ニコスの任意整理【任意整理で返済はどう変わるか司法書士が解説】

  • ニコスを任意整理すると返済は楽になるのか?
  • 任意整理のデメリットは何があるのか?
  • 相談した後の手続きはどうやって進めていくのか?

三菱UFJニコスは元々は日本信販という会社でした。

DCカードやMUFGカード、ぴあカード等、色々なカードを発行しているので、ニコスで複数のカードを利用している人も多いです。

返済が難しくなったら債務整理をすることで支払いを楽にすることができますが、任意整理ができない貸金業者もあります。

任意整理に応じる会社でも利息が0%になるかどうかや、分割払いの回数が何回になるのかは相手方の会社ごとに異なります。

今回は利用されている人も多いニコスカードを任意整理した場合に発生する、メリットとデメリットを紹介します。

参考元:債務の整理をしたいと考えています。どのような方法がありますか?-法テラス

信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

目次

三菱UFJニコスは任意整理できる

ニコスの借金を任意整理するとどうなりますか?

ニコスを任意整理すると利息は免除してもらえるので、任意整理後は利息がなくなって借金の元金だけを分割で返済していくことになります。

60回以上の分割払いにも応じてもらえて、60回払いであれば5年間の長期間の分割払いになるので、毎月の返済額も少なくなる可能性が高いです。

ニコスを任意整理すると
  • 任意整理後の利息は0%になる
  • 分割回数は60回以上も可能
  • 過払い金が発生している可能性あり

任意整理後の利息は0%になる

基本的に任意整理後の利息は0%になります。

元金だけを分割払いで返済していくことになるため、返済した金額の分だけ借金は減っていきます。

返済額の多くが利息に充てられて借金が減らない人も、利息がなくなることで完済までに支払う金額が大幅に少なくなります。

任意整理後の分割回数

任意整理後の分割払いの回数は60回=5年間での分割払いになりますが、事情によりさらに長期の分割払いに応じてくれることもあります。

長期の分割払いに応じてくれるため、毎月の返済額が少なくなる可能性が高いです。

任意整理をすると利息がなくなって分割払いの回数も決まるので、いつ完済できるのかも明確になります。

借金が減額されたり過払い金が発生する条件

ニコスの借金が減額されたり過払い金が発生することはありますか?

ニコスと2007年よりも前からキャッシングの取引をしている人は、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性があります。

ただしショッピングの取引では借金が減ったり過払い金が発生することはありません。

過去にニコスと法律の制限を超える利息での取引をしていたのであれば、借金が減ったり過払い金が発生することがあります。

利息制限法の金利の上限
10万円未満の借入20%まで
10万円以上~100万円未満の借入18%まで
100万円以上の借入15%まで

ニコスは2007年には法律内の利息に見直しをしています。

そのため、ニコスで借金が減ったり過払い金が発生する可能性があるのは2007年よりも前から取引をしていた人に限られます。

ショッピングでは借金が減ったり過払い金が発生することはありません。

引き直し計算の結果、借金が減額された人は利息をカットして減額後の金額を分割で返済していくことになります。

引き直し計算の結果、借金が全てなくなって過払い金が発生する人は任意整理ではなく過払い金請求をすることになります。

50万円の借入があるケース
借金が20万円まで減った場合

利息をカットして減額後の20万円の元金だけを分割で返済することになる。

50万円の借金が全てなくなって過払い金が30万円発生した場合

任意整理ではなく30万円の過払い金請求になる。

2007年よりも古くからニコスとキャッシングを行っていると借金が減額されたり過払い金が発生する可能性があります。

返済中でも引き直し計算をすると過払い金発生する

三菱UFJニコスを任意整理すると返済はどう変わるか

ニコスを任意整理することでどのぐらいのメリットが発生しますか?

