銀行カードローンの債務整理|口座凍結・保証会社・住宅ローンへの影響

当サイトの記事は、司法書士 三浦永二(東京司法書士会/登録番号7300号)が執筆・監修しています。

銀行カードローンや銀行フリーローンも、任意整理・個人再生・自己破産の対象になります。

ただし、消費者金融やクレジットカード会社の借入とは違い、銀行借入には特有の注意点があります。

特に重要なのは、以下の3つです。

  • 銀行口座が凍結される可能性
  • 預金残高と借金が相殺される可能性
  • 保証会社や同じ銀行のローンに影響する可能性

銀行の借入は、単に「返済が苦しいから任意整理する」と判断すると、生活口座や給与振込口座に影響することがあります。

銀行を債務整理する際に必ず押さえておきたい3大リスクと、事前に取るべき対策を、司法書士の実務経験から解説します。

目次

銀行借入も任意整理・個人再生・自己破産の対象になる

銀行の借入も債務整理をする事はできますか?

銀行からの借入も問題なく債務整理をすることができます。

ただし、銀行からの借入では過払い金が発生することはありません。

銀行債務整理で選べる3つの手続き

銀行借入で選べる債務整理の手続きは、主に次の3つです。

  • 任意整理
    • 将来利息のカットや分割返済を交渉する手続き
    • 向いているケース:元金を3〜5年程度で返済できる場合
  • 個人再生
    • 裁判所を通じて借金を大幅に減額する手続き
    • 向いているケース:借金総額が大きく、住宅を残したい場合
  • 自己破産
    • 返済義務の免除を目指す手続き
    • 向いているケース:収入や家計状況から返済が難しい場合
任意整理
利息はカットされる
個人再生
借金が減額される
自己破産
借金を支払う必要がなくなる

どの手続きが適切かは、借入額・収入・財産・住宅の有無などによって変わります。詳しくは以下の記事で解説しています。

銀行借入では過払い金は発生しない(消費者金融・クレジットカードとの違い)

銀行は利息制限法の上限金利の範囲内で貸付を行っているため、過払い金は発生しません。

過払い金が発生する可能性があるのは、過去に消費者金融や一部のクレジットカード会社(信販会社)で借入をしていた人です。

銀行カードローンの場合は、どんなに古い取引でも過払い金返還の対象にはなりません。

銀行系のクレジットカード(例:三菱UFJニコス発行のカードなど)では、過払い金が発生する可能性があります。

これは、カードの発行元が銀行ではなく、信販会社になっているためです。

過払い金の対象になる取引・ならない取引については、以下の記事で詳しく解説しています。

銀行債務整理ならではの3大リスク

銀行カードローンの債務整理では、手続き前に確認すべきリスクがあります。

特に重要なのは、口座凍結・保証会社・同一銀行ローンへの影響です。

①口座凍結と預金との相殺

銀行を債務整理すると、その銀行の口座が一時的に凍結され、預金残高と借金が強制的に相殺されます。

給与振込や公共料金の引き落としに使っている口座が凍結されてしまうと、生活に直接影響します。

②保証会社経由で他社借入が巻き込まれる

銀行カードローンには保証会社(消費者金融や信販会社)が付いています。

銀行を任意整理すると、保証会社が銀行へ立替払いを行い、その後は保証会社と返済条件を交渉する流れになります。

このとき、保証会社と同じ業者から借入がある場合、その借入まで一緒に債務整理の対象になります。

③同一銀行の住宅ローン・自動車ローンへの波及

同じ銀行で住宅ローンや自動車ローンを組んでいる場合は、特に注意が必要です。

銀行カードローンだけを任意整理するつもりでも、同じ銀行内の他のローン契約に影響が及ぶ可能性があります。

住宅を守りたい場合や、車を残したい場合は、安易に同じ銀行の借入を任意整理の対象にせず、事前に慎重な確認が必要です。

①口座凍結と預金との相殺の仕組み

銀行カードローンを債務整理する場合、最も注意したいのが口座凍結です。

凍結期間は通知から1〜3か月

弁護士や司法書士が銀行へ受任通知(債務整理開始の通知)を送ると、その銀行の口座は1〜3か月程度凍結されます。

凍結期間中は、次のような状態になります。

  • 預金の引き出しができない
  • 給与振込や年金振込があっても、引き出せない
  • 公共料金やクレジットカードの引き落としができなくなる
  • ATM・ネットバンキングの利用も停止

