- 過払い金請求をすることでリスクはあるのか?
- 過払い金請求をしないことで発生するデメリットは?
過払い金を請求するとなんとなくブラックリスト等のデメリットがありそうで・・・なかなか請求に踏み込めなかったというお話しをよく聞きます。
基本的には過払い金請求でデメリットが発生することはほとんどありません。
しかし取引の状態によっては見落としがちな落とし穴があります。
では、どのような状態で過払い金請求するとデメリットがあるのか?そのリスクはどうすれば回避できるのか?
デメリットがある場合でも、あなたにとってはデメリットとは感じられないかもしれません。
また、正しい情報があればデメリットを回避してデメリットなく請求できることもあります。
過払い金請求の落とし穴
- 過払い金請求のリスクを教えてください
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過払い金請求をしたカードが解約になるということです。
ただし、完済している場合はブラックリストには登録されないため、別の会社のカードには影響はありません。
しかし、借入が残っている状態で請求する場合は注意が必要になります。
カード解約
過払い金請求をするカードは解約になりますが、ブラックリストには登録されません。
ただし、過払い金を回収した会社で再度カードを作成するのは難しいと言われています。
カード会社によっては再度の審査の上でカードを作成できることもあるので絶対に再作成ができないわけではないようです。
借金が残っている場合はブラックリストの可能性あり
借入が残っている状態で過払い金請求をする場合、利息を法律内の利息に見直しての計算=引き直し計算を行います。
計算の結果、借金が0円になって過払い金が発生していればブラックリストに登録されません。
(貸金業者により手続き中は一時的に登録される可能性はあります)
ショッピング利用中だとブラックリストの可能性あり
過払い金が発生していても、ショッピング利用の残金があると、過払い金とショッピング残金とで相殺されることになります。
ショッピングの残金よりも過払い金のほうが多ければ、相殺後の金額を回収することになり、ブラックリストには登録されません。
(貸金業者により手続き中は一時的に登録される可能性はあります。)
過払い金請求の落とし穴の回避方法
過払い金の計算の結果、借金が残るとブラックリストの登録されて、借金がなくなる場合はブラックリストに登録されません。
取引履歴を取得して引き直し計算を行うことで、事前に過払い金が発生するかどうかを確認することができます。
- 計算をした結果、借金がなくなり過払い金が発生しているなら請求を行う
- 計算をしても過払い金が発生せず、借入が残る場合は請求をしない
上記のように事前に過払い金があるか計算をすることで、ブラックリストのリスクを回避することができます。
ショッピングの残金がある場合も、取引履歴を取得し事前に過払い金の計算することで、ブラックリストのリスクを回避することができます。
- 計算をした結果、過払い金でショッピングの残金を全て相殺できるなら請求を行う
- 計算をしてもショッピングの残金を相殺できず、借入が残る場合は請求をしない
過払い金請求をしないことで発生する落とし穴
- 過払い金が時効になる
- 貸金業者が倒産すると過払い金の回収はできなくなる
- カードが利用できると再度借入してしまう可能性がある
過払い金が時効になる
- 過払い金請求をしないことによるデメリットはありますか
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過払い金には時効があり、借金を完済してから10年経過すると時効になり過払い金を回収することはできなくなります。
また、貸金業者が倒産すると過払い金を回収することはできなくなります。
過払い金が時効や倒産で回収できなくなってしまう人は多いので、過払い金請求は早めにするべきです。
完済から10年経ってしまうと、返金してもらえるはずの過払い金が時効で取り戻すことができなくなります。
取引の途中で一度完済して再度の借入までに1年以上の間が空いている場合等は、途中完済時点から10年経っている過払い金が時効になることがあります。
例えば2003年から借入を始め、2011年に完済し、2012から再度借り入れを行った場合
2011年の完済から10年経過しているため、2011年までに発生した過払い金が時効になる可能性があります。
そのため、過払い金請求はなるべく早く行ったほうがリスクは少なくなります。
※2020年4月1日以降に発生した債権については、過払い金が請求できると知った時から5年経った場合にも過払い金の時効が成立することになりました。
しかし2020年4月以前に完済している場合はこの「知ったときから5年」は適用されません。
貸金業者の倒産
過払い金請求が大量に行われるようになって、多数の貸金業者が倒産しています。
倒産した貸金業者からは、過払い金が回収できることはほとんどありません。
債権譲渡等により、別の会社に債権が移っている場合は譲渡先の会社へ過払い金請求ができることがあります。
また借りてしまう可能性
