の記事で詳しく解説しています。
任意整理後に自己破産をする場合
自己破産は、返済義務を免除してもらう手続きです。
任意整理後に支払いができなくなった場合、後から自己破産を申し立てることもできます。
自己破産も個人再生と同じく、すべての債権者が対象になります。
任意整理のときに対象外にしていた借入先も、自己破産では申告しなければなりません。
自己破産については以下の記事で詳しく解説しています。
個人再生後に返済ができなくなった場合
- 個人再生後に返済ができなくなったらどうすればいいですか?
-
やむを得ない事情があれば、裁判所に再生計画の変更を申し立てて、支払期間を延長してもらえることがあります。
延長が認められない場合や、延長しても支払えない場合は自己破産を検討することになります。
まずは再生計画の変更(期間の延長)
個人再生の返済が厳しくなった場合、最初に検討するのは自己破産ではなく、再生計画の変更です。
やむを得ない事情があると認められれば、支払期間を最長2年延長してもらえます。
原則3年の計画であれば、最長5年まで延ばせる計算です。
ハードシップ免責
ハードシップ免責という制度があります。
ただし、計画で決まった返済額の4分の3以上をすでに支払っていることなどの条件があり、返済が始まって間もない段階では利用できません。
個人再生後の自己破産
再生計画の変更もハードシップ免責も使えない場合は、自己破産を検討することになります。
ここで注意が必要なのが年数の制限です。
給与所得者等再生を利用していた場合、認可決定の確定から7年以内の自己破産は免責不許可事由にあたります。
小規模個人再生であれば、この制限はありません。
個人再生が取り消された後に任意整理はできるか
返済を滞納したまま放置していると、債権者の申立てによって再生計画が取り消され、借金は減額前の金額に戻ります。
減額後の金額でも返済できなかった以上、減額前に戻った借金を任意整理しても解決にはなりません。
滞納しそうな段階で、計画の変更を申し立てるかどうかを検討してください。
2回目の個人再生はできるか
現在返済中の再生計画について、もう一度個人再生を申し立てて、同じ借金をさらに減額し直すことはできません。
再生計画どおりの返済が難しくなった場合は、まず再生計画の変更やハードシップ免責を検討します。
一方、個人再生による返済を完了した後に新たな借入をし、その返済が難しくなった場合には、再び個人再生を利用できる可能性があります。
前回の手続きが小規模個人再生であれば、再度申し立てるまでの年数に制限はありません。
ただし、前回が給与所得者等再生だった場合は、前回の認可決定が確定してから7年以内は、給与所得者等再生を利用することはできません。
自己破産後にまた借金をした場合
- 自己破産した後にまた借金をして返済ができなくなったら債務整理はできますか?
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任意整理と小規模個人再生に年数の制限はありません。
2度目の自己破産と給与所得者等再生は、前回の免責許可決定の確定から7年が経過している必要があります。
自己破産後の任意整理
制限はありません。
自己破産の後に作った借金を任意整理することはできます。
自己破産後の個人再生
小規模個人再生であれば、問題なく申し立てできます。
給与所得者等再生の場合は、前回の免責許可決定の確定から7年以内は申し立てできません。
2度目の自己破産
前回の免責許可決定の確定から7年以内の申し立ては、免責不許可事由に該当します。
ただし、免責不許可事由があっても、裁判所が事情を考慮して裁量免責を認めることがあります。
7年以上が経過していれば免責不許可事由にはあたりません。
しかし、2度目となると裁判所の審査は1回目より厳しくなります。
なぜ再び返済できなくなったのかを、説明できるようにしておく必要があります。
任意整理する貸金業者を後から追加する
- 任意整理をする貸金業者を追加することはできますか?
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前回任意整理をしなかった会社を、後から追加で任意整理することはできます。
少額だったので手続きから外した、申告を忘れていた、という会社の返済が苦しくなってきた場合、その会社だけを追加で任意整理できます。
追加できないこともある
追加した会社の分も含めて、毎月支払っていけるかどうかが判断の基準になります。
追加した結果、毎月の返済額が支払える範囲を超えるのであれば、任意整理は成立しません。
その場合は個人再生か自己破産を検討することになります。
個人再生や自己破産に切り替える場合、すでに任意整理中の会社も手続きに含まれます。
任意整理のように一部だけ除外することはできません。
まとめ
環境が変われば返済が続けられなくなることはあります。実際に2回以上債務整理をしている人もいます。
ただし、方法によっては2回目が難しい場合があります。
- 任意整理
- 和解後の滞納なら条件は厳しくなる。
- 和解前の辞任なら1回目と同じ条件
- 業者の追加 … 前回外した会社は後から追加できる。ただし支払える範囲を超えるなら成立しない
- 個人再生
- 返済中なら計画の変更かハードシップ免責。
- やり直しての減額はできない
- 自己破産
- 前回の免責確定から7年以内は自己破産の免責不許可事由になる
費用の面でも、最初の手続きの費用を払ったうえで、次の手続きの費用を改めて支払うことになります。
最初の相談時にすべての借入先を申告していれば、はじめから個人再生や自己破産を選べたケースもあります。
相談時には申告を漏らさないこと、そして少額だからと手続きから外した会社からは借りないことが、二重の負担を避ける方法です。
手続きを変更する場合の費用の扱いについては以下の記事で解説しています。



