エポスカードの任意整理で返済負担を減らす方法|和解事例と注意点

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

エポスカードは任意整理に比較的柔軟な対応をする会社です。

利息を0%にしてもらえるだけでなく、60回以上の長期分割にも応じてもらえるケースが多く、毎月の返済負担を大きく減らせます。

また、ゼロファースト時代からの借入も一括して、任意整理をすることができます。

  • エポスカードを任意整理する際の和解条件
  • メリット・デメリット
  • 注意すべき影響(ブラックリスト・口座凍結など)

上記について、司法書士の実務経験に基づいて解説します。

参考元:任意整理-東京弁護士会

信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

目次

エポスカードを任意整理するとどうなる?解約・返済条件を詳しく解説

エポスカードは任意整理に応じますか?

はい。

任意整理後は利息0%、60回以上の長期分割に応じるケースが多く、月々の負担軽減が期待できます。

任意整理すると
  • 利息は原則0%
  • 分割回数は60回以上可(事情によっては70回以上)
  • キャッシングもショッピングリボも対象
  • 2007年3月15日以前からの取引で過払い金の可能性あり

キャッシング以外にも、ショッピングのリボ払いについても任意整理することができます。

ただし、ショッピングのリボ払いでは過払い金が発生することはありません。

ショッピングの債務整理については以下の記事でも詳しく解説しています。

実際の和解例で比較

エポスカードを任意整理することでどのようなメリットが発生しますか?

利息がなくなることで、完済までに支払う総額が少なくなり、完済までの期間も早くなる可能性があります。

また、長期の分割回数の交渉にも応じてもらえるので、毎月の返済額も少なくなる可能性が高いです。

事例①

  • 任意整理前
    • 借入残高:50万円
    • 利率:年18%
    • 返済額:毎月15,000円
    • 支払う利息の総額:約20万円
  • 任意整理後
    • 利息0%
    • 60回払い(毎月8,300円)
    • 支払う利息の総額:0円
項目任意整理前任意整理後
完済までの利息総額約20万円0円
完済までの期間約4年5年
毎月の返済額15,000円約8,300円

ポイント

  • 総支払額が約20万円減少(利息分がカットされるため)
  • 毎月の返済額が約6,700円減(15,000円 ⇒ 約8,300円)
  • 完済までの期間は1年長くなるが、月々の負担は大幅に軽くなる

【エポスカードを任意整理した事例】

40代 女性

毎月の返済が苦しく司法書士の先生に相談したところ、実際に利息を0%にしてもらえました。返済額が下がり、生活に余裕ができたのを実感しています。

事例②

  • 任意整理前
    • 借入残高:80万円
    • 取引開始:2006年
  • 任意整理後
    • 引き直し計算で50万円減額
    • 残金30万円を任意整理
    • 利息0%
    • 60回払い

任意整理については以下の記事でも詳しく解説しています。

任意整理のメリット

デメリット・注意点

エポスカードを任意整理するデメリットを教えてください

任意整理をするとエポスカードは解約になり、ブラックリストに登録されます。

エポスカードは解約になる

【メリットとデメリットを比較して進めた事例】

20代 女性

メリット・デメリットを事前に理解しておくことが大事です。私は結果的に家計が楽になりましたが、カード解約や信用情報の影響も覚悟して進めました。

ブラックリストに登録される

項目影響内容
お金を借りるカードローン
キャッシングが困難になる
ローン住宅ローン
自動車ローン
スマホ分割購入などが困難になる
クレジットカード任意整理しないカードも解約の可能性あり

