任意整理でポケットカードの利息を0%にし、返済期間を最長5年程度まで延ばすことで、月々の返済額を大きく下げられる可能性があります。
ポケットカードの返済が続けにくい場合は、任意整理でどこまで返済額を下げられるか、事前に確認することが大切です。
ZOZOCARDやファミマカードなど「券面のブランドは違うがポケットカードが発行しているカード」の扱いも整理します。
司法書士の立場から、ポケットカードを任意整理するメリット・注意点・過払い金の有無までを解説します。
参考元:債務整理-東京司法書士会
あなたのそのカードも「ポケットカード」かもしれません
ポケットカード株式会社は、自社ブランドの「P-oneカード」だけを発行している会社ではありません。
カードに別のブランド名が入っていても、ポケットカードが発行会社になっているカードが数多くあります。
代表的なものは次のとおりです。
- ZOZOCARD(ZOZOTOWNでポイントが貯まるカード)
- ファミマカード(2025年に新規発行を終えた「ファミマTカード」からの切り替え分を含む)
- コーナンカード/コーナンFLEXY
- 旧DMM JCBカード
- Fマネーカード(カードローン)
「ZOZOのカードの返済がきつい」「ファミマのカードで借りていた」という場合も、手続きの相手はポケットカード株式会社です。
カードやアプリに「ポケットカード株式会社」と記載があれば、ポケットカードとして任意整理を行います。
自分の持っているカードがどの発行会社のものか分からないときは、アプリやカード裏面の記載を確認してください。
ポケットカードの返済が苦しいときの解決策
- 利息カット:任意整理後の利息は基本0%
- 長期分割:60回など長期の分割払いが可能
- 過払い金発生の可能性:2007年11月以前のキャッシング取引では過払い金が発生しているケースあり
他社では36回や48回を求められることもありますが、ポケットカードでは60回より短い分割を強く求められる場面は多くありません。
そのため、毎月の返済額を抑えながら完済を目指しやすい債権者といえます。
利息カットで返済額を減らせる
任意整理後は、原則として将来利息をカットし、残った元本を分割で返済していきます。
利息が年15〜18%ついている状態では、返済してもその多くが利息に充てられ、元金がなかなか減りません。
利息が0%になれば、支払った金額がそのまま元金の減額につながります。
| 項目 | 任意整理前 | 任意整理後 |
|---|---|---|
| 利息 | 年15〜18%程度 | 0% |
| 元金の減り方 | 遅い | 速い |
| 支払いの行き先 | 多くが利息に充当 | 全額が元金に充当 |
返済期間を延ばして毎月の負担を軽くする
任意整理では、60回(5年)以上の長期分割に応じてもらえる場合があります。
分割回数を増やすほど、1回あたりの返済額は小さくなり、家計の負担を抑えられます。
任意整理の前と後で返済はどう変わるか
17.95%で40万円を借りていた場合は以下のように変わります。
| 項目 | 任意整理前 | 任意整理後 |
|---|---|---|
| 金利 | 17.95% | 0% |
| 完済までの期間 | 約4年 | 約4年 |
| 毎月の返済額 | 12,000円 | 約8,300円 |
| 支払う利息の総額 | 15万円以上 | 0円 |
分割回数を増やすほど毎月の負担は軽くなりますが、回数の上限は交渉で決まります。
借入額や金利ごとの詳しい減額シミュレーションは、別記事で試算しています。

ポケットカードで過払い金が発生するケース
- ポケットカードの借金が減額されたり過払い金が発生することはありますか?
-
2007年11月よりも前から取引をしていたのであれば、過払い金が発生している可能性があります。
ただし、ショッピングの取引では借金が減ったり、過払い金が発生することはありません。
過払い金が発生する条件
2007年11月以前はポケットカードも上限を超える金利で貸付していた時期があるため、過払い金が発生する可能性があります。
| 借入額 | 法律上の上限金利 |
|---|---|
| 10万円未満 | 20%まで |
| 10万円〜100万円未満 | 18%まで |
| 100万円以上 | 15%まで |
過払い金については以下の記事でも詳しく解説しています。

引き直し計算の結果による対応
取引履歴をもとに引き直し計算を行い、その結果で対応が変わります。
借金が残っていれば減額後の金額で任意整理を行い、借金がゼロになって過払い金が出ている場合は、過払い金の返還請求を行います。
| 引き直し計算の結果 | 対応 |
|---|---|
| 借金が減った | 減額後の金額で任意整理 |
| 借金がゼロ+過払い金あり | 過払い金の返還請求 |
引き直し計算については以下の記事でも詳しく解説しています。