凍結解除後は通常通り口座を利用できるようになります。

同一銀行の複数支店口座も凍結対象になる

同じ銀行で複数の口座を持っている場合、借入れをしている支店の口座だけでなく、同じ銀行内の別支店の口座も凍結対象になります。

例:三井住友銀行のA支店とB支店の両方に口座を持っている場合

三井住友銀行カードローンを任意整理した場合、A支店・B支店どちらの口座も凍結対象になります。

「カードローンを利用している支店とは別だから大丈夫」とは限りません。

同じ銀行名の口座は、支店が違っても事前に確認しておく必要があります。

預金残高と借金が相殺される具体例

凍結された口座に預金残高があると、銀行は預金と借金を相殺します。

借金100万円、預金残高30万円の場合

100万円 − 30万円 = 70万円

相殺後の70万円を任意整理の対象として手続きを進めることになります。

生活費として残しておきたかったお金でも、相殺によってカードローンの返済に充てられる可能性があります。

銀行カードローンを債務整理する前には、生活費・給与・年金・公共料金の引き落とし状況を確認し、対策を取っておく必要があります。

すでに保証会社へ移っている場合は新たな凍結リスクはない

銀行カードローンを長期間滞納していて、すでに保証会社から請求が来ている場合は、代位弁済が完了した状態です。

この段階で任意整理を行う場合、交渉相手は保証会社になります。

銀行へ新たに受任通知を送らないため、銀行口座が改めて凍結される心配は通常ありません。

現在の債権者や代位弁済の時期によって扱いが変わることがあるため、督促状の差出人を確認して判断します。

  • 保証会社名(アコム・SMBCコンシューマーファイナンス・三菱UFJニコス等)
    • 代位弁済済み
  • 債権回収会社名(アビリオ債権回収・セゾン債権回収・アルファ債権回収等)
    • 保証会社から債権回収会社(サービサー)へ譲渡された段階
    • 代位弁済済み

いずれの段階でも、給与振込口座や引き落とし口座として、その銀行の口座をそのまま使い続けて問題ありません。

判断が難しい場合は、督促状の差出人を教えてもらえれば判断いたします。

②保証会社経由で他社借入が巻き込まれる仕組み

保証会社には、消費者金融や信販会社がなることが多いです。

銀行カードローンを任意整理すると、銀行だけでなく、この保証会社との関係も問題になります。

銀行を任意整理して保証会社へ移る流れ

銀行を債務整理すると、次の流れになります。

STEP
司法書士・弁護士が銀行へ債務整理の通知を送る

任意整理を依頼すると、司法書士・弁護士が銀行へ受任通知を送ります。

STEP
銀行口座が一時的に凍結される

銀行に通知が届くと、口座が一時的に凍結され、借入金と預金が相殺されます。

STEP
保証会社が銀行へ借金を立て替えて支払う

銀行での処理が終わると、保証会社が銀行へ借金を立て替えて支払います。

これを代位弁済といいます。

STEP
以後は保証会社と返済条件を交渉する

代位弁済後は、銀行ではなく保証会社が交渉相手になります。

主要な銀行カードローンと保証会社の組み合わせ一覧

主な銀行カードローンの保証会社は以下の通りです。

銀行カードローン保証会社
三菱UFJ銀行(バンクイック)アコム
三井住友銀行カードローンSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)
みずほ銀行カードローンオリコ
paypay銀行カードローンSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)
アコム
楽天銀行スーパーローン楽天カード
三井住友カード
保証会社がないこともある
JAバンクカードローン三菱UFJニコス
ジャックス など