ニコスは長期の分割払いにも応じてくれるので、任意整理をすることで毎月の返済額が少なくなる可能性があります。

また、完済までの期間も早くなる可能性もあり、完済までに利息だけで数十万円以上支払うことが多いので、利息がなくなるだけで数十万円の返済額が減るというメリットも発生します。

任意整理のメリットはわかりにくいと思うので、任意整理をせずに返済をして行く場合と、任意整理をして返済をした場合で比較します。

任意整理をしないで返済をすると

利息17.94%で50万円を借りて毎月14,000円返済しているケース

任意整理をしない場合
完済までに支払う利息の総額21万円以上
完済までの期間4年2ヶ月
毎月の返済額14,000円

毎月の利息だけで7,475円になるので毎月の返済の半分以上が利息になり、元金はあまり減りません。

そのため、完済までの間に利息の支払いだけで21万円以上払うことになり、完済までに4年2ヶ月必要になります。

借入額が少なくなってくると、毎月の返済額を下げることができるようになります。

しかし、返済額を少なくすると上記よりも完済までの期間は長くなりますし、完済までに支払う利息の総額もさらに増えます。

任意整理をすると

50万円の借入を任意整理して利息0%、48回の分割払いになると

任意整理をすると
完済までに支払う利息の総額0円
完済までの期間4年
毎月の返済額約10,000円

50万円を分割回数の48で割ると10,416になるので、毎月の返済額は約10,000円になります。

48回の分割払いなので4年間で完済になります。

任意整理前と後で比較

任意整理前任意整理後
完済までに支払う利息の総額21万円以上0円
完済までの期間4年2ヶ月4年
毎月の返済額14,000円約10,000円

60回の分割払いになると、完済まで5年かかりますが、毎月の返済額は約8,300円まで少なくなります。

任意整理をして利息を無くすことで完済までに支払う金額が減って、完済までの期間も早くなり、さらに毎月の返済額も少なくなる可能性がある

任意整理のメリット

三菱UFJニコスを任意整理するデメリット

ニコスを任意整理するデメリットは何がありますか?

デメリットはニコスのカードが解約になること、ブラックリストに登録されることです。

ブラックリストに登録されると借金をしたりローンを組んだりすることができなくなり、クレジットカードも解約になる可能性が高いです。

ニコスが保証をしている銀行からの借入があると、その銀行口座が凍結されて預貯金と借入額とで相殺される可能性があります。

ニコスのカードが解約になる

任意整理をした会社のカードは解約になるため、ニコスを任意整理するとニコスのカードはすべて解約になります。

何枚かニコスのカードを持っている場合は、全部のニコスのカードが解約になります。

ニコスのカードが解約になるとポイントは失効してしまうため、貯まっているポイントは事前に使用するようにしましょう。

ニコスのカードで公共料金や携帯料金のような毎月の支払いをカード払いにしている場合は、口座引き落とし等に変更が必要になります。

auPAYカード(旧auWALLETクレジットカード)はニコスが保証をしています。

ニコスを任意整理するとauPAYカード(旧auWALLETクレジットカード)も解約になります。

ブラックリストに登録される

任意整理をすると、信用情報に事故情報が載りブラックリストに登録されます。

そのため、ニコス以外の会社でもお金を借りたりローンを申し込んだりカードを作るのは非常に難しくなります。

ブラックリストに登録されると
お金を借りることは難しくなる

カードローンやキャッシング等、お金を借りることは難しくなります

ローンを組めなくなる

住宅ローンや自動車ローン、携帯電話やスマホの分割購入も難しくなります

クレジットカードが持てなくなる

ブラックリストの影響を受けて、任意整理をしていないクレジットカードが解約になる可能性があります

クレジットカード会社は定期的に信用情報を確認しているので、任意整理をしていないクレジットカードも止められる可能性があります。

信用情報に任意整理等の情報があると支払いが難しくなると判断されて、自社のクレジットカードの利用を止めることがあるからです。

ただし、ブラックリストの影響は、最長でも任意整理後に完済してから5年間でなくなります。

ブラックリストに載っても、現金やデビットカード、paypayを利用して生活する分にはあまり不便は感じないでしょう。

ブラックリストに登録されると、借金をしたりローンを組むのは難しくなり、任意整理をしないクレジットカードも解約になる可能性がある

ニコス保証の銀行からの借入があると口座が凍結される

銀行のカードローンでは保証会社というものがつきます。

銀行や商品ごとに保証会社というのは異なりますが、ニコスが保証を行っている銀行カードローンもあります。

ニコスを任意整理する際にニコスが保証をしている銀行からの借入があると、保証が実行されて銀行の借入がニコスへ移行します。

保証が実行されると、銀行の借金も併せてニコスと交渉を行い任意整理をすることになります。

ニコスへ借入が移行する際に、3ヵ月ほど銀行口座が凍結されて預貯金と借入額とで相殺されることになります。

※事前に銀行口座からお金を引き出しておけば相殺はされません。

ニコスを任意整理するデメリット

任意整理の流れ

ニコスの任意整理の手続きはどのように進められますか?

