プロミスの任意整理【任意整理で返済はどう変わるか司法書士が解説】

  • プロミスを任意整理するとどのぐらい返済は楽になるのか
  • 任意整理のデメリットを知りたい
  • 任意整理の手続きはどのように進められるのか

プロミスというのはSMBCコンシューマーファイナンス株式会社という会社の商品名です。

そのためプロミスを任意整理すると、任意整理の交渉はSMBCコンシューマーファイナンス株式会社と行います。

任意整理は利息を0%にしてもらい、元金だけを分割で返済していく手続きですが、業者ごとに任意整理への対応は異なります。

今回はプロミスを任意整理するとどのような内容で交渉がまとまるのか?という点と注意点を解説します。

参考元:債務の整理をしたいと考えています。どのような方法がありますか?-法テラス

信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

目次

プロミスとの任意整理の和解内容

プロミスの借金を任意整理するとどうなりますか?

任意整理後の利息は0%にしてもらい、60回ほどの分割払いにも応じてもらえるので任意整理をするメリットが大きいです。

借り始めてからまだ1年未満だったりすると、利息のカットには応じてもらえない可能性が高くなります。

プロミスは他社と比べて任意整理への対応は良心的です。

任意整理すると
  • 60回ほどの分割払い
  • 任意整理後の利息は0%になる
  • 過払い金が発生している可能性あり

上記の内容で和解が成立することが多いです。

長くプロミスとの取引を行っている人には過払い金が発生している可能性もあります。

任意整理後の利息

プロミスを任意整理すると、利息は0%にしてもらうことができます。

任意整理前に滞納等があるとその滞納分についての遅延損害金や、任意整理が成立するまでに発生した利息は支払う必要があります。

借入額40万円と遅延損害金が10万円あるケースでは、合計額の50万円を分割で返済することになる。

分割払いの回数

取引年数や収支の状況によりますが、60回ほど⇒5年間の分割払いになることが多いです。

任意整理に応じない条件

借入を開始してから1年以内等、取引が短いと利息のカットができず、数%の利息を付けなければ任意整理に応じてもらえない可能性があります。

取引が短いと60回未満の分割払いしか応じてもらえないこともあります。

任意整理したケースととしないケースの比較

プロミスを任意整理をすることでどのぐらいのメリットが発生しますか?

借入や返済額等、契約内容によりますが一般的には完済までに利息だけで数十万円支払うことが多いです。

そのため、利息がなくなるだけで数十万円のメリットが発生する人が多いです。

また、返済した金額分そのまま借金が減っていくので完済までの期間も短くなる可能性が高いです。

下記の借入状況の人が任意整理をせずに返済を行ったケースと、任意整理を行ったケースとを比較します。

  • 90万円の借金
  • 利息17.8%
  • 毎月23,000円の支払い

任意整理をしないで返済するケース

90万円を利息17.8%で借りていると、毎月の利息だけで13,000円以上になります。

任意整理をしない場合
完済までに支払う利息の総額46万円以上
完済までの期間5年
毎月の返済額23,000円

毎月23,000円の支払いでは半分以上が利息の返済になるため、元金はあまり減りません。

そのため、完済までに利息だけで46万円以上支払う必要があり、完済までは5年かかる計算になります。

任意整理をすると

90万円の借金を利息0%、48回の分割払いで任意整理すると

任意整理をすると
完済までに支払う利息の総額0円
完済までの期間4年
毎月の返済額19,000円

90万円を分割回数の48で割ると18,750になるので、毎月の返済額は約19,000円になります。

48回の分割払いなので、4年で完済することができます。

任意整理前と後での比較

任意整理前任意整理後
完済までに支払う利息の総額46万円以上0円
完済までの期間5年4年
毎月の返済額23,000円19,000円

90万円の借入を60回の分割払いになると、毎月の返済額は15,000円になります。

任意整理のメリット

プロミスを任意整理するデメリット

プロミスを任意整理するデメリットは何がありますか?