申込時には保証会社を意識していなかった人も多いですが、債務整理の段階では非常に重要な情報になります。

※保証会社は商品や時期によって変わることがあるため、契約書等で確認する必要があります。

保証会社の借入れも巻き込まれることがある

銀行カードローンを任意整理すると、保証会社から直接借りている別の借入にも影響することがあります。

三菱UFJ銀行バンクイックを任意整理する場合

アコムからも借入があれば、アコムの借入も一緒に任意整理することになります。

アコムが発行するクレジットカード(ACマスターカード等)の利用残高も対象に含まれます。

銀行カードローンを任意整理する場合は、その保証会社から借入れやクレジットカード利用がないかまで確認する必要があります。

逆方向(保証会社→銀行)は通常起こらない

ネット上では「保証会社を任意整理すると、保証先の銀行も巻き込まれる」と説明しているサイトもあります。

しかし、銀行に滞納がなければ保証会社単体の任意整理で銀行口座が凍結されることはほぼありません。

アコム単体を任意整理する場合

三菱UFJ銀行に滞納がなければ、UFJ側で代位弁済が実行されることはなく、口座凍結も発生しません。

なぜ逆方向は巻き込まれないのか

代位弁済が発動するのは、原則として銀行ローン自体の返済が滞り、期限の利益を失った場合です。

保証会社側の別債権を任意整理しただけで、自動的に銀行ローンの代位弁済が行われるわけではありません。

私が依頼を受けた中でも、アコム単体・プロミス単体・オリコ単体といった任意整理を多数取り扱ってきました。

その中で銀行に滞納がない状態で銀行口座まで凍結された事例はありません。

銀行に滞納がある場合は代位弁済される

銀行カードローン自体をすでに2〜3か月以上滞納している場合は、任意整理の有無に関係なく、「滞納により」保証会社が代位弁済を行います。

滞納が続くと「期限の利益」を失い、銀行が残額の一括請求や保証会社への請求を進めるためです。

この場合は、銀行口座の凍結・預金との相殺が発生します。

【例外】ニコスを任意整理すると保証先の銀行も巻き込まれる

通常、保証会社側の借入れを任意整理しても、銀行カードローンに滞納がなければ、銀行口座まで影響することはありません。

しかし、三菱UFJニコス(ニコス)だけは例外です。

ニコスを任意整理すると、銀行への滞納がなくても、ニコスが保証している銀行まで連動して代位弁済され、銀行口座が凍結されます。

ニコスを任意整理する場合は、次の点を確認しておく必要があります。

  • ニコスが保証している銀行借入がないか
  • 給与振込口座がその銀行になっていないか
  • 公共料金や家賃の引き落とし口座になっていないか
  • 預金残高が残っていないか
  • 同じ銀行で住宅ローンや車のローンがないか

ニコスのカードだけを整理するつもりでも、保証関係によって銀行側に影響する可能性があります。

そのため、ニコスを任意整理する場合は、他のカード会社よりも慎重に確認する必要があります。

ニコスが保証している主な銀行・ローン商品

  • 三菱UFJ銀行の一部商品
  • JAバンクのカードローンの一部
  • その他、地方銀行のカードローンでも保証提携多数あり
  • auPAYカード

ニコスを任意整理する際の詳しい注意点は、以下の記事で解説しています。

ケース銀行に滞納なし
銀行を任意整理保証会社の借入も巻き込まれる
保証会社を任意整理銀行は巻き込まれない
ニコスを任意整理ニコス保証の銀行も巻き込まれる

③住宅ローン・自動車ローンを同じ銀行で組んでいる場合の注意点

任意整理する銀行と同じ銀行で住宅ローンや自動車ローンを組んでいる場合、これらのローンも巻き込まれる可能性があります。

住宅や車を失うことに直結するため、特に慎重な判断が必要です。

期限の利益喪失条項による一括請求リスク

住宅ローンや自動車ローンの契約書には、ほぼ例外なく「期限の利益喪失条項」が含まれています。

この条項により、同じ銀行内で債務整理を行うと、他のローンについても期限の利益が喪失し、一括返済を求められる可能性があります。

  • 住宅ローン:一括返済を求められ、応じられないと自宅が売却される恐れ
  • 自動車ローン:一括返済できなければ車を引き上げられる恐れ
  • 保証人付きローン:保証人に請求が及ぶ

