任意整理をすると自宅に郵便物は届くか?郵送方法等を司法書士が解説

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

「任意整理をしたら自宅に郵便が届くの?」「家族にバレずに手続きしたい」──

結論から言えば、任意整理を司法書士や弁護士に依頼した後は、債権者からの郵便は原則届きません(一時的な例外あり)。

ただし、例外的に届くケースや、事務所から書類が送られてくることもあるため注意が必要です。

任意整理手続き中に郵便物が届くのはどのようなケースで、何回ぐらい届くのか?送付方法について、そして家族にバレないための対策方法を詳しく解説します。

目次

状況別早見表|任意整理で郵便が届く・届かない

状況郵便が届く可能性主な内容
依頼前届く請求書
督促状
依頼直後稀に届く発送済み明細
自動送信分
手続き中
完了後
原則届かない
訴訟されると届く訴状
支払督促

任意整理後に貸金業者から郵便物は届く?

任意整理をすると貸金業者から自宅に郵送物が届くことはありますか?

任意整理の依頼後は、貸金業者から本人への郵送物は届かなくなります。

ただしクレジットカードの利用明細等は、任意整理を依頼してから少しの間は届くことがあります。

  • 任意整理を司法書士や弁護士に依頼すると、「受任通知」が各貸金業者へ送られる
  • この通知が届いた時点で、貸金業者は債務者本人に直接連絡することが法律で禁止される
  • そのため、任意整理の依頼後は、貸金業者から自宅に郵便物や請求書が届くことは原則なし

これは貸金業法第21条に基づく法的効力があり、違反すると業者は行政処分や刑事罰の対象となります。

また、任意整理を依頼した後は専門家の指示に従って返済をSTOPする必要があり、返済を止めても連絡がくることもありません。

原則として任意整理を依頼した後に貸金業者から郵便物が届くことはなく、電話連絡が来ることもない。

30代 女性

支払いができなくて督促が届き、家族に隠すのも難しくなっていました。相談当日に受任通知を出してもらって督促が止まりました。

任意整理依頼後でも届く可能性のある書類

任意整理の依頼後、以下のような書類が一時的に届くことがあります。

クレジットカードの利用明細など

依頼直後は、システムの都合でクレジットカードの明細書などの定期郵送物が止まらない場合があります。

督促状

手続き前の延滞分に関する督促も、依頼直後はシステムの都合上届いてしまうことがあります。

裁判所からの書類

  • 任意整理を依頼した後でも、貸金業者が債務者本人を訴えることは法律上可能
  • 訴訟が起こされると、裁判所からの書類(訴状・呼出状など)が郵送される
  • 届いたらすぐに依頼をしている事務所へ連絡が必要

長期間滞納している等でなければ貸金業者から訴えられることはほとんどありません。

特定の業者では、受任通知送付後3か月程度で訴訟を起こす場合がありますが、早めに手続きをして訴えられないようにすることができます。

滞納等がなければ裁判所から書類が届くようなことはほとんどないので、あまり心配する必要はありません。

裁判を起こされた場合の対応については、以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理と郵便物の届く・届かない早見図

司法書士・弁護士事務所から届く書類と封筒表示

任意整理を依頼した事務所から書類が届くことはありますか?

任意整理手続きが終了した後等に、和解書や領収書等の書類が送付されることになります。

自宅に送付する場合は事務所名を入れずに送付したりもできます。

また、本人限定受取郵便や郵便局留めでの発送や、郵送ではなく事務所に直接取りに行くこともできます。

依頼した事務所から届く書類

任意整理を依頼すると、事務所から以下のような書類が届くことがあります。

  • オンライン面談等の場合
    • 委任契約書・重要事項説明書等
  • 任意整理後
    • 和解書・返済スケジュール表
    • 領収書・完了報告書等

