メルカリの「メルペイスマート払い」や「メルカード」「メルペイスマートマネー」の支払いが難しくなったら、任意整理による解決が可能です。
任意整理を行うと、将来の利息や手数料がカットされ、5年以内の長期分割払いに応じてもらえるケースが多いです。
一方で、メルカリ利用やメルペイ機能への影響など、特有のリスクも存在します。
この記事では、司法書士の実務経験をもとに、メルペイを任意整理する条件と注意点、失敗しないための事前準備をわかりやすく解説します。
まず結論|メルペイ・メルカード任意整理の返済条件
利息・手数料カットで長期分割が可能
メルペイ関連の債務を任意整理した場合、主に次の条件で和解できるケースが多いです。
- 将来の利息や手数料が0%(免除)になる可能性がある
- 60回(5年)以内の長期分割払いに応じてもらえるケースが多い
利息や手数料の負担がなくなると、支払った金額がそのまま元金の返済に回りやすくなります。
スマートマネー・スマート払い・メルカードすべて対象
メルカリが提供する後払い・借入サービスは、基本的にすべて任意整理の対象にすることができます。
- メルペイスマート払い(翌月払い・定額払い)
- メルペイスマートマネー(ローンサービス)
- メルカード(クレジットカード)
これらは別々のサービスに見えますが、運営元が同じ株式会社メルペイであるため、原則としてまとめて整理することになります。
サービスの違いを整理
- メルカード(クレジットカード)
- メルペイが発行するクレジットカードです。
- 定額払いや分割払いを利用すると実質年率18.0%の手数料が発生します。
- メルペイスマート払い(あと払い)
- アプリのコード決済などで、日々の買い物代金を翌月にまとめる仕組みです。
- こちらも定額払いにすると実質年率18.0%の手数料がかかります。
- メルペイスマートマネー(キャッシング)
- 現金を直接借りる少額融資サービスです。
- 利用条件によって年3.0%〜15.0%の利息がかかります。
メルペイ特有のリスク|メルカリ利用への影響
任意整理をする上で、メルカリならではの注意点があります。
メルカリでの購入やメルペイ決済に影響が及ぶ可能性がある
メルペイやメルカードを任意整理すると、メルカリアカウント自体が利用制限(停止)される可能性があります。
売上金残高とポイントは相殺・失効する恐れがある
アカウントが制限されると、メルカリ内にある資産が引き出せなくなる恐れがあります。
任意整理の依頼(受任通知の発送)前に銀行口座へ振込申請をしたり、使い切るようにしてください。
メルカリ利用を残したい場合は除外を検討
「メルカリでの購入を残したい」という理由で、メルカード・メルペイは除外し、他社のみ任意整理したケースがあります。
私は、メルペイ等を含めるかどうかを判断するとき、返済額だけでなく、整理後の生活のしやすさも重視しています。
メルカリ利用を残したいという理由で、他社のみ任意整理したケースもあります。
以下では、メルカリ利用を残したいという事情から、他社のみを任意整理した事例をご紹介します。

メルカードの借入(80万円)を任意整理したケース
- 相談者:30代 男性
- 借入先:メルカード
- 借入総額:約80万円
- 返済額:毎月約24,000円
日常の買い物でメルカードを利用していましたが、支払いが厳しくなり「定額払い」を利用し続けた結果、残高が約80万円まで膨らんでしまいました。
毎月の返済負担が重くなり、このままでは支払いを続けるのが難しい状況でした。
解決結果
このケースでは、返済負担の中心がメルカードにあり、他社のみを整理しても改善できる状況ではありませんでした。
そのため、任意整理によって将来の利息・手数料負担を抑え、分割返済へ切り替える方針を取りました。
メルカードを任意整理すると、メルカリ利用に影響が出る可能性はあります。
しかし、このまま高い負担で返済を続けるよりも、まず家計の立て直しを優先すべき事案でした。
任意整理前後の比較表
| 項目 | 任意整理前 | 任意整理後 |
|---|---|---|
| 借入・利用残高 | 約80万円 | 約80万円 |
| 将来利息・手数料 | あり | 0円 |
| 毎月の返済額 | 24,000円 | 13,500円 |
| 分割回数 | – | 60回 |
| 完済までの利息 | 約24万円 | 0円 |
任意整理の結果、将来の利息・手数料をカットし、60回以内の分割払いで和解できました。
メルペイ以外のカードやローンへの影響(ブラックリスト)
任意整理をすると、一般に信用情報機関へ事故情報が登録されます。
そのため、完済後約5年間は、他社のクレジットカード作成やローン審査が難しくなるのが通常です。
他社カードの利用や、新たなローン・クレジットカードの申込みなどにも悪影響が及ぶ可能性があります。
つまり、メルペイやメルカードを任意整理した場合でも、影響がそのサービス内だけで終わるとは限りません。
- 任意整理をしない他社のカードも利用停止になる可能性がある
- 新たなローン契約やクレジット契約が難しくなる可能性がある
上記も踏まえて、生活設計を考えておくことが大切です。

