ニコスの任意整理|auPAYカードの扱い・口座凍結等の問題を解説

当サイトの記事は、司法書士 三浦永二(東京司法書士会/登録番号7300号)が執筆・監修しています。

ニコスはDCカードやMUFGカード、ぴあカード等、色々なカードを発行しているので、複数のカードを利用している人も多いです。

ニコスを任意整理すると利息は0%にカットされ、60回以上の長期分割に応じてもらえるケースが多く、毎月の返済額を減らすことが可能です。

一方で、カード解約・ポイント失効・ブラック情報登録・口座凍結のリスクなど、知っておくべきデメリットも存在します。

この記事では、司法書士としての実務経験をもとに、

  • ニコス任意整理の相場(利息・分割回数・最低返済額)
  • ニコス特有の注意点(auPAYカード・保証実行・口座凍結)
  • 過払い金が発生する条件
  • 手続きの流れと依頼者がやるべきこと

をわかりやすく解説します。

参考:任意整理-東京弁護士会

目次

まず結論|ニコス・auPAYカード任意整理の返済条件

ニコスを任意整理した場合、主に以下の条件で和解できるケースが多いです。

  • 今後の利息が0%(免除)になる
  • 60回(5年)以上の長期分割払いが可能
  • 2007年以前のキャッシングには過払い金が発生する可能性あり

利息がカットされるため、毎月支払った金額がそのまま借金の元金減少につながり、完済までの道筋が明確になります。

一方で、次の点には注意が必要です。

  • ニコス発行のカードも使えなくなる
  • 信用情報に事故情報が残るため、新規借入やクレジット契約は難しくなる
  • ニコス保証の銀行借入があると、銀行口座の凍結や相殺が問題になることがある

auPAYカードを任意整理した場合、保証会社であるニコスが代位弁済を行い、ニコスが窓口となって交渉が進みます。

そのため、auPAYカードも「利息0%・60回以上の分割」という条件で和解できる可能性が高いです。

参考:auPAYカード会員規約auPAYカードFAQ

「auPAY」と名前が付いていても、auPAYカードとauPAYスマートローンは別の商品です。

auPAYカードはクレジットカードで、今回の記事は主にこちらを前提にしています。

一方、auPAYスマートローンはローン商品なので、任意整理で注意すべき点も少し異なります。

auPAYスマートローンについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ニコスを任意整理して
利息がなくなるメリット
任意整理前
半分が利息の支払い
任意整理後
返済した金額の分だけ元金が減っていく

ニコスの任意整理で返済額はどのぐらい減る?

任意整理の最大の効果は、「将来の利息がゼロになること」と「長期分割で月々の負担が減ること」です。

実際にどのくらい返済が楽になるのか、具体例で比較します。

任意整理をしない場合との比較(50万円借入のケース)

【条件】 ニコスから50万円借入/年利17.94%/毎月14,000円を返済中

項目任意整理なし任意整理あり
60回分割
完済までの総利息約21万円以上0円
完済までの期間約4年2か月5年
毎月の返済額14,000円約8,300円

完済までの期間は少し長くなりますが、約21万円分の利息支払いがなくなり、毎月の負担も約5,700円軽くなります。

支払った金額がすべて元金の返済(借金そのものを減らすこと)に充てられるのが、任意整理の大きなメリットです。

任意整理後の毎月の返済額シミュレーション

ご自身の借入残高別に、任意整理後に毎月いくらの返済になるかの目安です。

(※将来利息0%で和解できた場合の単純計算)

実務上、ニコスは60回(5年)や72回(6年)といった長期分割に比較的応じてもらいやすい傾向にあります。

借入残高60回(5年)払い72回(6年)払い
30万円約5,000円約4,200円
50万円約8,300円約7,000円
100万円約16,600円約13,900円

「自分の正確な借入残高だと、毎月いくらになるか」を知りたい方は、「返済シミュレーター」をご活用ください。

ニコスを任意整理した事例

50代 女性

返済が追いつかなくなり、ニコスの任意整理を依頼しました。最初は『周りにバレるのでは?』と不安でしたが家族に知られずに手続きできました。

ニコス特有の「銀行口座凍結」のリスク

通常、消費者金融や信販会社の任意整理では、その会社以外の銀行まで当然に影響が広がるわけではありません。

しかし、ニコスのカードとは別に、ニコスが保証会社になっている銀行からの借入がある場合は銀行口座に影響がでます。

ニコスが保証している銀行からの借入がある場合、その銀行口座が一時的に凍結され、口座残高と借入金が相殺されることになります。

  1. ニコスを任意整理する
  2. ニコスが保証している銀行ローンの「保証」が実行される(代位弁済)
  3. 銀行借入がニコスに移行し、一時的に銀行口座が凍結される
  4. 口座内の預金と借入残高が相殺される

