過払い金請求の費用相場|手元にいくら残るか司法書士が解説

当サイトの記事は、 司法書士 三浦永二(東京司法書士会/登録番号7300号) が執筆・監修しています。

「過払い金が戻らなかったら、費用だけ取られるのでは」「費用を引いたら、手元にほとんど残らないのでは」と心配される方は多いです。

過払い金請求では、報酬の名目や訴訟に対応するかどうかで、手元に戻る金額が10万円以上変わることがあります。

費用の相場と規程上の上限、報酬体系ごとの手取りの違い、返済中に請求するときの注意点を、過払い金請求を扱う司法書士の立場から解説します。

この記事のポイント

支払い方法
回収した過払い金から差し引く後払いが基本
報酬の上限
成功報酬は交渉で20%以下、訴訟で25%以下
比べる基準
報酬の%ではなく、最終的な手取りで比べる
返済中の注意
減額報酬があると、同じ回収額でも手取りが減る
契約前の確認
過払い金が出なかったときと訴訟時に、別の費用がかかるか
目次

過払い金請求の費用はいつ・どうやって払う?

過払い金請求の費用はどのタイミングで支払うんですか?

着手金が不要な事務所であれば、費用は後払いです。

回収した過払い金から差し引かれるため、財布から現金を出す必要はありません。

費用体系契約時回収できたとき回収できなかったとき
着手金0円・完全成功報酬 支払いなし 回収額から差し引く 費用はかからない
着手金あり 着手金を支払う 残りの報酬を差し引く 着手金は戻らないことが多い

近年は着手金0円の事務所が増えているため、事前に現金を用意する必要があるケースは多くありません。

過払い金請求にかかる主な費用の種類

過払い金請求ではどのような費用が必要になりますか?

過払い金を回収できた場合に発生する中心的な費用は成功報酬で、交渉では回収額の20%以下、訴訟では25%以下が目安です。

事務所によって費用体系は異なりますが、成功報酬を中心に、基本報酬や実費が加わる形が多いです。

最近は、相談料・着手金・減額報酬を取らない事務所もあります。

名目相場
相談料無料が多い
(有料でも30分5,000円程度)
着手金0円が主流
(契約時に数万円の事務所もある)
基本報酬1社あたり0〜4万円
成功報酬(交渉)回収額の20%以下
成功報酬(訴訟)回収額の25%以下
減額報酬減った元本の0〜10%
(返済中の請求のみ)
実費郵送費・通信費など
(0円の事務所もある)

成功報酬と減額報酬の%には、弁護士・司法書士それぞれの団体が上限を定めています。

報酬の上限を定めた規程

日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」
解決報酬金は1社あたり原則2万円以下、減額報酬金は減額分の10%以下、過払金報酬金は訴訟によらない場合は回収額の20%以下、訴訟による場合は25%以下(いずれも税別)。着手金には上限がありません。
日本司法書士会連合会「債務整理事件の処理に関する指針」
任意整理事件(返済中に過払い金が出る場合を含む)では、減額報酬・過払金返還報酬以外の報酬は、名目を問わず合計で1社あたり5万円以下。減額報酬は減額された元本の10%以下、過払金返還報酬は訴訟によらない場合20%以下、訴訟による場合25%以下(いずれも税別)。

名目が多い事務所ほど総額がわかりにくくなるため、次は「最終的な手取り」で比べます。

報酬体系別|50万円を回収したときの手取り

費用の名目が増えるほど、手元に戻る金額は減ります。

1社から50万円を回収した場合で比べると、次のとおりです。

A 成功報酬20%のみ手取り40万円
40万 10万
B 着手金・基本報酬あり手取り36万円
36万 10万 4万
C 減額報酬あり(返済中)手取り35万円
35万 10万 5万
手取り 成功報酬 成功報酬以外の費用

