- 過払い金請求を依頼するまでの流れを知りたい
- 依頼をしてから過払い金が返金されるまでの手続きの流れを知りたい
過払い金の請求をすると、その手続きはどのような流れで行われるのか?回収までの期間はどのぐらいかかるのか?よく質問をされます。
実際には過払い金請求は電話やメールで相談をして、面談を行ったら後は待つだけです。
依頼者からは最初に考えていたよりも簡単でほとんど手間がかからなかった、もっと早く相談をしておけば良かったと言われることが多いです。
- 過払い金を依頼するまでの流れ
- 面談の流れ
- 面談後に過払い金が返還されるまで
- 自分で過払い金請求をする方法
上記の順番で解説します。
過払い金請求を依頼する流れ
- 過払い金請求の依頼はどのような流れで進められますか?
-
まずは弁護士や司法書士の事務所に相談の電話をすることから始まります。
事務所によってはメールやLINEでの相談も受け付けています。
電話相談の後は、弁護士や司法書士の事務所で面談をすることになります。
過払い金の請求を依頼するには電話やメールでの相談をして、弁護士や司法書士の事務所で面談を行い、正式な依頼をすることになります。
ほとんどの事務所は過払い金請求の相談料は無料なので、気兼ねなく相談をしてみるべきです。
電話やメール相談で聞かれること
- 電話相談ではどのようなことを聞かれますか?
-
どこから借りていたのかと、借り始めた時期と、完済しているなら完済した時期、最低でもこれらは確認されます。
取引年数がわかれば過払い金が発生しているかどうか、ある程度見極めることができます。
取引年数は業者側から資料を取り寄せれば確認できるので、正確に答えられなくても問題ありません。
相談したい事務所が決まったらまずは相談の連絡が必要になりますが、この時点では最低限以下のことを確認されます。
- どこから借りていたか
- 取引年数
- 借入額
貸金業者との契約書や明細がないという人も多いと思いますが、過払い金請求には当時の契約書等の書類は必要ありません。
過払い金を請求する際は取引履歴というものを弁護士や司法書士が貸金業者から取得します。
取引履歴は貸金業者に登録してる氏名、住所、生年月日がわかれば貸金業者から取得することができます。
そのため、取引年数や借入額は正確に覚えてなくても問題ありません。
電話相談は5~15分程度で終わります。
借りていた業者名
弁護士や司法書士は本人から申告があった貸金業者へ請求を行うので、どこで借りていたのかわからなければ過払い金請求はできません。
弁護士や司法書士の方で、どこで借りていたのかを調べることはできません。
思い出せないのであれば、契約書や明細、引き落としの場合は通帳を探してみるか、信用情報機関から信用情報を取り寄せる必要があります。
信用情報機関ではどこの業者から、いくらの金額をいつから借りているのかを登録されています。
信用情報機関はJICCとCIC、全国銀行個人信用情報センターの3つがあります。
信用情報は契約終了後、5年が経過すると消去されるので、その場合は信用情報を取得してもどこからの借入か確認することはできません。
取引期間
いつから借りていたのかがわかれば、過払い金が発生しそうかどうかを把握することができます。
いつ頃完済したのかがわかれば、過払い金が時効になっていないかを確認することができます。
取引期間については、明確に答えられなくても最終的には弁護士や司法書士が業者側から資料を取り寄せて詳しく調べることができます。
また、途中完済から10年での時効を確認するため、途中完済があるかないかもよく聞かれます。
- 借入先の会社は自分で調べる必要がある
- 取引年数は大体の年数でも良い
弁護士・司法書士との面談
- 過払い金請求の面談では何を聞かれるんですか?
