ニコスはDCカードやMUFGカード、ぴあカード等、色々なカードを発行しているので、複数のカードを利用している人も多いです。
ニコスを任意整理すると利息は0%にカットされ、60回以上の長期分割に応じてもらえるケースが多く、毎月の返済額を減らすことが可能です。
一方で、カード解約・ポイント失効・ブラック情報登録・口座凍結のリスクなど、知っておくべきデメリットも存在します。
この記事では、司法書士としての実務経験をもとに、
- ニコス任意整理の相場(利息・分割回数・最低返済額)
- ニコス特有の注意点(保証実行・口座凍結・給与口座への影響)
- 過払い金が発生する条件
- 手続きの流れと依頼者がやるべきこと
をわかりやすく解説します。
参考:任意整理-東京弁護士会
まず結論|ニコスの任意整理の返済条件
ニコスを任意整理した場合、主に以下の条件で和解できるケースが多いです。
ニコス任意整理後の和解条件(目安)
- 将来利息
- 原則0%
- 分割回数
- 60回(5年)以上も可能
- 過払い金
- 2007年以前のキャッシングのみ
72回の長期分割に応じてもらえることもあります
利息がカットされるため、毎月支払った金額がそのまま借金の元金減少につながり、完済までの道筋が明確になります。
一方で、次の点には注意が必要です。
- ニコス発行のカードも使えなくなる
- 信用情報に事故情報が残るため、新規借入やクレジット契約は難しくなる
- ニコス保証の銀行借入があると、銀行口座の凍結や相殺が問題になることがある
auPAYカードを任意整理した場合、保証会社であるニコスが代位弁済を行い、ニコスが窓口になる可能性があります。
auPAYカードについては、以下の記事で詳しく解説しています。


ニコスの任意整理で返済額はどのぐらい減る?
任意整理の最大の効果は、「将来の利息がゼロになること」と「長期分割で月々の負担が減ること」です。
実際にどのくらい返済が楽になるのか、具体例で比較します。
任意整理をしない場合との比較(50万円借入のケース)
ニコスから50万円借入
(年利17.94%・毎月14,000円返済)
任意整理をしない場合
- 毎月の返済額
- 14,000円
- 完済までの期間
- 約4年2か月
- 完済までの総利息
- 約21万円以上
任意整理をした場合(60回分割)
- 毎月の返済額
- 約8,300円
- 完済までの期間
- 5年
- 完済までの総利息
- 0円
完済までの期間は少し長くなりますが、約21万円分の利息支払いがなくなり、毎月の負担も約5,700円軽くなります。
支払った金額がすべて元金の返済(借金そのものを減らすこと)に充てられるのが、任意整理の大きなメリットです。
任意整理後の毎月の返済額シミュレーション
ご自身の借入残高別に、任意整理後に毎月いくらの返済になるかの目安です。
(※将来利息0%で和解できた場合の単純計算)
実務上、ニコスは60回(5年)や72回(6年)といった長期分割に比較的応じてもらいやすい傾向にあります。
| 借入残高 | 60回(5年)払い | 72回(6年)払い |
| 30万円 | 約5,000円 | 約4,200円 |
| 50万円 | 約8,300円 | 約7,000円 |
| 100万円 | 約16,600円 | 約13,900円 |
「自分の正確な借入残高だと、毎月いくらになるか」を知りたい方は、「返済シミュレーター」をご活用ください。

ニコスを任意整理した事例
50代 女性返済が追いつかなくなり、ニコスの任意整理を依頼しました。最初は『周りにバレるのでは?』と不安でしたが家族に知られずに手続きできました。
ニコス特有の「銀行口座凍結」のリスク
通常、消費者金融や信販会社の任意整理では、その会社以外の銀行まで当然に影響が広がるわけではありません。
しかし、ニコスのカードとは別に、ニコスが保証会社になっている銀行からの借入がある場合は銀行口座に影響がでます。
ニコスが保証している銀行からの借入がある場合、その銀行口座が一時的に凍結され、口座残高と借入金が相殺されることになります。
この影響が起きるのは、ニコスが保証会社になっている銀行借入がある場合に限ります
1ニコスを任意整理する
2ニコス保証の銀行ローンで保証が実行される(代位弁済)
3銀行借入がニコスに移り、その銀行の口座が一時的に凍結される
4口座内の預金と借入残高が相殺される
給与口座について
生活費の支払いに影響が出る恐れがあるため、給与口座に指定している銀行からの借入がある場合、保証会社を必ず確認すべきです。
実際に、給与振込口座がニコス保証の銀行になっていたため、任意整理の前に勤務先へ振込先口座の変更を案内するケースは多いです。
以下は、実際に給与口座がある銀行からの借入があった事例です。