通常は専門家からの郵送物は1~2回程度で、送付方法は事前に確認しておいた方法で、連絡があった後に送付されることになります。

弁護士や司法書士からの郵送物で家族にバレてしまうことはほとんどありません。

任意整理手続きの流れについては以下の記事で詳しく解説しています。

書類の送付方法|おすすめの方法

事務所によって異なりますが、書類の送付方法は以下の方法があります。

対応方法バレにくさ備考
無地封筒・個人名差出し一般的な方法
本人限定受取郵便受取人本人のみ受領可
郵便局留め局で受取、家族同居者が多い方向け
来所受領郵送を避けたい場合に最適
  • 無地封筒・個人名差出し
    • 事務所名を入れずに専門家の個人名で送付する方法
  • 本人限定受取郵便
    • 自宅へ本人限定受取郵便が届いたという通知が入る
    • 希望の時間を指定して受け取るか、郵便局で受け取る方法
  • 郵便局留め
    • 郵便物を自宅には届けずに郵便局に留め置かれ、郵便局にて受け取るという方法
    • 郵便局から郵便局留めを預かっているというような通知も来ない
  • 来所受領
    • 書類を送らずに、専門家の事務所で直接手渡しで受け取る方法

徹底的して家族に秘密にする場合は、郵便局留めか来所での受領が安全です。

体験談:郵便局留めで家族に秘密でできた

40代 男性

郵便局留めで最寄り駅前の郵便局を指定。通勤ついでに受け取れて楽でした。通知も来ないので家族に秘密でやり取りができました。

債務整理を家族に秘密のまま行う方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理の書類送付方法(送付NGなら事務所での受け渡し)

よくある質問

裁判所から特別送達が届いたら?

受取拒否はせず、開封して内容を確認し、すぐに担当事務所へ連絡しましょう。

任意整理の手続き中にメールやLINEで連絡が来ることはありますか?

貸金業者から直接メールやSNSで連絡をすることは、受任通知送付後は禁止されています。司法書士・弁護士事務所からの連絡は、希望すればメールやLINEで受け取ることも可能です。

郵便局留めを使う場合、どこの郵便局でも受け取れますか?

原則として希望する郵便局を指定できます。自宅の近くだけではなく職場の近くを指定することも可能です。

郵便ではなく電子署名(オンライン契約)で委任契約を結ぶことはできますか?

一部の事務所ではクラウド署名サービスを利用してオンライン契約が可能です。

まとめ|郵便対応を理解して、安心して任意整理を進めよう

  • 任意整理後は債権者からの郵便は原則届かない
  • 例外的な郵便(特別送達等)は届いても慌てず対応
  • 司法書士事務所からの書類は配慮した封筒や受取方法を選べる

家族に知られずに借金問題を解決するには、郵便・郵送対応をしっかり理解しておくことが安心の第一歩です。

司法書士からのアドバイス

任意整理の郵便対応に関する不安は、多くの相談者の方が最初に抱く疑問です。

実際の現場では、郵便物の扱い方一つで家族に知られるかどうかが変わることもあります。

司法書士としてアドバイスしたいポイントは次のとおりです。

  • 受任通知を出した直後はまだ油断しないこと。
    • 通知の送付直後は督促状や請求書が届くことがあります。
  • 届いた郵便物は必ず開封して内容を確認すること。
    • 裁判所からの特別送達を見逃すと、期日までの対応ができなくなる場合があります。
  • 郵送方法は事前に希望を伝えること。
    • 封筒の記載名・局留め・本人限定受取など、依頼時に細かく指定できます。
  • 「家族に知られたくない」とはっきり伝えることが大切。
    • 依頼者の意向を共有しておくことで、事務所側も最大限配慮できます。

郵便対応の不安を一つずつ解消しながら、安心して任意整理を進めていきましょう。

また、家族に秘密にしているのが負担になる人は、思い切って打ち明けてみるという方法もいいでしょう。

家族に打ち明ける方法については以下の記事で詳しく解説しています。

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