任意整理手続きの手順と流れを司法書士が解説【即日対応できるか?】

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

「借金の返済が苦しく、毎月の督促や不安で悩んでいる。でも、専門家への相談はなんとなく敷居が高い…」

そんなふうに迷われている方は多いですが、実は債務整理の手続きは決して難しくありません。

正しい流れと注意点を知って、早めに相談することが再スタートへの第一歩です。

任意整理を依頼するまでの流れは以下のとおりです。

任意整理の流れ
電話やメールで相談~司法書士と面談~返済可能なら積立金開始~和解交渉~分割返済開始

任意整理を依頼する方法、手続きにかかる期間、即日対応はできるのか?どのタイミングで督促が止まるのかを解説します。

目次

任意整理の流れ|最初の相談から完済まで一括解説

任意整理を依頼するにはどうすればいいですか?

まずは専門家に連絡することからです。

事務所によりメールやLINE相談も行っています。

電話やメールで相談をした後は、事務所で面談をするという流れになります。

初めて相談する方にも分かりやすいように、依頼から完済までの流れ・ポイント・よくある質問まで丁寧に解説します。

STEP1|まずは電話やメールで無料相談

まずは事務所へ「債務整理の相談をしたい」とご連絡ください。

最近は電話・メール・LINEなどさまざまな方法で無料相談が可能です。

分からないことがあっても大丈夫です。基本的に専門家の側から必要事項を質問してくれます。

電話相談は5分~30分ほどで終わります。

電話相談で聞かれる内容

  • 現在借りている業者名、借入額、毎月の返済額、借入年数、収入などをヒアリングされます。
  • 事前に明細書や会員ページなどで、最低限の借入状況を調べておくとスムーズです。
  • 不明な部分があっても、相談段階ではおおよその内容で問題ありません。

STEP2|司法書士・弁護士との面談

任意整理の弁護士や司法書士との面談は何をするんですか?

借入先の会社名と借入額、毎月の返済額、取引年数を確認されます。

任意整理をして支払っていくことができるかを確認するために収入や支出、借入が増えた原因も確認されます。

無料相談後は、事務所で直接面談します(所要時間は1時間程度)。

面談では、返済の状況や家計、今後の見通しを具体的に確認します。

面談で確認される主な項目
  • 収入・支出・家計の状況
  • 借入先と金額・取引期間
  • 毎月の返済額
  • 借入に至った経緯や理由
面談時の持ち物
  • 本人確認書類(運転免許証や保険証)
  • 印鑑(認印で可)
  • 返済明細や契約書、カード、督促状(あれば)
弁護士・司法書士から説明されること
  • どのくらいの返済額になりそうか
  • 任意整理が可能そうか
  • ブラックリストの説明
  • 費用についての説明

契約内容や今後の流れ、費用面に納得できれば、委任契約書を交わして正式な依頼となります。

任意整理の面談方法

STEP3|受任通知の送付と返済ストップ

任意整理を依頼した後は何をすることになるんですか?