完済してもカードをそのまま持ち続けていると、簡単に利用できることから再度借り入れをしてしまう可能性があります。
過払い金請求を行うとカードは解約になり、再度カードを作るにしても、申し込みや審査という手間がかかります。
過払い金請求は早くしたほうがリスクは少ない
完済から10年の時効を迎えるか、貸金業者が倒産するまでは過払い金請求をすることができます。
しかし、過払い金請求に対する貸金業者の対応は年々厳しくなってきています。
数年前までは裁判などしなくても過払い金をキッチリ返してくれていた業者が、裁判をしないとまともに返還に応じないこともあります。
また、裁判をしたとしても裁判上の業者側の主張も増えてきており、簡単には過払い金を取り戻せなくなってきているのが現状です。
会社が倒産する可能性もありますし、今後も貸金業者の過払い金請求への対応は厳しくなっていくことが予想されます。
事務所選びで失敗すると起きること
ほとんどの弁護士、司法書士の事務所では誠実に業務を行っていますが、中には評判の悪い事務所もあります。
- 過払い金の回収が遅い
- 回収金額が少ない
- 費用が高い
このようなデメリットが発生する可能性があります。
評判の良くない事務所への依頼を回避するには
テレビやラジオで大々的にCMをしているような一部の大手事務所で上記のような悪い評判を聞くことがあります。
- 大々的にCMをしていることで大量に依頼を受け、その依頼をこなしきれずに過払い金の回収に遅れがでてしまう。
- 回収に遅れがでているのを取り戻そうとするあまり、交渉に時間をかけることができなくなり、回収金額が少なくなる。
- 多額の広告費をかけていることで費用が高くなる。
すべての大手事務所が評判が悪いわけではなく、大手の事務所でも回収が早く、回収金額も少ない事務所もあります。
良くない事務所へ依頼してしまったら
依頼後も訴訟進行前や和解前の早めの段階であれば、手続きをキャンセルして他の事務所に依頼をし直すことも可能です。
しかし、中にはそこまでの費用をとられることもあるので、この点は事前に確認すべきです。
別の事務所へ依頼し直せたとても、手続きは最初からやり直しになります。
それでも手続きが遅い事務所に比べれば、別の事務所へ依頼してしまった方が、結局早く解決できる結果になることもあります。
過払い金請求の費用相場
過払い金請求を専門家に依頼する場合の費用は、どこの事務所でも同じ料金ではありません。
一定の制限はありますが、後は事務所後ごと事由に費用を設定することができます。
着手金や基本成功報酬、成功報酬のように回収額に応じてとられる費用、通信費等の雑費がありますが、一般的には下記のような費用が必要になります。
- 基本成功報酬=0~3万円
- 成功報酬=20%以下、裁判の場合25%以下
- 減額報酬=0~10% ※借金が残っている状態での過払い金請求の場合のみ
ほとんどの弁護士や司法書士の事務所では、費用は回収した過払い金から清算することにしています。
報酬によってどのぐらい返金額に違いがでるか
過払い金を100万円回収した場合の返金額の違いを見ていきます。
基本報酬5万円、成功報酬=回収額の25%の事務所の場合
100万円ー5万円ー25万円=70万円が手元に戻ってくる
基本報酬や着手金なし、成功報酬のみで回収額の20%の事務所の場合
100万円ー20万円=80万円が手元に戻ってくる
同じ100万円を回収した場合、10万円も返金される金額に差がでてしまいます。
自分で過払い金請求をするという方法もある
過払い金請求を行うには、弁護士や司法書士の専門家に依頼せず、個人で請求を行うこともできます。
弁護士や司法書士に依頼せず、個人で請求をするなら費用は発生しません。
しかし、専門家に依頼せずに過払い金請求をする場合にもデメリットがあります。
手間がかかる
専門家を通さず自分で過払い金請求を行うデメリットしては、非常に手間がかかるということです。
過払い金請求には上記の手続きが必要になりますが、専門家へ依頼した場合には、上記の手続きすべてを専門家が行います。
貸金業者との交渉が難しくなる
個人の人が貸金業者と交渉を行った場合、専門家が交渉を行った場合と比べ、貸金業者との交渉は難しくなります。
というのも、貸金業者は専門家でない個人からの交渉の場合、不当に低額な金額でしか和解に応じないことが多いからです。
過払い金請求をしていることが家族にばれてしまう
弁護士や司法書士に依頼をした場合は、貸金業者との連絡や書類のやりとりはすべて専門家が行います。
本人への連絡は禁止されるので、貸金業者から本人に電話がかかってきたり郵送物が届くことはありません。
本人で過払い金請求を行う場合は、貸金業者からの連絡も本人の電話にきますし、郵送物も本人の自宅に届くことになります。
まとめ
弁護士や司法書士へ過払い金請求を依頼すると、費用がかかるというデメリットがあります。
しかし、専門家へ依頼せずに個人で過払い金請求を行うと手間もかかりますし、家族にばれてしまう可能性もあります。
さらに不当に減額された金額しか回収できない結果になってしまう可能性があります。
銀行取引への影響
- 過払い金請求をして銀行との取引に影響がでることはありませんか?