ブラックリストの影響については以下の記事でも詳しく解説しています。

補足

  • ブラックリストの影響期間は最大で完済から5年間
  • 現金払い+デビットカードやスマホ決済の利用で影響を少なくできる

銀行口座が凍結される可能性

凍結が起こる条件

  • エポスカードが保証会社となっている銀行ローン(例:スルガ銀行)を利用している
  • 保証が実行され、銀行ローン残高がエポスに移動する

凍結時の影響

  • 銀行口座が約1~3ヶ月間凍結され出金不可
  • 預金と借入残高が相殺される

回避方法

  • 任意整理前に口座から預金を引き出す
  • スルガ銀行でも、エポス保証でない場合は影響なし

銀行の債務整理については以下の記事でも詳しく解説しています。

家賃保証

エポスカードは「ROOMiD」という家賃保証を行っています。

通常は家賃保証を受けている会社を任意整理をすると、家賃保証を打ち切られる可能性があります。

エポスでは、家賃保証を受けている状態でエポスカードを任意整理しても、保証は継続してもらえる可能性があります。

その際、エポスカードで家賃を支払っていた人は、口座引き落とし等に変更することになります。

家賃保証を受けている人は、弁護士や司法書士に相談をする際に必ず申告するようにしましょう。

賃貸契約については以下の記事でも詳しく解説しています。

エポスカードを任意整理するデメリット

手続きの流れ

エポスカードの任意整理の手続きはどのように進んでいくんですか?

まずは弁護士や司法書士との面談を行うことから始まります。

任意整理の交渉は依頼から3か月~6か月ぐらいで完了します。

STEP
専門家との面談

借入状況の確認と方針決定

STEP
受任通知送付

返済ストップ。督促も止まる。

STEP
取引履歴開示・引き直し計算

過払い金や減額の有無を確認

STEP
和解交渉

利息カット・分割回数を決定

STEP
返済再開

任意整理の流れについては以下の記事でも詳しく解説しています。

任意整理依頼後に依頼者が行うこと

エポスカードの任意整理を依頼した後は依頼者側は何かすることはありますか?

依頼した後は依頼者はエポスカードへの返済を止めて、積立金をする必要があります。

STEP
エポスカードへの返済を止める
STEP
積立金を行う
STEP
返済の再開

積立金については以下の記事でも詳しく解説しています。

任意整理依頼後に依頼者が行うこと

エポスカードでの借金の減額や過払い金

エポスカードでは借金が減額されたり過払い金が発生することはありますか?

エポスカードと、2007年3月15日よりも前から取引をしていたなら過払い金が発生する可能性があります。

2007年3月15日以前だと過払い金は発生する

  • 当時は利率が27%と高く、法律の上限を超えていた
  • 「引き直し計算」すると借金が減額されたり、過払い金が発生する可能性がある

引き直し計算の結果と対応

計算結果その後の対応
借金が減った減額後の元金のみを利息0%で分割返済
借金が全てなくなり過払い金が発生過払い金返還交渉に切り替え

補足ポイント

  • 過払い金が発生する人は、原則ブラックリストに登録されない
    • ただし、手続き中に一時的に登録される可能性はある
  • 過払い金があると、借金の返済義務がなくなるだけでなく、払いすぎたお金が戻ってくる

エポスカードの過払い金については以下の記事でも詳しく解説しています。

返済中でも引き直し計算をすると過払い金発生する

よくある質問

ゼロファースト時代の借金も任意整理できますか?

できます。

ゼロファーストは2014年にエポスカードに合併しているため、エポスカードにまとめて交渉できます。

任意整理後もエポスカードを使えますか?

使えません。

任意整理した会社のカードは全て解約となり、ポイントも失効します。

エポスカードを任意整理中に他のカードは利用できますか?

任意整理の対象にしなかったカードも、ブラックリストの影響で利用停止になる場合があります。

エポスカードの任意整理はどのくらいの期間で終わりますか?

依頼から和解成立まで3〜6ヶ月が目安です。

まとめ

メリット
  • 任意整理後の利息は0%になる
  • 分割回数は60回以上も可能
  • 過払い金が発生している可能性もあり
デメリット
  • エポスカードは解約になる
  • ブラックリストに載る
  • エポス保証の銀行で借り入れがあると口座が凍結される
  • 家賃保証に影響がでる可能性がある

エポスカードを任意整理すると、利息が0%なり、60回以上の多めの分割回数にも応じてもらえるので、任意整理のメリットが大きい会社です。

2007年3月よりも前からキャッシングをしていると、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性もある会社です。

ただし、任意整理はブラックリストに登録されるというデメリットもあるため、メリットとデメリットを比較して検討するべきです。

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