任意整理の注意点とデメリット
- ポケットカードを任意整理するデメリットは何ですか?
-
主なデメリットは2つです。整理したポケットカードが解約になることと、信用情報に事故情報が登録されること(いわゆるブラックリスト)です。
1.ポケットカード系のカードがまとめて解約になる
任意整理は発行会社ごとに行う手続きです。
ポケットカードを任意整理すると、ブランドが違っていても、ポケットカードが発行しているカードはすべて解約・利用停止の対象になります。
たとえばP-oneカードを任意整理する場合、同じ方が持っているZOZOCARDやファミマカードも一緒に整理されるのが原則です。
解約になると貯めていたポイントは原則として失効するため、手続き前に交換しておくことをおすすめします。
2.カード払いにしている支払いは事前に変更する
ポケットカードの任意整理では、カード残高だけでなく、毎月カード払いになっている支払いを確認します。
特に、携帯料金、公共料金、サブスク、ETCカード、家族カードは見落としやすい項目です。
任意整理を始める前に、ポケットカードの明細を見て毎月自動で決済されている支払いを確認しておきましょう。
口座振替、請求書払い、デビットカード、スマホ決済など、クレジットカード以外の方法へ変更しておく必要があります。
3.信用情報に事故情報が登録される(ブラックリスト)
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、完済からおおむね5年間は新規のクレジットカードやローンの契約が難しくなります。
| 項目 | 任意整理後の影響 |
|---|---|
| 新規クレジットカード | 原則として作成不可(完済から約5年) |
| 各種ローン | 住宅・自動車・携帯端末の分割などが難しくなる |
| 整理していない他社カード | 途上与信で利用停止になる場合がある |
クレジットカードが使えない間も、デビットカードやスマホ決済で買い物は可能です。
登録期間中にできなくなることの詳細やデビットカードについては以下の記事で詳しく解説しています。
ポケットカードを任意整理する流れと、依頼後にすること
ポケットカードへ受任通知を送ると、返済と督促がいったん止まります。
受任通知の送付からおおむね1〜2か月で取引履歴が届き、現在の借入額や過払い金の有無を確認します。
将来利息のカットと分割回数を決めるために交渉します。
依頼からおおむね3〜6か月で和解がまとまります。
返済代行を使う場合は司法書士へ、使わない場合はポケットカードへ直接振り込みます。
依頼後に依頼者がすることは、ポケットカードへの返済をいったん止め、その間に司法書士へ積立金を行うことです。
積立金は、任意整理後に毎月返済を続けられるかの確認と、費用の分割払いを兼ねています。
積立金と返済代行(代行弁済)とはについては以下の記事で詳しく解説しています。
よくある質問(FAQ)
ポケットカードの任意整理は家族や会社に知られずにできますか?
郵送物や連絡は本人宛に限定されるため、家族に知られにくい手続きです。
勤務先に直接連絡が入ることも通常はありません。
ただし、ブラックリストの影響等で知られる可能性はあります。
ポケットカードを任意整理中でも新しいカードは作れますか?
任意整理中および完済からおおむね5年間は、信用情報に事故情報が残るため、クレジットカードの新規発行は難しい状態が続きます。
任意整理をするとポケットカードのETCカードも使えなくなりますか?
はい。ポケットカードが発行しているETCカードも同時に解約となります。

ZOZOCARDを任意整理するとZOZOTOWNは使えなくなりますか?
ZOZOCARDを任意整理すると、ZOZOCARDは利用停止になります。
ZOZOCARDでの支払いはできなくなるため、ZOZOTOWNを利用する場合は別の支払方法へ変更する必要があります。
ポケットカードで過払い金は発生しますか?
2007年11月以前からキャッシング取引がある場合は、過払い金が発生している可能性があります。
一方、ショッピング利用では過払い金は発生しません。
まとめ|ポケットカードはカード停止の影響を確認して進める
ポケットカードの返済が厳しいときは、利息0%+長期分割で月々の負担を大きく下げられる可能性があります。
ZOZOCARDやファミマカードなど、ブランドが違っても発行元がポケットカードであれば、同じ条件で任意整理ができます。
2007年以前のキャッシング取引がある方は、過払い金が見つかることもあります。
カード解約や信用情報への登録といったデメリットも踏まえたうえで、まずは司法書士に相談し、ご自身の取引内容に合った進め方を確認してください。
