イオンカードで過払い金が発生する条件とデメリットを司法書士が解説

  • イオンで過払い金が発生する条件は?
  • 過払い金が返金されるまでの期間
  • 過払い金請求のデメリットを知りたい

イオンカードでキャッシングの取引をしていた人は過払い金の対象になる可能性があります。

しかし、すべての人が過払い金の対象になるわけではありません。

イオンで過払い金の対象になる取引と、請求への対応や回収までの期間、デメリット等を解説します。

参考元:詳細-法テラス

信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

目次

イオンで過払い金請求の対象になる条件

イオンカードで過払い金が発生する条件を教えてください

過払い金は法律の制限よりも高い利息でキャッシングで取引をしていたのであれば発生します。

イオンは2007年3月11日に過払い金が発生しない金利に見直しているため、2007年3月10日以前から取引があった人だけ過払い金が発生する可能性があります。

ショッピングでは過払い金は発生しません。

過払い金が発生するのは法律以上の利息を支払っていた人だけです。

利息制限法の金利の上限
10万円未満の借入20%まで
10万円以上~100万円未満の借入18%まで
100万円以上の借入15%まで

過払い金の対象になる取引期間

イオンは2007年3月10日までは法律以上の利息だったので、2007年3月10日以前から取引があった人は過払い金が発生している可能性があります。

逆に言うと2007年3月11日以降に借り始めた人は過払い金の対象にはなりません。

過払い金の対象はキャッシングだけ

クレジットカードのショッピングリボ等も長期に渡って利息を支払うので過払い金の対象になるのでは?

と思う人が多いですが、過払い金の対象になるのはキャッシング取引のみです。

ショッピングの取引では何年取引を継続していても過払い金は発生しません。

まとめると、2007年3月10日以前からキャッシングを行っていた人だけ、過払い金が発生する可能性があります。

返済をすることが難しい状況の人は任意整理をして、利息をなくして元金だけの分割払いにして返済を楽にすることができます。

過払い金請求への対応

イオンの過払い金請求への対応を教えてください

イオンの対応は良心的で、裁判をしなくても過払い金の元金の返金に応じてもらえることがあります。

利息まで回収したい、取引の分断等の争点を争うとなると裁判が必要になります。

取引履歴を取り寄せたら計算をして、算出された金額を請求します。

和解提案

請求してから2~3週間ぐらいでイオンから和解の提案がきます。

和解提案
  • 過払い金元金の90~100%
  • 3~5か月後の返金

返還される割合

イオンは裁判をしなくても過払い金の元金は全額を回収することも可能な業者です。

貸金業者の中には過払い金元金の半分程度の和解提案しかださない業者もあるので、イオンは良心的な業者と言えます。

しかし、過払い金には年5%の割合で利息が発生しますが、利息を回収するには裁判が必要になります。

返還期間

和解から3~5か月後の返還になります。

和解から返還までの期間は少し遅めです。

取引履歴の取り寄せに1~2か月、和解から返還まで3~5か月なので、裁判をしないで回収する場合、依頼から返還までは4~7か月かかることになります。

イオンの訴訟対応

イオンに裁判をするとどうなりますか?

争点等がなければ判決になることは少なく、早い段階で過払い金の利息まで含めた金額で和解に至ることが多いです。

イオンは裁判をしなくても過払い金の元金は回収できる業者なので、裁判をするのは主に利息を回収するケースです。

裁判をしても訴訟提起から1~3か月ぐらいで、利息含めた金額を支払うという内容の和解の提案がくることが多く、判決になることは少ないです。

和解から過払い金返還までの期間も2か月~4か月ほどです。

取引履歴の取り寄せに1~2ヵ月かかるので、裁判で回収するケースでの期間は、依頼から返還までは4~10ヵ月ほどかかることになります。

過払い金請求の注意点

イオンへ過払い金請求をするにあたりデメリット等はありますか?