住宅を守りたい場合の対応策

住宅ローンを残したまま借金問題を解決したい場合は、以下のような選択肢があります。

  • 住宅ローンを組んでいる銀行のカードローンは整理対象から外す
  • 個人再生(住宅資金特別条項)を利用し、住宅を守りながら他の借金を大幅減額する

まず同じ銀行のカードローンを任意整理の対象から外せないか検討します。

他社の消費者金融やクレジットカードだけを任意整理し、住宅ローンと同じ銀行の借入には触れない方法です。

ただし、家計全体で返済可能な計画になっていなければ、対象から外しても解決になりません。

住宅を守ることだけを優先して無理な返済計画を組むと、後から返済が続かなくなる可能性があります。

STEP
住宅ローンと同じ銀行にカードローンやフリーローンがないか確認する

住宅ローンと同じ銀行に、カードローン・フリーローン・目的別ローンなどの借入がないか確認します。

STEP
同じ銀行の借入を対象から外して、他社借入だけで任意整理できるか検討する

住宅ローンへの影響を避けるため、同じ銀行の借入には触れず、他社借入だけで返済計画を立てられるか確認します。

STEP
任意整理では返済が難しい場合、個人再生を検討する

他社借入だけを任意整理しても返済が厳しい場合は、住宅を残せる可能性がある個人再生を検討します。

STEP
住宅維持が難しい場合は、自己破産や任意売却も含めて現実的に検討する

収入や家計状況から住宅ローンの継続が難しい場合は、自己破産や任意売却も含めて生活再建を優先します。

個人再生(住宅資金特別条項)の活用

借金額が大きく、任意整理では対応しきれない場合でも、住宅を守る道があります。

それが、個人再生の住宅資金特別条項です。

これを利用できると、住宅ローンはそのまま支払い続けながら、他の借金を5分の1〜10分の1程度まで減額できます。

債務整理前に必ずやっておくべき対策

銀行カードローンを債務整理する前には、口座凍結と預金相殺に備えた準備が必要です。

準備をせずに手続きを始めると、生活費や給与が引き出せなくなる可能性があります。

預金は事前に全額引き出す

銀行を債務整理の対象にする場合、その銀行口座の預金は通知前に全額引き出しておく必要があります。

口座凍結後は、預金残高が借入金と相殺される可能性があります。

任意整理を依頼後の引き出しでも問題ありません。

預金引き出しを終えた後に手続きに着手することができます。

給与・年金の振込口座を別銀行に変更する

給与や年金の振込口座を、債務整理対象の銀行に指定している場合は、事前に別銀行へ振込先を変更しておきます。

振込先を変更しないまま手続きを開始すると、給与や年金が口座に入っても引き出せず、生活に深刻な影響が出ます。

勤務先や年金事務所への振込口座変更手続きには時間がかかることがあるため、早めに動くことをおすすめします。

任意整理を依頼後の変更でも問題ありません。

振込先の変更後に手続きに着手することができます。

給与振込口座を変更できない場合は、その銀行を任意整理の対象から外し、他社借入だけを整理する方法もあります。

実際の判断例は、以下の解決事例で紹介しています。

公共料金・クレジットカードの引き落とし口座を変更する

公共料金、家賃、携帯電話料金、保険料、クレジットカードなどの引き落とし口座も変更が必要になります。

  • 別銀行の口座から引き落とし
  • コンビニ払いに切り替え

引き落とし不能が続くと、サービスが停止されたり、別の支払い遅延として信用情報に影響する可能性もあります。

銀行カードローンを任意整理するメリット・デメリット

銀行カードローンを任意整理するメリットはあります。

ただし、消費者金融やクレジットカードの任意整理と同じ感覚で考えると、思わぬデメリットが出ることがあります。

メリット|利息カットで返済総額・月額が減る

銀行カードローンを任意整理すると、将来利息をカットして、元金を分割返済する形で和解できる可能性があります。

たとえば、銀行カードローンの残高が120万円ある場合

60回払いで和解できれば、月々の返済額は約2万円になります。

