- 任意整理を依頼する方法
- 依頼をした後は何をすればいいのか?
- 任意整理の依頼はすぐにすることはできるのか?
支払いが難しくなってきたので、債務整理の相談をしたいけど弁護士や司法書士に相談は躊躇してしまう・・・という人は多い思います。
確かに債務整理手続きはデメリットもあるため気軽に行うものではありませんが、お金の問題で悩んでいるのなら早めに相談をすべきです。
借金の返済が苦しい、督促が来ている・・・このような状況でも債務整理をすると督促を止めることができます。
任意整理を依頼するには以下のような手続きが必要になります。
任意整理を依頼する方法、手続きにかかる期間や依頼後はどのように手続きが進んでいくのか?即日対応はできるのか?どのタイミングで債権者からの督促が止まるのかを解説します。
任意整理を依頼する方法~電話相談
- 任意整理を依頼するにはどうすればいいですか?
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任意整理は専門家に連絡することから始めますが、事務所によりメールやLINE相談も行っています。
電話やメールで相談をした後は事務所で面談をするという流れになります。
任意整理を依頼する方法としては、まず相談の電話をしてから事務所で弁護士や司法書士との直接の面談をすることになります。
債務整理を行っている事務所の多くが相談料は無料にしているので相談は気軽にしてみましょう。
以下に流れを詳しく書いていきます。
電話相談
現在の借り入れ状況を確認されます。
最低でも現在借りている業者すべて(ショッピング利用や銀行も含みます)、借入額、毎月の返済額や借り入れ年数、収入等を聞かれます。
業者名も借り入れ額も全くわからないのでは相談にならないため、できる範囲で最低限調べておきましょう。
電話相談は10分~30分ほどで終わります。
借入している金額がわからない場合は、明細や会員ページでの確認が必要になります。
弁護士、司法書士との面談
- 弁護士や司法書士との面談は何をするんですか?
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借入先の会社名と借入額、毎月の返済額、取引年数は確認されます。
任意整理をして支払っていくことができるかを確認するために収入や支出、借入が増えた原因も確認されます。
依頼をする場合は契約書を交わすので、身分証と印鑑も必要になります。
任意整理は利息は免除してもらい元金だけを分割で支払っていく手続きなので、任意整理後の金額が支払えない場合は任意整理はできません。
そのため、現在の借入や支出、収入等を把握しなければならないので、面談当日には以下を確認されます。
- 借入先の会社名
- 借入額
- 取引年数
- 毎月の返済金額
- 収入
- 支出
- 借入の理由
借入金額を業者ごとに任意整理をした場合の分割払いの回数で割ることで、任意整理後の毎月の返済額がいくらになるのかもある程度わかります。
最終的には取引履歴を取り寄せて債務調査を行うことになるので、面談の時点では取引年数等は正確にはわからなくても大丈夫です。
明細等の資料があれば持って行きましょう。
借りている業者名と借り入れ年数がわかれば過払い金があるとか、引き直し計算で借金が減額される可能性があるかどうかがわかります。
委任契約の内容や今後の手続き、費用を確認して問題なければ契約書を交わします。
面談時に用意していくもの
- 本人確認書類
- 印鑑(認め印)
- 返済の明細や業者との契約書(なくても可)
- 督促状や催告書(ある場合のみ)
- 消費者金融のカードやクレジットカード
面談時には本人確認が必要になるので免許証や保険証の提示が必要になります。
委任契約書を交わすため、印鑑も必要になります。
現在の住所と借入業者への登録の住所が異なる場合は、業者へ登録している住所も申告できるようにしておきましょう。
任意整理依頼後の手続き
- 任意整理を依頼した後は何かすることはありますか?
