任意整理を検討している方の中には、「家族に知られたくない」「打ち明けるべきか迷っている」という悩みを抱える方は多いです。
任意整理は、弁護士や司法書士に依頼することで、家族に知られずに手続きできる可能性が高い手続きです。
実際、誰にも打ち明けずに借金を整理し、完済に至ったという人はとても多いです。
ただし、借金の事実を隠し続けることには精神的な負担も伴います。
家族に正直に話して理解と協力を得られれば、気持ちの面でも安心して手続きを進められるでしょう。
とはいえ、「借金をしていた」と伝えるのは抵抗があるという方も多いはずです。
その場合は、借金に至った経緯や任意整理の内容・影響をわかりやすく説明することが大切です。
もちろん、「どうしても家族には知られたくない」という事情がある場合、無理に打ち明ける必要はありません。
なるべく家族に知られないように任意整理を行うことも可能です。
任意整理をすることを家族に打ち明ける際になるべく説明をしやすいように、下記について解説します。
- 任意整理をすることで発生するデメリット
- 家族への影響はどのようなものがあるのか
- 家族に打ち明けずに任意整理をすることはできるのか
任意整理のデメリットを確認
- 任意整理をすることを家族に打ち明けるにはどうすればいいですか?
-
借金があること等は正直に話すしかありませんが、任意整理をすると色々なデメリットが発生するんじゃないかと思っている人が多いです。
任意整理をすることで発生する代表的なデメリットとしてはブラックリストに登録されることです。
ブラックリストに登録されるのは任意整理をした本人だけなので、家族までブラックリストに載るということはありません。
このようにデメリットは限定的なことを伝えて、理解してもらうという方法があります。
- お金を借りることは難しくなる
-
カードローンやキャッシング等、お金を借りることは難しくなります
- ローンを組めなくなる
-
住宅ローンや自動車ローン、携帯電話やスマホの分割購入も難しくなります
- クレジットカードが持てなくなる
-
ブラックリストの影響を受けて、任意整理をしていないクレジットカードが解約になる可能性があります
任意整理を行うと、信用情報機関に「事故情報(いわゆるブラックリスト)」として登録されます
たとえ同居していても、家族が影響を受けることはなく、家族の方のクレジットカードが解約されるようなこともありません。
ブラックリストの登録は、任意整理後に完済した時点から数えて5年経つと消去されます。
ブラックリストに登録されてクレジットカードが使えなくなっても、デビットカードやpaypayでネットでの買い物等はすることができます。



任意整理の家族への影響
- 任意整理をして家族に影響を与えることはありませんか?
-
任意整理をしても家族までブラックリストに登録されることはありません。
そのため、家族の人が自分名義でローンを組んだり、カードを作成するのに影響がでることはありません。
ブラックリストに登録されている人が家族の保証人になったり、住宅ローンのペアローンを組むのは難しいです。
影響が出ない例
基本的に、任意整理は本人だけの信用問題であり、家族の信用情報や契約に直接影響することはありません。
- 家族が同居していても、ブラックリストに登録されるのは任意整理をした本人だけです。
- 任意整理をしていない家族がローンを組んだり、クレジットカードを作成する際の審査には影響しません。
影響が出る可能性があるケース
以下のようなケースでは影響が出る可能性があります。
- ブラックリストに載っている人が夫婦でペアローンを組もうとする場合
- ブラックリストに載っている人が家族の保証人になる場合
たとえば、夫がブラックリストに登録されている場合、妻は信用情報に問題がなくても、ペアローンの審査は厳しくなります。
同様に保証人になる際も審査があるので、ブラックリストに登録されている人が保証人になるのは難しいでしょう。
家族カードの取り扱いにも注意が必要
家族カードの契約者(主契約者)が任意整理を行った場合、その家族カード全体が解約されます。
一方、家族会員が自分名義の別のカードを任意整理しても、家族カードに影響はありません。
夫が主たる契約者のセゾンの家族カードを妻が持っている場合
- 夫がセゾンカードを任意整理をした場合 ⇒ 妻のセゾンの家族カードも利用停止になる。
- 妻が自己名義のニコスを任意整理をした場合 ⇒ セゾンの家族カードは解約にはならない。

家族に打ち明けるときの伝え方
このように、任意整理をしてブラックリストに登録されることで発生する家族への影響というのは非常に限定的です。
家族に打ち明ける際はこのような事実を伝え、少しでも安心してもらうのが良いと思います。
もし本人からうまく話せないのであれば、任意整理の相談をしている弁護士や司法書士から話してもらうのもいいでしょう。
以下のような点を丁寧に説明すると安心感を与えやすくなります。
- 任意整理の目的は借金の整理と再出発であること
- 家族の信用情報や契約には影響しないこと
- ブラックリスト登録は一時的であること
- 今後は収入の範囲でやりくりしていく意思があること
家族への影響まとめ
項目 | 影響の有無 |
---|---|
家族の信用情報 | 影響なし |
家族のクレジットカード審査 | 影響なし |
家族のローン審査 | 影響なし |
家族カード(主契約者が任意整理するケース) | 解約になる |
任意整理をした人が保証人になる | 困難になる |
任意整理をした人がペアローンを組む | 困難になる |


任意整理を打ち明けないという選択もある
- 任意整理は家族に打ち明けずに秘密のままで行うことはできますか?
-
任意整理は家族に秘密のままで行うことができる可能性が高い手続きです。
そのため、家族に隠して借金をしていた人の多くが、秘密のままで任意整理を行っています。
任意整理の特徴
- 手続きが比較的簡単で、必要書類も少ない
- 裁判所を通さずに進められるため、家族に知られにくい
- 財産の処分が不要なため、生活への影響が最小限
このような特徴から、家族に秘密で任意整理を進める人も多いのが実情です。
収入等の面から家族の協力がなくても任意整理が可能なら、内緒のまま任意整理をして無事完済をすることができた人も大勢います。
家族に秘密で借金を行ってきた人の多くは家族に打ち明けることなく、秘密のままで任意整理を行っています。

なるべく打ち明けるべきケースとは?
返済の継続が難しい等で家族の理解や協力が不可欠な場合は、任意整理をきっかけに打ち明けるのも一つの選択です。
精神的な重荷を抱え続けるよりも、正直に現状を伝え、再出発に向けてサポートを受ける方が良い結果につながる場合もあります。
借金の理由や任意整理の内容、家族への影響を整理して伝えることで、相手も安心しやすくなります。

まとめ
- 任意整理は、家族に打ち明けずに進めることも可能な手続きです
- 多くの専門家が秘密保持に配慮して対応しています
- 家族の協力が必要な場合や、隠すことにストレスを感じる場合は、正直に話すことで心の負担が軽くなることもあります
- 任意整理の影響は原則本人のみに限られ、家族の信用情報や契約には波及しません
任意整理をするとブラックリストに登録されますが、デメリットが家族に及ぶのは非常に限定的なケースです。
家族へ影響があるのは、保証人になるとか家族と一緒に住宅ローンを組むような、ブラックリストに登録されている人が審査を受ける場合だけです。
もし家族に打ち明ける際は、このようなデメリットはあまりないということを話し、安心させてあげるのがいいかと思います。
また、任意整理は家族に秘密で行える可能性が高い手続きです。
家族に打ち明けずに秘密のままで任意整理手続きを行う人も多く、専門家もその点は配慮しています。