通常は過払い金請求をした会社のカードは解約になります。

しかし、イオンは過払い金請求先の会社とカード発行会社が異なるため、過払い金請求をしてもカードが継続して利用できる可能性があります。

イオン銀行で借入があり、支払いに遅れ等があると保証を実行されてブラックリストに登録される可能性があります。

デメリット
  • イオン銀行の借入に滞納があるとブラックリストに登録される可能性あり
  • 時効になると回収することはできない

イオンカードは解約にならない

通常は請求をした会社のクレジットカードは解約になります。

イオンカードはイオン銀行が発行していますが、過払い金はイオンフィナンシャルサービスへ請求します。

イオン銀行とイオンフィナンシャルサービスは同じイオングループですが、別の会社です。

別会社のためイオンフィナンシャルサービスへ請求をしてもイオン銀行が発行しているイオンカードはそのまま利用することができます。

ただし、イオンカードでの支払いに滞りがあると、過払い金を請求した際に保証を実行されてイオンカードも解約になる可能性があります。 

イオンカードの支払いに遅れがなければ、過払い金請求をしてもイオンカードは解約にならずに利用を続けることができます。

イオン銀行から借りている場合

銀行のカードローン等ではリスク管理の観点から、保証会社をつけるのが一般的です。

イオン銀行の保証会社はイオンクレジットサービスが行っています。

イオン銀行からの借入を滞納している状態でイオンに請求をすると、保証が実行されてブラックリストに載ってしまう可能性があります。

イオン銀行から借入があっても、支払いに滞りがなければ、過払い金だけの回収を行うことができます。

時効に注意が必要

イオンカードは以前はイオンクレジットが発行していましたが、2013年4月1日以降の借入についてはイオン銀行に自動で切り替わっています。

2013年3月31日以前に借り入れた借金の返済先は、イオンクレジットのままです。

現在もイオンカードで取引をしていても、ほとんどの人はイオンクレジットとの取引は終了しています。

イオンクレジットの完済から10年が経過すると、過払い金は時効になり回収ができなくなるので、現在イオンカード利用中の人も注意が必要です。

過払い金請求の流れ

過払い金請求の手続きはどのような流れで行われるんですか?

まずはイオンから取引履歴という資料を取り寄せて、過払い金の計算をします。

取引履歴はイオンへ請求後1ヵ月~2ヵ月ほどで送付されます。

計算後、その金額をイオン請求して和解や裁判をして過払い金を回収します。

請求の手続きは以下の流れで行います。

STEP
取引履歴の取り寄せ

イオンへ受任通知を送付して、取引履歴を取り寄せます。

取引履歴には過去の借入や返済がすべて記載されているので、取引履歴を基に計算を行います。

STEP
過払い金の請求or裁判

請求書を送付して交渉をするか、裁判をして回収を目指します。

STEP
和解or判決

裁判をしたケースでも折り合いがつけば和解をすることになり、金額等で折り合いがつかないと判決になります。

STEP
返金

和解した返還日か、判決で決められた日にイオンから過払い金が返還されます。

取引履歴の取り寄せにかかる期間

過払い金の計算をするには、まずは過去の取引の履歴を取り寄せる必要があります。

イオンへ取引履歴の取り寄せを請求すると1か月~2か月ほどで取引履歴が送付されてきます。

他の会社で取引履歴を取り寄せるには、平均2週間ほどで送付されるので、イオンは取引履歴の取り寄せには時間がかかります。

しかし、その後の対応は良好な会社です。

まとめ

イオンの過払い金の返還内容
  • 過払い金元金の90~100%
  • 3~5か月後の返金
デメリット
  • イオンカードは基本的には解約にならない
  • イオン銀行の借入に滞納があるとブラックリストに登録される可能性あり
  • 時効になると回収することはできない

イオンは過払い金を請求してもあまり減額を求めることなくきっちりと返還してくれる会社です。

ただ、取引履歴の送付や和解から返還までの期間が長く、依頼から回収までは時間がかかる業者です。

また、クレジットカードを利用している場合や、イオン銀行からの借入がある場合は注意が必要になります。

現在カードを利用中の人でも、カードが切り替えられた影響で、時効になっていることが多くなっています。

そのため、なるべくは早めに相談をすることをおすすめします。

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