任意整理を依頼されたら弁護士や司法書士は受任通知という書類をニコスへ送付し、借金の金額や過払い金がないかを確認して交渉を行っていきます。

依頼者の人は受任通知が送られた後、任意整理の交渉が終わるまでの間はニコスへの返済を一旦ストップして積立金を行う必要があります。

STEP
面談

任意整理を依頼する際は、弁護士や司法書士と面談をする必要があります。

STEP
受任通知送付

任意整理の依頼を受けた専門家はニコスに対して受任通知を送付します。

STEP
引き直し計算

法律よりも高い利息で取引があれば利息を見直して計算を行って、借金が減額されないか、過払い金が発生していないかを確認します。

引き直し計算の結果、借金が減るようであればその減額後の金額で利息のカットと分割回数の交渉を行います。

STEP
和解交渉

任意整理を依頼してから、3か月~6か月程度で任意整理の交渉がまとまります。

STEP
返済再開

任意整理の交渉が終わったら、交渉内容どおりに利息をカットしてもらい、元金だけを分割で返済していくことになります。

依頼者が行うこと

STEP
ニコスへの返済を止める

ニコスへの支払いを止めても督促はきません。

STEP
積立金を行う

返済を止めている間に、任意整理後に毎月返済していけるかの確認と費用の分割払いのために、積立金を行う必要があります。

積立金ができないと、任意整理をしても支払っていくことは難しいと判断されて任意整理ができなくなる可能性があります。

任意整理ができない場合は自己破産や個人再生を検討します。

STEP
返済の再開

任意整理を依頼してから3か月~6か月程度で任意整理の交渉がまとまります。

その後は任意整理の内容どおりに、返済代行の場合は弁護士や司法書士に、返済代行ではない場合はニコスへ直接振込むことになります。

任意整理依頼後に依頼者が行うこと

家族や会社に秘密で手続きできるか

ニコスの任意整理は家族や会社に秘密にしたままできますか?

任意整理はニコスから連絡が来ることもないので家族や会社にバレる可能性が非常に少ない手続きです。

ただしブラックリストの影響には注意が必要です。

個人再生や自己破産と異なって、任意整理は裁判所を通さずに手続きを行うため、同居の家族の収入証明等は不要です。

また、ニコスからご依頼者への連絡も来ることはありません。

弁護士や司法書士からの郵送物も事務所の名前を入れずに送付することもできますし、郵便局留めで自宅に届かないようにすることも可能です。

そのため、任意整理は家族や会社に知られずに手続きを行うことができる可能性が高い手続きです。

ブラックリストに登録されてカードが解約になったり、ローンが組めなかったりした際に不審に思われる可能性はあります。

生活費等をクレジットカードで支払っている人は注意が必要です。

まとめ

任意整理のメリット

ニコスの借入を任意整理すると任意整理後の利息は0%にしてもらえて、60回以上の長期の分割にも応じてもらえます。

そのため、毎月の返済の負担を減らしながら、完済までの期間が短くなる可能性があります。

キャッシングとショッピングのリボ払いどちらも任意整理をすることができます。

さらにニコスと2007年よりも前からキャッシング取引を行っている場合は借金が減ったり過払い金が発生する可能性があります。

任意整理のデメリット

任意整理を行うとブラックリストに載るため、借金をしたりローンを組む際の審査に通ることはほぼできなくなります。

また、ニコス以外のカードも利用ができなくなる可能性が高いです。

借金はせずローンも組まず、現金で生活をして、デビットカードやpaypayを利用することで、不便を感じず生活することはできると思います。

ブラックリストの影響は任意整理後に完済してから5年間でなくなるので、その後は通常どおりの審査を受けることができるようになります。

任意整理にはメリットがある一方デメリットもあるため、デメリットが発生しても今の返済を楽にしたいという人は任意整理をすることをおすすめします。

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