任意整理後も使える決済手段(デビットカード・スマホ決済)
デビットカードや、信用情報を用いない一部のスマホ決済は引き続き利用可能です。
完済してすぐ元に戻るわけではないため、現金やデビットカード中心の生活設計を立てることが大切です。
滞納が長引くと弁護士法人から案内が届くことがある
メルペイでは、長期間支払いが遅れている回収業務の一部を弁護士法人に委託しているため、下記の弁護士法人から案内が届くことがあります。
- 神田お玉ヶ池法律事務所
- 市ヶ谷中央法律事務所
これらの事務所からハガキやSMSで案内が届いている場合、延滞が進み、回収手続きが次の段階に進んでいる可能性があります。
督促が社名ではなく法律事務所名で届くと、不安が一気に強くなる方も多いです。
支払いが厳しい場合は、通知が届いてからではなく、延滞が長引く前後の段階で債務整理を検討することが大切です。
弁護士法人から書類が届いた段階でも、任意整理ができなくなるわけではありません。
実際には、この段階でご相談いただき、任意整理で分割返済の交渉を進めるケースも少なくありません。
司法書士がご依頼を受け「受任通知」を発送すれば、弁護士事務所からの直接の督促もストップします。
司法書士へ依頼する流れ(受任通知〜和解)
メルカード、スマート払い、スマートマネー、他社借入の有無を整理する。
司法書士からメルペイ側に通知を送ると、徐々に本人への直接の督促と返済がストップします。
正確な借入残高を調査します。
和解後の支払いに備え、毎月積立をしていただきます。

利息カットや60回分割などの条件でメルペイ側と交渉します。
交渉成立後、取り決めた条件で返済を再開します。
本人が直接メルペイ側と連絡を取る必要はありません。

任意整理が向いている人・慎重に判断したい人
向いている人
- 毎月の返済額が重く、利息や手数料負担を抑えたい人
- 元金を分割で返せる見込みはある人
- メルカリのサービスだけでなく他社も含め、全体の返済計画を立て直したい人
慎重に判断したい人
- メルカリでの購入やメルペイ決済を今後も強く使いたい人
- 長期の分割払いでも返済が難しい人
- メルペイやメルカードを利用し始めてから日が浅く、ほとんど返済実績がない人
- 短期間での任意整理は、分割交渉が難航するケースがあります
「任意整理でそのまま進めるか」「個人再生や自己破産を含めて根本から考えるか」
現在の借入総額や毎月の家計全体を細かくお伺いした上で、一緒に決めています。
よくある質問
メルペイスマートマネーだけを任意整理して、メルカードは残せますか?
原則として残せません。同じメルペイグループのサービスであるため、一つを任意整理すると他のサービスもすべて利用停止・解約の対象となるケースが一般的です。
任意整理をすると、家族のメルカリアカウントにも影響が出ますか?
任意整理の影響はご本人の信用情報やアカウントにのみ及びます。同居しているご家族のメルカリアカウントやクレジットカードが利用停止になることは、原則としてありません。
メルカードの定額払いや分割払いは負担が重くなりやすいですか?
はい。定額払いの手数料は実質年率18.0%です。そのため、利用残高が大きいと、毎月返済していても元金が思うように減らないことがあります。返済が苦しい場合は、早めに全体の見直しをしたほうがよいでしょう。
メルペイの支払いを数ヶ月滞納してしまっていますが、今からでも任意整理は可能ですか?
可能です。ただし、滞納が長期化すると一括請求を受けたり、裁判を起こされたりするリスクが高まります。分割払いの交渉も難しくなる傾向があるため、できるだけ早めにご相談いただくことをお勧めします。
まとめ
メルペイ、メルカードの任意整理は、利息・手数料をカットし、長期分割にすることで月々の負担を減らせるのに有効な手続きです。
ただし、メルカリアカウントの停止や売上金の没収といった特有のリスクがあるため、事前の準備が欠かせません。
デメリットを正しく理解し、事前にリスクを回避できれば、生活再建の大きな一歩となります。
ご相談について
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