口座凍結リスクを減らすための確認STEP
1銀行カードローンの有無を確認する
クレジットカードだけでなく、銀行からの借入がないか確認します。
2保証会社を確認する
契約書、会員ページ、商品概要、問い合わせ窓口で確認します。
3給与・生活費の口座と被っていないか調べる
ニコスが保証会社だった場合、その銀行の口座は一時的に凍結されます。
給与の振込先や、家賃・光熱費などの引き落とし口座になっていないかを確認してください。
4必要なら先に入出金口座を分ける
凍結による相殺を防ぐため、事前に給与振込先を別の銀行へ変更し、預金も全額引き出しておきます。
主要な銀行の保証会社であれば当事務所でも把握しています。
ご自身での判断が不安な場合は、私と一緒に確認を進めることが可能ですのでお気軽にご相談ください。
銀行口座の凍結については以下の記事でも詳しく解説しています。


ニコスの自動車ローン・マイカーローンがある場合の車の扱い
ニコスは、クレジットカードだけでなく自動車ローンや、銀行・JAのマイカーローンの保証も扱っています。
これらがある状態でニコス(auPAYカードを含む)を任意整理すると、車の扱いに注意が必要です。
ニコスの自動車ローン
- 所有権留保
- あり
- 車
- 引き上げられる
- 切り離し
- できない
銀行・JAのマイカーローン
(ニコス保証)
- 所有権留保
- 原則なし
- 車
- 基本的に残せる
- 注意点
- 口座凍結
ニコスの自動車ローン(所有権留保あり)
ニコスで自動車ローンを組んでいて所有権留保が付いている場合、ニコスを任意整理すると、その自動車ローンもまとめて整理の対象になります。
自動車ローンだけを切り離して手続きすることはできないため、所有権留保があれば車が引き上げられる可能性があります。
車を残せるかどうかの判断基準は、自動車ローンの任意整理のページで解説しています。


銀行・JAのマイカーローン(ニコス保証)
一方、銀行やJAのマイカーローンでニコスが保証会社になっている場合は、原則として所有権留保が付かず、車は本人名義のままです。
そのため、車が引き上げられることは基本的にありません。
注意すべきは口座凍結のほうで、ニコスが代位弁済を行うと、その銀行の預金口座が一時的に凍結され、残高が返済に充てられることがあります。
口座凍結の詳しい仕組みと対策は、銀行カードローンの任意整理のページで解説しています。


ニコスを任意整理するその他のデメリットと対策
口座凍結リスク以外にも、任意整理全般に共通する以下のデメリットがあります。
- カードの強制解約
- ニコスの複数カード、auPAYカード等も対象
- ブラックリストへの登録
- 完済後から約5年間は新たな借入やローン審査が通らない
カード解約とポイント失効のリスク
任意整理の手続きをした会社のクレジットカードは、必ず強制解約となります。
そのため、三菱UFJニコスが発行するカードを複数枚お持ちの場合、「1枚だけ手元に残す」といったことはできません。
一見すると別会社に見える「DCカード」や「各種提携カード」も、発行元が三菱UFJニコスであれば、使えなくなる点にご注意ください。
少額の利用しかないカードは手続きから除外することがあります。
しかし、実際に確認するとニコス発行だったため、少額であっても整理対象から外せなかったケースがあります。
カード名だけでは判断できないため、手続き前に発行元まで確認しておくことが重要です。
auPAYカードについて
auPAYカードはニコスが保証をしている場合があります。
そのため、ニコスを任意整理するとauPAYカードも解約になる可能性があります。
一方、名前の似た「auPAYスマートローン」は、ニコスではなくauフィナンシャルサービスが貸し手で、任意整理の交渉相手も同社になります。
同じ「au」でも交渉相手が異なるため、混同しないよう注意が必要です。


解約前にやっておくべきこと
「公共料金や携帯料金の支払い」をニコス系のカード払いにしている場合は、手続き前に口座振替などへ変更が必要です。
貯まっていたポイントも解約と同時に失効してしまうため、司法書士が受任通知を出す前に使い切ることをおすすめします。
カード解約前に引き落とし先を変更した事例