利息がカットされれば、毎月返済した分だけ元金が減っていき、返済の終わりが見えやすくなる点も、任意整理の大きなメリットです。

また、司法書士や弁護士が受任通知を送ると、原則として直接の督促は止まります。

督促や電話連絡が止まることで、精神的な負担が軽くなる方も多くいます。

利息がなくなるメリット
任意整理前
半分が利息の支払い
任意整理後
返済した金額の分だけ元金が減っていく

任意整理の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。

デメリット①|信用情報への事故情報登録(完済後5年程度)

任意整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」状態になります。

期間は任意整理中+完済から約5年です。

この間は次のことができなくなります。

  • 借入
  • クレジットカードの新規作成
  • 住宅ローン・自動車ローンの審査
  • スマホ端末の分割払い

ブラックリストに載ることを理由に、任意整理をためらう方は少なくありません。

しかし、返済が難しい状態を放置すると、滞納によりブラックリストの登録がされる可能性があります。

また、その後も放置していると訴訟、差押えへ進むリスクもあります。

任意整理中+完済から5年間
ブラックリストに登録される
任意整理中
完済後5年影響が残る

ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。

参考元:信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

デメリット②|毎月の返済額が思ったほど減らないことがある

銀行カードローンで借入額が多く、もともと毎月の返済額が少ない場合、任意整理をしても毎月の返済額があまり減らないことがあります。

借入残高が180万円ある場合

36回払いでは月々5万円の返済が必要です。

現在の最低返済額が3万円程度だった場合、任意整理後の方が月額が上がることもあります。

任意整理は、利息を止めて完済を目指す手続きなので、借金そのものを大きく減額する手続きではありません。

借入額が大きい場合や、毎月の返済余力が少ない場合は、任意整理だけで解決できないことがあります。

任意整理前に確認すべきポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理で解決が難しい場合は個人再生・自己破産も検討

毎月の返済が任意整理後でも厳しい場合や、借金総額が大きい場合は、個人再生や自己破産の検討も必要です。

  • 個人再生:元金そのものを5分の1〜10分の1に減額できる
  • 自己破産:返済義務がすべて免除される

任意整理・個人再生・自己破産のどれを選ぶべきかは、以下の記事で詳しく解説しています。

銀行債務整理手続きの流れ

銀行カードローンを債務整理する場合は、事前準備が非常に重要です。

特に、口座凍結前の対応を間違えると、生活費や給与が引き出せなくなる可能性があります。

STEP1|相談・現状ヒアリング

まず、借入状況・収入・家計・口座の利用状況を確認します。

確認する内容は、次のとおりです。

  • 借入先の銀行名
  • 借入残高
  • 滞納の有無
  • 保証会社
  • 給与振込口座
  • 年金振込口座
  • 公共料金や家賃の引き落とし口座
  • 同じ銀行の住宅ローン・車ローンの有無
  • 保証会社からの別借入の有無

銀行カードローンでは、借入先だけでなく、口座の使い方まで確認する必要があります。

STEP2|事前準備

銀行を任意整理の対象にする場合は、受任通知を送る前に事前準備を行います。

主な準備は次のとおりです。

  • 預金残高がある
    • 借入金と相殺される可能性があるため、事前に引き出しを検討する
  • 給与・年金の振込口座にしている
    • 凍結中に入金されても引き出せない可能性があるため、別銀行へ変更する
  • 公共料金・家賃・携帯料金などの引き落としに使っている
    • 引き落とし不能を防ぐため、別口座や別の支払方法へ変更する

