任意整理をやってよかった返済が楽になったパターンを司法書士が解説

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

  • 任意整理はどのような状態であればするべきなのか?
  • 任意整理は誰でもすることができるのか?

任意整理は、利息をカットし、元金のみを分割返済していく債務整理の手続きです。

そのため、毎月の返済負担を軽減でき、生活再建の一歩を踏み出せる可能性があります。

しかし、すべての人が任意整理に向いているとは限りません。

では、どのような人が任意整理を利用すべきなのか、どのような状況で「やってよかった」と感じられるのかを解説します。

参考元:債務整理-東京司法書士会

目次

任意整理を考えるべき4つの典型的なケース

どのような状況なら任意整理をしたほうがいいですか?

返済を滞納している人や、借金の返済のために借金を繰り返す、自転車操業の状況ならばすぐに任意整理をしたほうがいいです。

滞納はしていないけど毎月の返済が厳しいとか、利息分だけしか支払いができていない人も任意整理を検討するべきでしょう。

任意整理をするべき状況
  • 滞納中(すぐに債務整理を検討すべき)
  • 自転車操業(すぐに債務整理を検討すべき)
  • 利息分しか返済できていない
  • 毎月の返済が難しい状況

借金の返済を滞納している

返済を滞納していると貸金業者からの督促が頻繁に届きますし、遅延損害金がつくので借金もどんどん膨れ上がっていきます。

督促が来れば借金をしていることと、滞納していることが家族にバレてしまう可能性があります。

さらに返済できないまま放置すると、訴訟を起こされ給与を差し押さえられる可能性があります。

給与を差し押さえされると裁判所から会社へ通知が届くので、借金の支払いができてないことを会社に知られるので注意が必要です。

債務整理を行えば貸金業者からの督促も止まるので、それだけでも気持ちの上では大分楽になるでしょう。

返済が出来ていない状況ならばすぐに債務整理をすべきです。

自転車操業に陥っている

借金を返すために別の借金を繰り返している状態は「自転車操業」と呼ばれ、早期に手を打たなければ破綻を招きます。

たとえば、キャッシングの限度額を使い切り、ショッピングのリボ払いで生活費を補っている場合も同様です。

自転車操業であっても、早い段階であれば任意整理によって借金問題を解決できる可能性があります。

ただし、自転車操業が続いて借金が増えすぎると、任意整理では返済が困難になり、自己破産しか選択肢がなくなることもあります。

今は自転車操業の状況であっても、今後大きな収入が入る目途があり、それにより返済できるのであれば問題ありません。

返済の目途がない状況で自転車操業に陥っているのであれば、早めに債務整理をするべきです。

利息しか払えず元金が減らない

月々の返済のほとんどが利息のみで、元金が減っていない場合は、完済までに非常に長い時間がかかります。

ショッピングのリボ払いで、利息しか返済ができず元金が減らないと悩んでいる人も同様です。

任意整理によって利息がカットされれば、支払った分がすべて元金に充てられるため、返済期間が明確になり早期完済も可能です。

ただし、利息だけの支払いよりも任意整理をしたほうが、月々の返済額が多くなることがあります。

返済額が多くなるかどうかは、弁護士や司法書士に相談をした際に、事前にわかります。

任意整理後の毎月の返済額の捻出ができない人は、自己破産等を検討するべきです。

毎月の返済が苦しい状況

毎月の返済が苦しくて、生活を切り詰めてなんとか返済を行っているような状況の人も任意整理を検討すべきです。

ただし、任意整理にはブラックリストに登録されるというデメリットもあります。

「来月にはボーナスが入る」「一時的に収入が減っただけ」で、今をしのげば返済ができる人は任意整理を行う必要はないでしょう。

今月の返済ができなくても、来月以降は返済できるのであれば、まずは借入先に少しだけ返済を待ってもらえないか相談をするべきです。

任意整理をするべき状態の人

任意整理には条件がある|誰でもできるわけではない

任意整理は誰でもすることができますか?

任意整理は返済が難しい状況の人が行うものなので、問題なく返済ができる状況の人は任意整理をすることはできません。

また、任意整理をすると利息はなくなりますが、元金は分割で支払う必要がある手続きなので、任意整理後の毎月の返済額を支払っていけることが任意整理ができる条件になります。

会社や取引内容にもよりますが、任意整理後は元金を36回~60回払いになる可能性が高いです。

借入額を36~60で割って任意整理後の毎月の返済額の目安と、手取り額より生活に必要な金額を引いて返済に充てられる金額を計算します。

毎月の返済額よりも、返済に充てられる金額の方が上回れば任意整理が可能ということになります。

任意整理に応じない会社もあり、分割回数も会社により異なるので詳しくは弁護士や司法書士に確認すべきです。

任意整理できるか?
  • 毎月の手取り額:20万
  • 毎月の支出額:18万
  • 借金総額:200万

上記の場合、毎月の手取り額の20万円から支出を引くと、2万円が返済にあてられる金額になります。

借金の200万円を任意整理して60回の分割払いになると、毎月の返済額は34,000円ほどになります。

返済にあてられる2万円よりも任意整理後の返済額34,000円のほうが上回っているので、任意整理はできないということになります。

任意整理が出来る人の条件

まとめ|任意整理は“早めの判断”がカギ

任意整理をするべき状況
  • 滞納中
  • 自転車操業
  • 利息分しか返済できていない
  • 毎月の返済が難しい状況

滞納している、自転車操業になっている、毎月利息までしか返済できない、支払いが難しい状況なら早めに任意整理を検討すべきです。

このような状態の人は任意整理をすることで、返済が楽になる可能性が高いです。

放置すると、任意整理すらできなくなり、最終的に自己破産という選択肢しか残らないこともあります。

債務整理は勇気が必要な手続きですが、多くの事務所では無料相談を受け付けています。

「もう返済が難しい」と感じたら、ひとりで悩まず、まずは専門家へ相談してみてください。

早期の行動が、人生を立て直す第一歩になります。

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