プロミスは解約になること、信用情報に事故情報として登録されて、ブラックリストに載ることになります。

プロミスが保証している銀行から借金がある状態でプロミスを任意整理すると、一定期間口座が凍結されます。

任意整理にはメリットがある一方で、やはりデメリットもあります。

任意整理するデメリット
  • ブラックリストに登録される
  • プロミスが保証している銀行で借り入れがあると口座が凍結される
  • プロミスは解約になる

ブラックリスト=信用情報の影響

任意整理をすれば信用情報に事故情報が登録されて、いわゆるブラックリストに登録されます。

ブラックリストに登録されると
お金を借りることは難しくなる

カードローンやキャッシング等、お金を借りることは難しくなります

ローンを組めなくなる

住宅ローンや自動車ローン、携帯電話やスマホの分割購入も難しくなります

クレジットカードが持てなくなる

ブラックリストの影響を受けて、任意整理をしていないクレジットカードが解約になる可能性があります

任意整理後に完済してから最大5年経てばブラックリストの影響はなくなります。

現金で生活したりデビットカードやpaypayで代用したりすれば、ブラックリストに載ることがデメリットに感じられない人もいるでしょう。

むしろお金が借りられる状況だと借りてしまう人にとっては、借り入れができなくなることがメリットに感じられる人もいます。

三井住友銀行等の口座凍結

プロミスを任意整理する際に、三井住友銀行からの借入がある場合は預貯金と借入残高とで相殺され、一定期間口座が凍結されます。

銀行からの借入には保証会社が付きますが、銀行カードローンの中にはプロミスが保証会社になっているものがあります。

利用している人が多い銀行で1例をあげると三井住友銀行や横浜銀行の保証会社はプロミスがしています。

銀行の借入に返済の滞納等があると保証会社は銀行の借入を代わりに支払い、以降は銀行ではなく保証会社に対して返済を行うことになります。

保証会社が銀行の借入を代わりに返済することを代位弁済といいます。

この代位弁済がされる時に3ヵ月ほどの間銀行口座は凍結されて、借り入れと預金残高とで相殺されます。

プロミスが保証をしている銀行からの借入がある場合は、事前に口座からお金を引き出しておくことをおすすめします。

プロミスを任意整理するデメリット

プロミスでの過払い金発生の条件

プロミスでは過払い金が発生することはありますか?

法律の制限より高い利息で取引をしてれば借金が減額されたり、借金がなくなって過払い金が発生していることがあります。

プロミスは2007年12月の途中までは法律よりも高い利息だったので、2007年12月以前からの取引があると過払い金が発生する可能性があります。

任意整理をする際は過払い金の調査は必ず行われます。

過払い金は下記の利息よりも高い利息での取引があった場合にだけ発生します。

利息制限法の金利の上限
10万円未満の借入20%まで
10万円以上~100万円未満の借入18%まで
100万円以上の借入15%まで

プロミスは2007年12月までは法律の制限を超える利息だったので、2007年12月以前取引をしている人は過払い金が発生する可能性があります。

その当時から取引があった人は正しい利息で計算=引き直し計算をすると、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性があります。

引き直し計算の結果、借金が減る人はその減った金額から利息をなくして、分割で返済をしていくことになります。

引き直し計算の結果、借金がなくなり過払い金が発生すると任意整理ではなく、過払い金返還について交渉を行っていきます。

引き直し計算の結果
借金が減った場合

利息をカットして減額後の元金だけを分割で返済することになる。

借金が全てなくなって過払い金が発生してる場合

任意整理ではなく過払い金請求になる。

過払い金発生の条件

プロミスの任意整理手続きの流れ

プロミスの任意整理の手続きはどのように進んでいくんですか?