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任意整理を依頼した後は、弁護士や司法書士が貸金業者との交渉を行います。
依頼者が行うことは貸金業者への返済を止めることと、積立金を弁護士や司法書士の事務所に振り込むことです。
- 返済を止める
- 積立金をする
任意整理の依頼後に依頼者が行うことは上記の2点です。
後は専門家からの連絡を待つだけですが、ここでは依頼後に専門家が行う手続きの流れについても書いていきます。
受任通知送付⇒返済を止める
依頼を受けたら弁護士、司法書士は依頼を受けたそれぞれの業者に対して受任通知を送付します。
- 取り立てを止めること
- 取引履歴を送付すること
- 本人への連絡はしないこと
受任通知送付後はその貸金業者への返済をSTOPする必要があります。
返済を止めて確定した金額で任意整理の交渉を行っていく必要があるので、返済を止める必要があります。
受任通知を受けとった貸金業者は本人への連絡は禁止され、その後の連絡は弁護士や司法書士と行うので、本人が業者と話す必要はありません。
積立金をする
弁護士や司法書士へ依頼した後は、依頼者は貸金業者への返済を止めている間に積立金を行う必要があります。
債務整理の費用については貸金業者への返済をSTOPして、その間に積立金として分割で支払うことになります。
そのため、事前に費用が用意できていなくても問題ありません。
積立金を行う期間は3ヶ月~6ヵ月ほどになることが多いです。
任意整理後は元金を3年~5年ほどの分割で返済することになりますが、毎月の返済ができるかどうかを確認するためにも積立金は必要になります。
積立金が出来なかった場合は、自己破産や個人再生を検討することになります。
任意整理の交渉
依頼から数か月で引き直し計算等の債務調査が終わり債務額が確定します。
債務額が確定した後は、将来の利息をなくしてもらうことと、分割回数、支払い開始日についての交渉を行っていきます。
債務額確定までの期間は業者からの取引履歴が届く期間により前後します。
2週間で届く業者もあれば3か月かかる業者もあります。
和解交渉は基本的にはすべての業者の債務調査が終了してから行います。
和解契約
業者との交渉ができたら弁護士・司法書士と業者との間で和解書を交わします。
和解書には以下の内容が記載されています。
- 毎月の返済額
- 支払い開始日
- 分割回数
- 振込先
- 入金を数回(2回が多い)滞納したら一括返済を求める
任意整理手続き完了
和解書のやり取りが終わったら和解書、領収書、支払い計画書等を依頼者へ送付して手続きは終了します。
支払い計画書にはいくらの金額を毎月何日までに支払い、いつまでの返済になるのかが記載されています。
※和解書にも同じような内容が記載されているので、支払い計画書は事務所によっては発行しない事務所もあります。
返済を再開する
和解内容のとおりに、3年~5年ほどの分割回数で返済をしていき完済を目指します。
任意整理後、カードは解約になるので返済は貸金業者への振り込みで行います。
貸金業者に振込むのではなく、弁護士・司法書士の事務所に振込み、弁護士・司法書士が貸金業者へ振込む返済代行をしている事務所もあります。
任意整理の依頼~任意整理の交渉が完了するまでの期間は3ヶ月から半年ほどかかります。
その後は3年~5年ほどの分割で返済を行っていきます。
債務整理はすぐにできるの?
- 債務整理をすぐに依頼することはできますか?
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債務整理を取り扱っている多くの事務所が、電話やメールでの相談は営業時間内ならいつでも受け付けています。
面談は予約制が多いですが事務所によっては空いていれば、即日対応で面談~依頼までできることもあります。
依頼をするには電話やメールで相談をして面談をするという流れで、依頼をするだけならばあまり時間はかかりません。
電話相談後、数日後に面談を行うのが通常ですが、事務所の空き状況によっては相談から依頼まで即日で行えることもあります。
依頼をした後は債権者への返済は止めても、督促が来ることはなくなります。
状況によっては家計簿の提出が必要だったりして、すぐに依頼を受けてもらえないこともあります。
依頼後は積立金を行ったり、債権者との交渉を行ったりするので、任意整理では相談から分割返済が始まるまでは3~6ヵ月ほどの時間がかかります。
任意整理では解決できないような状態だと、個人再生や自己破産の他の債務整理を検討する必要があり、任意整理ができないこともあります。
任意整理ができないこともある
- 任意整理の依頼を受けてもらえないことはありますか
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任意整理をしても毎月の返済が返済ができない状況であれば、任意整理の依頼を受けることはできません。
また、任意整理には強制力はないため任意整理に応じてもらえない貸金業者もあります。
任意整理は希望をすれば必ずできるというものではありません。
任意整理をすると、利息がなくなった借金の元金を36回~60回での分割払いになります。
また、任意整理には強制力はないので、交渉に応じない債権者もいます。
任意整理が出来ない時は、個人再生や自己破産という他の債務整理を検討する必要があります。
まとめ
今回は債務整理手続きの「任意整理」について、専門家へ依頼する流れと手続きにかかる期間を紹介しました。
任意整理を行う場合に依頼者の方が行うことは以下のとおりです。
依頼をする流れとしては相談~面談の手続きとなります。
返済が苦しいとか、督促が激しいのですぐに債務整理を頼みたい場合、専門家の状況によっては1日で相談~依頼まで行うことも可能です。
面談時に1度だけ弁護士、司法書士事務所へ出向く必要がありますが、その面談も1時間程度で終わります。
依頼をすれば貸金業者からの督促も止まります。
任意整理では返済できない、又は任意整理には応じない債権者もいるため、任意整理ができない場合は個人再生や自己破産を検討する必要があります。
その後の専門家とのやりとりは基本的には電話か郵送のみです。
業者とのやりとりもすべて専門家が行うので、依頼者の方にとっては面倒になるようなことはありません。
考えているよりも依頼の手続きは簡単に終わります。
支払いに追われているなら、債務整理を検討することをおすすめします。