依頼者が行うことは、貸金業者への返済を止めることと、積立金を振り込むことです。

問題なく積立金ができれば、弁護士や司法書士が貸金業者との交渉を行います。

契約後、司法書士・弁護士が各貸金業者に「受任通知」を送付します。

受任通知とは、「専門家が債務整理手続きを開始した」ことを知らせる公式な文書です。

受任通知が送付されると
  • 依頼者はその時点から返済を一時停止する
  • 貸金業者からの督促や取り立ては即ストップ
  • 本人へ直接連絡することも禁止

「督促が怖くて相談できなかった」という方でも、依頼後すぐに督促が止まるので安心して手続きが進められます。

貸金業者との連絡は弁護士や司法書士と行うので、本人が業者と話す必要はありません。

STEP4|積立金の準備

受任通知送付後、依頼者は貸金業者への返済を止め、積立金を事務所に分割で納めていきます。

  • 積立期間は約3~6ヶ月が一般的
  • 積立金は任意整理の費用に充てられる
  • 積立金は任意整理後に、毎月返済をできるかテストするという意味もある

「債務整理の費用が用意できない」という方も、返済ストップ期間中に分割で納付できるため、事前に準備する必要はありません。

任意整理後は3年~5年ほどの長期間の返済になるので、毎月の返済ができるかどうかを確認するために積立金は必要になります。

積立金ができないと、任意整理をしても支払っていくことができないと判断されるので、任意整理はできません。

積立金が出来なかった場合は、自己破産や個人再生を検討することになります。

任意整理で積立金が必要な理由

STEP5|債務調査

司法書士や弁護士は各貸金業者から取引履歴を取り寄せ、「引き直し計算」などで正確な債務額を確定します。

  • 利息制限法を超える高金利で取引していた場合、借金が減額されるケースも
  • 必要に応じて過払い金請求にも対応

債権調査が完了するまでの期間は、業者からの取引履歴が届く期間により前後します。

2週間で届く業者もあれば3か月かかる業者もあります。

取引履歴を送ってくるのが遅い業者があれば債務調査の期間も長くなります。

STEP6|和解交渉・返済開始

債務額が確定したら、今後の分割回数(通常36~60回=3~5年)、毎月の返済額、支払開始日などについて業者と和解交渉を行います。

業者から提示された、分割回数や毎月の返済額を事前に依頼者に確認した上で、和解内容に基づき分割返済がスタートします。

貸金業者に振込むのではなく、弁護士・司法書士の事務所に振込み、弁護士・司法書士が貸金業者へ振込む返済代行をしている事務所もあります。

任意整理依頼後に依頼者が行うこと

任意整理は即日対応できる?手続き期間の目安

任意整理をすぐに依頼することはできますか?

任意整理を取り扱っている多くの事務所が、電話やメールでの相談は営業時間内ならいつでも受け付けています。

面談は予約制が多いですが事務所によっては、即日対応で面談~依頼までできることもあります。

任意整理は、依頼をして督促を止めるまでの手続きでしたら、あまり時間をかけずにすることが可能です。

  • 無料相談~依頼して督促を止めるまでは即日対応も可能(事務所の空き状況による)
  • 依頼~返済開始までは約3~6ヶ月
  • 和解成立後、分割返済(3~5年)が始まる

「今すぐ督促を止めてほしい!」という場合は、最初の相談時に状況を伝えておくとスムーズです。

家計簿の提出等で手続きが遅れるケースもありますが、多くの事務所で柔軟に対応しています。

 任意整理ができないこともある

任意整理の依頼を受けてもらえないことはありますか

任意整理をしても、その後の毎月の返済が返済ができそうにない場合は、任意整理はできません。

また、任意整理には強制力はないため任意整理に応じてもらえない貸金業者もあります。

任意整理をすると、利息はカットされますが、借金の元金は返済する必要があります。

借金の元金を3年~5年の分割払いでの支払いができそうにない場合は、任意整理はできないと判断されます。

また、任意整理には強制力はないので、交渉に応じない債権者もいます。

任意整理が出来ない時は、個人再生や自己破産という他の債務整理を検討する必要があります。

任意整理できないパターン

【よくある質問・Q&A】

任意整理をしたことが家族や職場にバレませんか?

家族や職場に知られることはほとんどありません。

任意整理を依頼した後は、債権者からの連絡が来ることがなくなります。

また、事務所から自宅や勤務先に連絡がいくこともありません。

任意整理の費用はいつ・どうやって払えばいいですか?

返済をストップしている期間中に積立金として分割納付できます。

事前に準備する必要はありません。

相談~手続き完了までどれくらい?

相談から任意整理の交渉が完了して、返済が再開されるまでは3~6ヵ月が目安です。

相手方の債権者によって異なります。

どのような借金でも任意整理できますか?

一部の業者は任意整理に応じないため、手続きができない場合もあります。

また、任意整理をしても返済困難な場合は、個人再生や自己破産の手続きが必要になります。

まとめ|債務整理の専門家にまずはご相談を

内容ポイント・注意点
相談・問い合わせ電話・メール・LINEで相談借入状況をまとめておく
面談・ヒアリング司法書士・弁護士と面談身分証・印鑑・明細等を持参
受任通知の送付貸金業者へ受任通知を送る受任通知後は督促・返済がSTOP
積立金返済ストップ期間に積立金を準備事前準備不要
分割納付OK
債務額の確定取引履歴の取り寄せ
引き直し計算
金利が高い場合は過払い金発生の可能性も
和解交渉業者と分割回数・返済額・支払条件を交渉交渉は専門家が対応
全業者が応じない場合もある
和解成立・返済開始和解書作成
毎月の返済スタート
カード等は使えなくなる
返済は振込(代行返済も可能)

任意整理は「専門家に相談する」ことからすべてが始まります。

依頼をするまでの手続きは決して難しくありませんし、相談から返済開始までは専門家が全面サポートします。

  • まずは電話やメールで気軽に相談
  • 面談は1回だけ、1時間ほど
  • 依頼後は督促ストップ
  • 費用も分割OK、生活再建を目指せる

費用の準備がなくても、貸金業者への返済を止めている間に分割で支払えるので、事前に費用を準備する必要はありません。

業者とのやりとりはすべて専門家が行うので、依頼者の方にとっては面倒になるようなことはありません。

考えているよりも依頼の手続きは簡単に終わります。

支払いに追われているなら、債務整理を検討することをおすすめします。

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