※Bは着手金2万円・基本報酬2万円、
Cは消えた残債50万円に減額報酬10%がかかる例です。

定額の着手金や基本報酬は、回収額が少ないほど重くなります。

Bの報酬体系で回収額が10万円なら、着手金2万円・基本報酬2万円・成功報酬2万円で、6割が費用に消える計算です。

他事務所をキャンセルして相談に来た方

50代 男性

最初に依頼をした事務所は、取り戻したお金の半分以上が費用で消えることになったのでキャンセルしました。

「成功報酬20%だから安い」とは限らない|回収額そのものが変わる

費用を比べるとき、多くの方は成功報酬のパーセントを見比べます。

たしかに手元に戻る金額を増やすためには費用も大切ですが、「そもそもいくら回収できるか」も重要になります。

多くの場合、過払い金は任意交渉で終わるか、訴訟まで進むかで、業者が支払う金額が変わります。

業者の多くは、任意交渉の段階では満額ではなく、その一部での和解を提示してきます。

一方、訴訟に進むと、元金に加えて年5%の利息(悪意の受益者と認められる場合)まで回収できる可能性があります。

任意交渉のみ|回収35万円・報酬20% 手取り28万円
28万 7万
訴訟まで対応|回収55万円・報酬25% 手取り約41万円
41.25万 13.75万
手取り 成功報酬

※元金50万円+利息5万円の過払い金で、任意交渉では元金の7割(35万円)で和解した場合の一例です。
実際の回収額は、業者や争点によって変わります。

任意交渉でいくら払うかは業者ごとに違う

任意交渉でどこまで払うかは、業者ごとにある程度決まっています。
エポスカードやビューカードのように任意交渉でも利息まで満額払う業者がある一方、元金の半額しか提示しない業者もあります。

また、訴訟にすれば必ず増えるわけでもありません。取引の分断や貸付停止による時効を業者が主張し、それが認められると、元金そのものが減ることがあります。

司法書士 三浦永二

返済中の請求は「減額報酬」で手取りが二重に削られる

減額報酬が問題になるのは、借金の返済中に過払い金請求をするケースです。

事務所によっては、戻ってきた過払い金に成功報酬をかけ、さらに引き直し計算で消えた残債にも減額報酬をかけます。

残債50万円が消え、過払い金50万円が戻った場合

  1. 戻ってきた過払い金にかかる成功報酬 50万円 × 20% = 10万円
  2. 消えた残債にかかる減額報酬 50万円 × 10% = 5万円
  3. 手元に戻る金額 50万円 − 10万円 − 5万円

手取り35万円

※成功報酬だけの事務所なら、手取りは40万円です。

返済中の方は請求に進む前に、過払い金がいくら出るかを先に調べてもらえるか、その調査で費用がかからないかを確認してください。

返済中の方が、調査を先にしてくれる事務所を選ぶべき理由は、以下の記事で解説しています。

契約前に費用で確認したい3つのポイント

01

費用の名目

成功報酬だけか、着手金・基本報酬・減額報酬はないか

02

公開のしかた

金額が明記されているか。「〜円から」は総額が読めない

03

例外の場面

過払い金が出ない時や訴訟で別の費用がかかるか

完済後の過払い金請求なら着手金や基本報酬がかからない事務所が多く、返済中の請求だとかかる事務所が多い傾向です。

成功報酬だけで回収額の20〜25%に収まる事務所であれば、費用は安い部類で、内訳もわかりやすいといえます。

司法書士は、報酬額と算定方法を明示した書面を依頼者に渡すことが、指針で求められています。

口頭の説明だけで契約を進める事務所は避けたほうが無難です。

費用で後悔しないためのQ&A

無料相談・無料調査でもその後に費用がかかることはありますか?

無料相談・無料調査でも、正式依頼に進めば成功報酬や実費が発生します。

無料の範囲を確認してください。

過払い金請求で後から追加費用が発生することはある?

訴訟になった場合に、日当や実費が別にかかる事務所があります。契約前に確認してください。

当事務所は実費をいただいておらず、訴訟になっても成功報酬の割合が変わるだけです。

依頼後にキャンセルした場合の費用は?

着手金が発生している場合は返金されないことが多いです。

着手金無料ならキャンセル料が不要な事務所もあります。

費用に消費税はかかりますか?

かかります。

日弁連・日司連の上限は税別の数字なので、税込みにすると成功報酬20%は22%、25%は27.5%になります。

事務所によって税別と税込みの表示が混在しているため、比べるときはどちらの表示かを確認してください。

当事務所の費用は、税込みの金額で表示しています。

依頼してから返金されるまでの流れは、以下の記事で解説しています。

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