この準備をせずに手続きを始めると、口座凍結によって生活に支障が出る可能性があります。

STEP3|受任通知の送付

事前準備が終わったら、司法書士や弁護士が銀行へ受任通知を送ります。

受任通知が届くと、原則として本人への直接の督促は止まります。

ただし、銀行の場合は受任通知後に口座凍結や相殺処理が行われます。

そのため、受任通知を送るタイミングは慎重に判断する必要があります。

STEP4|口座凍結・預金との相殺処理

受任通知後、銀行口座が一時的に凍結されます。

口座に預金残高がある場合、その預金は借入金と相殺されます。

相殺後、残った借入について、保証会社が銀行へ代位弁済を行います。

STEP5|保証会社との和解交渉・分割返済開始

代位弁済後は、保証会社と返済条件を交渉します。

任意整理では、将来利息のカットや分割回数について交渉します。

和解が成立すると、合意した金額を毎月返済していきます。

一般的には3年から5年程度の分割返済が多いですが、保証会社や借入状況によって異なります。

銀行カードローンの任意整理も、基本的な流れは通常の任意整理と同じです。

相談から和解、返済開始までの詳しい流れや期間は、以下の記事で解説しています。

よくある質問(FAQ)

銀行カードローンも任意整理できますか?

銀行カードローンも任意整理できます。ただし、銀行口座の凍結、預金相殺、保証会社への代位弁済など、消費者金融やクレジットカード会社とは違う注意点があります。

銀行口座は必ず凍結されますか?

銀行カードローンを債務整理の対象にすると、その銀行の口座が凍結されます。ただし、すでに保証会社へ代位弁済済みで、現在の請求先が保証会社や債権回収会社になっている場合は、銀行へ新たに受任通知を送るわけではないため、改めて口座凍結されることはありません。

口座凍結されると給与はどうなりますか?

給与振込口座が凍結されると、給与が入金されても引き出せない可能性があります。そのため、銀行カードローンを債務整理する前に、給与振込口座を別の銀行へ変更しておくことが重要です。

債務整理で口座が凍結されたら、解除までどれくらいかかりますか?

一般的に1~3か月で解除されますが、預金と借金は相殺されます。

銀行口座に公共料金の自動引き落とし設定がある場合どうすればいいですか?

債務整理手続き前に預金を引き出し、振込・引き落とし口座を変更しておきましょう。

債務整理をすると家族名義の口座も凍結されますか?

通常、債務整理の影響を受けるのは本人名義の口座です。家族名義の口座が当然に凍結されるわけではありません。ただし、本人名義の口座で家族の生活費を管理している場合は、口座凍結によって家族の生活に影響することがあります。

債務整理手続き中に銀行から督促や連絡が来ることはありますか?

基本的には弁護士や司法書士が手続き開始を通知すると、直接の督促は止まります。

まとめ|銀行特有のリスクを踏まえた早めの相談が重要

銀行カードローンやフリーローンも、債務整理は可能です。

ただし、消費者金融や信販会社の債務整理にはない、銀行特有の3大リスクがあります。

  • 口座凍結と預金との相殺
  • 保証会社経由で他社借入が巻き込まれる
  • 同一銀行の住宅ローン・自動車ローンへの波及

特に住宅ローンや自動車ローンを同じ銀行で組んでいる場合、判断を誤ると住宅や車を失うことにもなりかねません。

一方で、すでに保証会社や債権回収会社へ債権が移行している場合は、新たな口座凍結リスクはなく、安心して任意整理を進められます。

銀行の借入だから債務整理ができないということはありません。

「どの銀行口座を使っているか」「保証会社がどこか」「住宅ローンや車のローンが同じ銀行にないか」まで確認することが大切です。

当事務所では、銀行の任意整理については、口座凍結や保証会社の影響を確認したうえで、手続きを進めるかどうかを判断しています。

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