-
電話で聞かれた内容の確認と、デメリットや費用、今後の手続きの流れ等を説明されます。
その後、本人確認をして委任契約書を交わすことになります。
面談時間は30分から1時間ぐらいほどです。
過払い金請求を依頼するにあたって、まずは専門家と直接面談をすることになります。
面談の際は予約の電話の時と同様に、業者名、取引年数、借入額を確認されます。
後は本人確認や委任契約書の内容の説明、デメリットの説明、費用の説明をして問題なければ委任契約書を交わします。
- 免許証や保険証等の本人確認書類
- 印鑑
- 請求する業者のカードや明細等(なくても問題なし)
事務所によっては面談の時点で、裁判をする場合に備えて訴訟委任状を貰っておく事務所もあります。
面談時間は30分~長くても1時間程度で終わります。
以後の手続きはすべて専門家が行いますし、面談は1度だけでいいので何度も面談をする必要はありません。
面談後の手続きの流れ
- 面談後の過払い金請求の手続きはどのように進められますか
-
依頼後の手続きは弁護士や司法書士が行うため、依頼者が貸金業者と連絡を取る必要はありません。
貸金業者から取引履歴を取得して計算後に請求をして交渉を行うという流れで手続きは進められます。
専門家は依頼を受けた業者に対して「受任通知」というものを送付します。
受任通知送付
受任通知には以下の内容が記載されています。
- 過払い金請求の依頼を受けたので「取引履歴」を送付すること
- 本人への連絡はしないこと
※取引履歴とは⇒何年何月何日にいくらのお金を借りて、何年何月何日にいくら返済してきたか、がすべて記載してある資料です。
取引履歴の取得~過払い金の計算
専門家は取引履歴が届いたら次に過払い金の計算を行います。
計算結果がでるまでの期間は業者から取引履歴が届くまでの期間により異なります。
計算結果がでるまでは事務所により異なりますが1週間ほど、遅い事務所では1か月以上かかることもあるようです。
計算結果の報告を受ける
専門家から電話等で計算結果の報告を聞き、話し合いで解決すべきか?裁判をして解決すべきか?今後の方針を決めます。
以下は裁判をする場合としない場合で手続きが異なります。
裁判をしないで過払い金を回収する場合の流れと期間
- 過払い金はどのようにして回収をするんですか?
-
貸金業者に請求書を送って話し合いで回収をするか、裁判をして回収することになります。
多少減額になってもいいので早めに回収したいのであれば話し合いでの回収。
時間がかかってもなるべく多く回収したいなら裁判をすることになります。
あまり過払い金が多額ではない場合や、回収を急いでいる、裁判まではしたくないという場合には裁判をせず話し合いで解決をします。
裁判をしない場合の返金までの期間は業者や和解内容により異なりますが、平均1か月~4ヶ月ほどで、長いと1年ほどかかることもあります。
過払い金の請求書送付
専門家は依頼を受けた業者に対し、過払い金を支払えという内容の請求書を送付します。
貸金業者からの和解提案
請求書を送付すると、業者から和解できないかと連絡がきます。
和解提案が来るまでの期間は貸金業者ごと異なり、請求書送付から数日でくるところもあれば、1か月以上かかるところもあります。
提案内容(金額と返金までの期間)に問題がなければ和解成立となります。
和解の金額も業者ごとに大幅に異なります。
和解でも全額支払うところもありますし、半額以下の金額しかだしてこないところもあります。
和解~返金までの期間
貸金業者によりますが1ヵ月~1年ほど、和解してから1か月~3か月後の返還になることが多いです。
過払い金の返金と書類の返却
和解時に取り決めをした返還期日までに業者から過払い金が返金されます。
基本的には一旦弁護士や司法書士の事務所に入金されて、先に費用を差し引いてから依頼者の口座へ返金されることになります。
その後、弁護士や司法書士から取引履歴や、和解書、領収証が返却され手続きは終了です。
- 請求から1ヵ月~3ヵ月ほどで返金になることが多い
- 少額の金額しか回収できないことがある
裁判をして過払い金を回収する場合の流れと期間
- 裁判で過払い金を回収をする場合はどうなりますか?