給与口座について

生活費の支払いに影響が出る恐れがあるため、給与口座に指定している銀行からの借入がある場合、保証会社を必ず確認すべきです。

実際に、給与振込口座がニコス保証の銀行になっていたため、任意整理の前に勤務先へ振込先口座の変更を案内するケースは多いです。

カードだけを整理するつもりでも、銀行借入が絡むと生活口座まで影響することがあるため、確認が必要です。

以下は、実際に給与口座がある銀行からの借入があった事例です。

口座凍結リスクを減らすための確認STEP

STEP
銀行カードローンの有無を確認する

クレジットカードだけでなく、銀行借入がないか確認します。

STEP
保証会社を確認する

契約書、会員ページ、商品概要、問い合わせ窓口で確認します。

STEP
給与・生活費の口座と被っていないか調べる

ニコスが保証会社だった場合、その銀行の口座は一時的に凍結されます。

給与の振込先や、家賃・光熱費などの引き落とし口座になっていないかを確認してください。

STEP
必要なら先に入出金口座を分ける

凍結による相殺を防ぐため、事前に給与振込先を別の銀行へ変更し、預金も全額引き出しておくべきです。

主要な銀行の保証会社であれば当事務所でも把握しています。

ご自身での判断が不安な場合は、私と一緒に確認を進めることが可能ですのでお気軽にご相談ください。

銀行口座の凍結については以下の記事でも詳しく解説しています。

ニコスを任意整理するその他のデメリットと対策

口座凍結リスク以外にも、任意整理全般に共通する以下のデメリットがあります。

  1. カードの強制解約
    • ニコスの複数カード、auPAYカード等も対象
  2. ブラックリストへの登録
    • 完済後から約5年間は新たな借入やローン審査が通らない

カード解約とポイント失効のリスク

任意整理の手続きをした会社のクレジットカードは、必ず強制解約となります。

そのため、三菱UFJニコスが発行するカードを複数枚お持ちの場合、「1枚だけ手元に残す」といったことはできません。

一見すると別会社に見える「DCカード」や「各種提携カード」も、発行元が三菱UFJニコスであれば、使えなくなる点にご注意ください。

少額の利用しかないカードは手続きから除外することがあります。

しかし、実際に確認するとニコス発行だったため、少額であっても整理対象から外せなかったケースがあります。

カード名だけでは判断できないため、手続き前に発行元まで確認しておくことが重要です。

auPAYカードについて

auPAYカードはニコスが保証をしています。

ニコスを任意整理するとauPAYカードも解約になります。

解約前にやっておくべきこと

「公共料金や携帯料金の支払い」をニコス系のカード払いにしている場合は、手続き前に口座振替などへ変更が必要です。

貯まっていたポイントも解約と同時に失効してしまうため、司法書士が受任通知を出す前に使い切ることをおすすめします。

カード解約前に引き落とし先を変更した事例

40代 男性

カードが解約になることは司法書士から説明を受けていたので、前もって公共料金の支払い方法を口座引き落としに切替えることができました。

ブラックリスト(信用情報)への登録

参考:信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

ニコスを任意整理すると、信用情報機関に「事故情報」が記録されます。

いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。

ブラックリストに載るとできなくなること

  • クレジットカードの新規発行
  • カードローンやキャッシングでの新たな借入
  • 自動車ローンや住宅ローンなどの審査
  • スマホや携帯電話の端末代金の分割払い

「ニコス以外のカードはそのまま使えるのか?」というご質問をよくいただきます。

カード会社は定期的に信用情報を確認しているため、手続きから外したカードも利用停止になる可能性が高いです。

ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ブラック情報が消える時期

ニコスの任意整理中+完済から5年間
ブラックリストに登録される
任意整理中
完済後5年影響が残る

任意整理を完済してから最長5年で情報は抹消されます。

完済してすぐ元に戻るわけではないため、生活設計も含めて考える必要があります。

過払い金・減額が発生する条件(2007年以前の取引)

ニコスの借金が減額されたり過払い金が発生することはありますか?