弁護士や司法書士が行う手続きとしては、プロミスから取引履歴という書類を取り寄せ、現在の正確な借入額を調査して同時に過払い金が発生していないかも調査します。

その後はプロミスと利息のカットと分割回数の交渉を行いますが、任意整理の依頼から和解が成立するまでは3か月~6か月ぐらいです。

STEP
受任通知送付

専門家に対して任意整理を依頼すると、専門家はプロミスに対して受任通知を送付します。

受任通知送付後はプロミスへの返済を止めても、督促が来たりすることはありません。

STEP
引き直し計算

受任通知の送付から2~3週間ほどで取引履歴が届きます。

過去に法律以上の利息で取引していた所があれば法律内の利息に直し過払い金が発生しているかの計算=引き直し計算を行います。

引き直し計算の結果、借金がすべてなくなり、過払い金が発生していると任意整理ではなく過払い金請求になります。

STEP
和解交渉

プロミスと利息のカットや返済回数等の交渉を行っていきます。

STEP
返済再開

交渉がまとまった後は、任意整理の内容どおり無利息での返済を行い完済を目指していきます。

任意整理の依頼から交渉がまとまるまでは3か月~半年程度です。

依頼者がする手続き

プロミスの任意整理を依頼した後は依頼者は何をするんですか?

依頼後はまずはプロミスへの返済を止める必要がありますが、返済を止めても連絡が来ることはありません。

返済を止めている間に積立金をする必要があります。

STEP
プロミスへの返済を止める

返済を止めてもプロミスから連絡が来ることはありません。

STEP
積立金をする

プロミスへの返済を止めている間に積立金を行います。

積立金は3ヵ月~6ヵ月ほどのあいだ継続して行います。

積立金をするのは、「任意整理後に毎月きちんと返済をしていけるのかの確認」と、「専門家の報酬の分割払い」の意味合いがあります。

STEP
返済の再開

任意整理の交渉がまとまったら、和解内容どおり毎月一定額を返済していき完済を目指します。

任意整理依頼後に依頼者が行うこと

家族や会社に秘密で手続きできる?

プロミスの任意整理は家族や会社に秘密にしたままできますか?

任意整理をしても家族や会社に任意整理をしたことがばれてしまうことはほとんどありません。

任意整理を依頼した後はプロミスからの督促も来なくなります。

弁護士や司法書士とは連絡を取る必要がありますが、ほとんどの事務所は配慮しており郵送方法を郵便局留めにする等の対応を行っています。

任意整理をしたことが家族にバレてしまうことはほとんどありません。

自己破産や個人再生と異なって、任意整理では同居の家族の収入証明や退職金の証明書等は必要なありません。

そのため、家族や会社に秘密のままで手続きを進めることができます。

弁護士や司法書士へ依頼をした後は、プロミスから本人への連絡は禁止される、連絡が来ることはありません。

弁護士や司法書士からは連絡がありますが、事務所によっては電話以外にもメール対応を行っている事務所もあります。

郵送物がある際も、事前に連絡をしたうえでの発送になります。

また、郵送方法についても事務所の名前を記載せずに送付したり、郵便局留めを利用することもできます。

上記の対応が可能なため、自己破産や個人再生に比べて任意整理をしたことが家族や会社に知られてしまう可能性は低いです。

ただし、ブラックリストに登録されてカードが解約になったり、ローンが組めなかったりした際に不審に思われてしまう可能性はあります。

そのため、生活費等をクレジットカードで支払っている人は注意が必要です。

借金の返済ができずにいると、プロミスから督促が来たり裁判をされたりして家族にバレてしまうことがあります。

裁判を放置して判決を取られてしまえば給与が差押えされます。

給与差し押さえをされると借金を滞納していることを会社に知られてしまいます。

支払いができていない状況の人は、任意整理をしない方が家族や会社に知られてしまう危険性は高いと言えます。

まとめ

任意整理すると
  • 60回ほどの分割払い
  • 任意整理後の利息は0%になる
  • 過払い金が発生している可能性あり
任意整理するデメリット
  • ブラックリストに登録される
  • プロミスが保証している銀行で借り入れがあると口座が凍結される
  • プロミスは解約になる

プロミスを任意整理すると将来利息をカットしてもらい、60回ほどの分割払いを認めてくれるなど良心的な対応をしてくれます。

そのため毎月の返済の負担も完済までに支払う返済総額も大幅に減らせることができ、完済までの期間も短くすることができます。

任意整理にはブラックリスト等のデメリットもありますが、返済に困っている人にはデメリット以上に大きなメリットが感じられるでしょう。

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