カードが解約になることは司法書士から説明を受けていたので、前もって公共料金の支払い方法を口座引き落としに切替えることができました。
ブラックリスト(信用情報)への登録
ニコスを任意整理すると、信用情報機関に「事故情報」が記録されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。
ブラックリストに載るとできなくなること
- クレジットカードの新規発行
- カードローンやキャッシングでの新たな借入
- 自動車ローンや住宅ローンなどの審査
- スマホや携帯電話の端末代金の分割払い
「ニコス以外のカードはそのまま使えるのか?」というご質問をよくいただきます。
カード会社は定期的に信用情報を確認しているため、手続きから外したカードも利用停止になる可能性が高いです。
ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。


ブラック情報が消える時期
任意整理を完済してから最長5年で情報は抹消されます。
それまでは借入・カード作成は困難ですが、デビットカード・スマホ決済などは利用可能です。
過払い金・減額が発生する条件(2007年以前の取引)
- ニコスの借金が減額されたり過払い金が発生することはありますか?
-
ニコスと2007年よりも前からキャッシングの取引をしている人は、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性があります。
過払い金の対象になるケース
ニコスと2007年(平成19年)より前から「キャッシング」の取引をしていた方は、利息を払い過ぎていた可能性があります。
- 過払い金の対象になる人: 2007年以前からニコスでキャッシングをしていた人
- 対象外の人: 2008年以降に契約した人、またはショッピング枠(リボ払い・分割払い等)しか利用していない人
対象となる場合、「引き直し計算」を行うことで借金が大幅に減額されたり、ゼロになって現金(過払い金)が手元に戻ってくる可能性があります。
当時の資料がなくても、専門家が履歴を取り寄せて計算が可能です。
引き直し計算については以下の記事でも詳しく解説しています。


具体例|50万円借入時の減額・過払いケース
| ケース | 引き直し計算の結果 |
|---|---|
| 借金が20万円に減額された | 20万円を分割で返済 任意整理になる |
| 借金がゼロになり 過払い金30万円発生 | 30万円を取り戻せる可能性 過払い金請求へ移行 |
ニコスの過払い金については以下の記事でも詳しく解説しています。


三菱UFJニコスの任意整理手続きの流れ
1ニコス関連の借入をすべて確認する
ニコス発行のカード(DCカード・MUFGカードなど)に加えて、ニコス保証の銀行借入、自動車ローン、auPAYカードがないかを確認します。
銀行借入がある場合は、保証会社が三菱UFJニコスかどうかまで確認します。
2受任通知の前に必要な準備を行う
ニコス保証の銀行を給与口座や引き落とし口座にしている場合は、先に振込先の変更と預金の引き出しを済ませます。
他の借入も一緒に依頼する場合は、影響のない債権者から先に手続きを始め、ニコスへの介入は準備が整ってから行うこともあります。
3受任通知の送付・債権調査
準備が整ったらニコスへ受任通知を送ります。以後、本人への直接の督促は止まります。
取引履歴を取り寄せ、2007年以前のキャッシング取引があれば、減額や過払い金の有無を確認します。
4和解交渉・返済再開
残高が確定したら、将来利息のカットと長期分割を条件に交渉します。
ニコスは60回以上の分割に応じてもらえるケースが多い債権者です。
依頼後は、返済を止めている間に毎月の返済額と同程度の金額を積み立てる必要があります。


任意整理全体の詳しい流れは、以下の記事で解説しています。


よくある質問(FAQ)
- 任意整理をするとニコスから自宅に電話や郵便で連絡が来ますか?
-
受任通知を出したあとは直接の連絡は止まります。
そのため、家族に秘密のままで手続きができる可能性が高いです。
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-
はい。キャッシング・ショッピングの区別なく任意整理可能です。
- 任意整理をした後、ニコスに再びカードを作ることはできますか?
-
基本的に難しいですが、ブラック情報が消えれば再契約できる可能性はあります。
- ニコスの任意整理をすると家族カードはどうなりますか?
-
本会員のカードが解約されると家族カードも使えなくなります。
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まとめ
ニコスの任意整理は、将来の利息をゼロにし、60回以上の長期分割に応じてもらえるため、生活再建に非常に有効な手段です。
ただし、ニコス特有の「銀行保証による口座凍結リスク」には十分な注意と事前準備が必要です。
ニコスの自動車ローンや、ニコス保証の銀行・JAマイカーローンがある場合は、車の扱いや口座凍結にも注意が必要です。
デメリットを正しく理解し、事前にリスクを回避できれば、任意整理のメリットを最大限に活かすことができます。
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