ニコスと2007年よりも前からキャッシングの取引をしている人は、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性があります。

過払い金の対象になるケース

ニコスと2007年(平成19年)より前から「キャッシング」の取引をしていた方は、利息を払い過ぎていた可能性があります。

  • 過払い金の対象になる人: 2007年以前からニコスでキャッシングをしていた人
  • 対象外の人: 2008年以降に契約した人、またはショッピング枠(リボ払い・分割払い等)しか利用していない人

対象となる場合、「引き直し計算」を行うことで借金が大幅に減額されたり、ゼロになって現金(過払い金)が手元に戻ってくる可能性があります。

当時の資料がなくても、専門家が履歴を取り寄せて計算が可能です。

引き直し計算については以下の記事でも詳しく解説しています。

auPAYカードには過払い金はありません

auPAYカードは、前身の「auWALLET クレジットカード」が2014年10月28日に申込み受付を開始した比較的新しいカードです。

そのため、2007年以前の取引が前提となる過払い金は、au PAYカードでは発生しません。

具体例|50万円借入時の減額・過払いケース

ケース引き直し計算の結果
借金が20万円に減額された20万円を分割で返済
任意整理になる
借金がゼロになり
過払い金30万円発生
30万円を取り戻せる可能性
過払い金請求へ移行

ニコスの過払い金については以下の記事でも詳しく解説しています。

三菱UFJニコスの任意整理手続きの流れ

ニコスの任意整理の手続きはどのように進められますか?

任意整理を依頼されたら、弁護士や司法書士は受任通知という書類をニコスへ送付し、交渉を行っていきます。

依頼者はニコスへの返済を一旦ストップして積立金を行う必要があります。

受任通知から和解まで

任意整理は、一般に次の流れで進みます。

STEP
相談・方針決定

家計、残高、対象債権者、保証会社の有無を確認します。

STEP
受任通知の送付

受任通知を送ると、徐々に督促が止まっていきます。

STEP
債権調査・必要なら引き直し計算

古いキャッシングがある場合は、減額や過払いの有無を確認します。

STEP
和解交渉

将来利息、分割回数、毎月返済額を詰めます。

STEP
和解後の返済開始

返済代行か本人返済かを決めて、返済を再開します。

依頼から3〜6か月ほどで和解が成立します

依頼者が任意整理中にやるべきこと

STEP
ニコスへの返済を止める

ニコスへの支払いを止めても督促は来なくなります。

STEP
積立金を行う

積立金ができないと、任意整理ができなくなる可能性があります。

任意整理ができない場合は自己破産や個人再生を検討するべきです。

STEP
返済の再開

返済代行の場合は弁護士や司法書士に振り込みをして、返済代行ではない場合はニコスへ直接振り込むことになります。

ご依頼後、本人が直接ニコスと連絡を取る必要はありません。

すべて司法書士が代理で対応いたします。

相談前に確認しておきたいことSTEP

STEP
カードと借入を全部書き出す

カード、ローン、銀行借入を一つ一つ整理します。

STEP
カードの発行元を確認する

カード名ではなく、裏面や利用明細で発行元を確認します。

DCカードや提携カードでも、実際には三菱UFJニコス発行のことがあります。

STEP
止まると困る支払いを洗い出す

公共料金、携帯、保険、家賃等がニコスのカード払いになっていないかを確認します。

ニコスのカード払いになっているものは口座引き落とし等の別の支払方法への変更が必要です。

よくある質問(FAQ)

任意整理をするとニコスから自宅に電話や郵便で連絡が来ますか?

受任通知を出したあとは直接の連絡は止まります。

そのため、家族に秘密のままで手続きができる可能性が高いです。

ニコスのショッピングリボも任意整理できますか?

はい。キャッシング・ショッピングの区別なく任意整理可能です。

任意整理をした後、ニコスに再びカードを作ることはできますか?

基本的に難しいですが、ブラック情報が消えれば再契約できる可能性はあります。

ニコスの任意整理をすると家族カードはどうなりますか?

本会員のカードが解約されると家族カードも使えなくなります。

auPAYカードを任意整理する場合、交渉相手はどこですか?

auPAYカードの保証業務は、三菱UFJニコスが行っています。

そのため、任意整理の手続きをするとニコスが立て替え払いを行い、以降の債権者(交渉窓口)はニコスに移ります。

まとめ

ニコスの任意整理は、将来の利息をゼロにし、60回以上の長期分割に応じてもらえるため、生活再建に非常に有効な手段です。

ただし、ニコス特有の「銀行保証による口座凍結リスク」には十分な注意と事前準備が必要です。

デメリットを正しく理解し、事前にリスクを回避できれば、任意整理のメリットを最大限に活かすことができます。

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