-
裁判をした後、多くの貸金業者は裁判中にも和解の提案をだして来ます。
納得できれば和解することもできますし、折り合いがつかない場合は判決まで行くことになります。
過払い金を利息まで含めて全額回収したいとか、和解提案に納得がいかない場合は裁判を行うことになります。
裁判をするとしても、裁判所に出頭するのは依頼をした弁護士や司法書士なので、依頼者が裁判所に行く必要はありません。
裁判をする場合の返金までの期間は貸金業者によりますが、争いになる点がなければ3ヵ月~8か月ほどです。
訴訟提起
専門家は過払い金の計算結果がでたら、その計算を元に裁判書類を作成し訴訟を提起します。
取引履歴と訴訟委任状があれば、裁判関係の書類作成は最短で即日でも可能です。
裁判期日決定
訴訟提起から最初の裁判が開かれるまでの期間は、訴訟提起から1か月~2ヵ月後くらいに設定されます。
次回期日も1か月~2ヵ月ほど後になり、同じペースで裁判は進みます。
判決又は和解
争いがなくても判決までには3回以上裁判が開かれることが多いです。
争いがあれば10回以上期日を重ねることもあります。
過払い金の返金と書類の返却
判決又は和解内容どおりに返金されます。
一旦専門家の事務所口座に過払い金が入金され、先に費用を差し引いてから依頼者の口座へ返金されることになります。
その後、取引履歴や業者との契約書、和解書、領収証が専門家から返却され手続きは終了です。
- 裁判から3ヵ月~8ヵ月ほどで返金になることが多い
- 争ってくる業者の場合は1年以上かかることもある
自分で過払い金請求を行う場合の手続きの流れと期間
- 弁護士や司法書士に依頼をせず過払い金を回収することはできますか?
-
個人でも過払い金を請求することができます。
しかし、個人からの請求では裁判をしないと不当に低い金額でしか和解できないことが多いです。
弁護士・司法書士の代理人をたてず自分で過払い金を請求することも可能です。
自分で請求する場合の手続き方法
裁判をする場合は3.か4.のタイミングで訴訟提起をします。
取引履歴の取り寄せ
取引履歴には「○年○月○日○円借入、○年○月○日○円返済」というようにいついくら借りて、いついくら返してきたのかすべて記載してあります。
取引履歴を取り寄せるには貸金業者ごと異なりますが、下記の方法になります。
- 郵送で取り寄せる
- 窓口で受け取る
郵送で取り寄せるには業者により異なり、電話で申し込むだけで郵送してもらえるか、一旦開示請求書を郵送して取り寄せることになります。
取引履歴が届くまでは業者ごとに期間が異なりますが、ほとんどの業者は1週間から1か月ほどで開示してくれます。
遅いところですと2か月以上かかる業者もあります。
業者は開示すべき義務がありますし、個人の方からの請求も何件も受けてますので、問題なく開示してもらえます。
過払い金の計算
取引履歴を取り寄せたら過払い金の計算(引き直し計算)をします。
計算方法には以下の方法があります。
- 計算代行業者へ依頼する
- 自分で計算する
計算代行業者に依頼すると手間なく計算できますが、数千円の費用がかかります。
自分で計算するなら費用はかかりません。
あまり難しいものではないので、パソコンにExcelが入っているのならご自身で計算することをお勧めします。
計算用のソフトは下記の2つが有名です。
ソフトの準備ができたらソフトのエクセル表へ日付、借入金額、返済金額を入力すると、過払い金の計算ができます。
過払い金を請求する
相手の業者へ過払い金を返せという内容の請求をします。
基本的に書面での請求でなければ受け付けないと言われるので、請求書を送付します。
請求書はインターネットで検索するとひな形がでてくるのでそちらを利用するといいでしょう。
相手業者からの和解提案~和解成立
個人の方が過払い金を請求しても、貸金業者は請求された金額をそのまま支払うことはほとんどありません。
何割かの返還で納得してもらえないか?という提案をしてきます。提案金額は1割〜9割ぐらいと、業者によって大きく異なります。
金額に納得ができなければ、それ以上の交渉は裁判が必要になります。
金額に納得できるのなら和解成立となり、和解成立後は和解書を交わします。
個人の人が請求した場合、和解書の作成は業者側で作成することが多いようです。
もしご自身で作成する場合には簡単なものでいいので、ネットからひな形を探すとでてきます。
和解書は2通作成し、お互いに1通ずつ持ち合うことになります。
返金
和解後は返金予定日に返金されるのを待つだけです。
和解から返金までは、平均1か月~3か月、返還が遅い業者だと1年ほど先になることもあります。
通常和解書を交わしたのに返金をしてこないことは考えられませんが、念のため振り込まれているかの確認はすべきでしょう。
まとめ
簡単に過払い金の流れと期間についてまとめましたが、特に期間と和解提案額については相手方の貸金業者次第で大きく異なってきます。
個人で請求する方法についても書きましたが、個人で過払い金請求するにはある程度手間がかかることになるでしょう。
しかし、その分回収までの期間は伸びてしまいますので、自信がないようであれば最初から専門家に依頼することをおススメします。