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銀行の借入には保証会社が付きますが保証会社と過払い金請求をする会社が同じ会社だと保証を実行されて、ブラックリストに登録される可能性があります。
銀行からの借入がなければ関係がないです。
銀行からの借入があっても、保証会社が過払い金請求をする会社と別の会社であれば関係ありません。
消費者金融や信販会社が銀行のカードローン等の保証をしている場合があります。
アコムなら三菱東京UFJ銀行、プロミスなら三井住友銀行、オリコならみずほ銀行の保証をしています。
保証を実行されるとブラックリストに載る
過払い金請求をする業者と銀行の保証会社が同じ場合、保証が実行される可能性があります。
この保証を実行された時点でブラックリストに登録されます。
保証が実行されると銀行の借り入れを保証会社が変わりに銀行へ支払い、今後銀行の借り入れ分の返済は保証会社に対してすることになります。
- 銀行から借入していなければ問題はない
- 銀行からの借入があっても、過払い金請求をする業者と銀行の保証会社が別の会社の場合も問題なし
保証を実行される原因
ではどのような場合に保証は実行されるのか?
過払い金請求する業者と銀行の保証会社が同じ場合で、銀行借入の返済が滞っていると保証を実行されてしまう可能性があります。
銀行の支払いは滞りなく行っている場合は保証は実行されない可能性が高いです。
銀行を完済していれば、当然ですが保証を実行されることはありません。
保証の実行を回避する方法
銀行の返済が遅れなく返済していれば保証が実行される可能性は低いです。
しかし、一番安全な方法は銀行を完済した後に請求を行うことです。
- 銀行の支払いに滞りなければ請求する
- 1番安全な方法は銀行の借り入れを完済後に請求すること
保証人がついている場合
- 保証人をつけて借りた借金でも過払い金は発生することはありますか?
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保証人がついている借金であっても、過去に法律以上の利息での取引があったのであれば過払い金は発生します。
完済していれば保証契約も関係ないので、保証人に迷惑がかかることもありません。
借金が残っている場合は保証人に請求がいってしまう可能性があります。
保証人をつけていた借金でも、過払い金は発生する可能性がありますが保証人にデメリットが発生する可能性があります。
保証人へデメリットが発生するかは、借金を完済している場合と、借金が残っている場合とで異なります。
保証人に迷惑をかけない方法
完済した後に過払い金請求を行う場合、既に借金がない以上は保証人へ連絡が行くことはありません。
保証人に迷惑をかけずに過払い金請求をすることができます。
完済をしていなく、利息を見直して引き直し計算を行っても借金が残る場合は、任意整理になるので基本的には保証人へ請求がいきます。
借金が残っている場合でも、利息を見直して引き直し計算を行うと過払いになる場合は、請求しても保証人に連絡が行く可能性は低いです。
ただし、貸金業者は引き直し計算前の金額を保証人へ請求することができるので、保証人に連絡が行ってしまう可能性があります。
回収方法ごとのメリットとデメリット
- 貸金業者へ請求書を送付して、話し合いで返還してもらう方法
- 裁判所へ訴えを提起して、和解か判決によって回収する方法
過払い金の回収方法には上記の方法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
裁判をしないメリットとデメリット
裁判をしないで過払い金を返還してもらう場合のメリットとしては、裁判をした場合と比べて返還までの期間が早いことです。
裁判をしない場合のデメリットとしては裁判をした場合と比べて交渉に限りがあり、返還金額が少なくなることです。
- メリット=過払い金の回収が早い
- デメリット=回収金額が少ない
裁判をするメリットとデメリット
裁判をして過払い金を回収する場合のメリットは、過払い金の利息まで全て回収することができるので、回収金額が多くなることです。
裁判をする場合のデメリットとしては、回収までの期間が長くなってしまうことです。
- メリット=回収金額が多い
- デメリット=回収が遅い
過払い金回収方法のまとめ
裁判をした場合と、しない場合のメリットとデメリットは以上です。
取引の内容や相手方の業者によっては裁判をしなくても過払い金全額を返還してくれることもありますし、裁判をしたほうが回収が早いという場合もあります。
まとめ
過払い金請求をするカードは解約になりますが、完済後の請求ではブラックリストに登録されることはありません。
完済していなく返済中の場合も、引き直し計算の結果で過払い金が発生する場合はブラックリストに登録されずに過払い金を回収できます。
(一時的にブラックリストに登録される可能性はある)
引き直し計算をしても、借金が残ってしまう場合は過払い金請求ではなく債務整理になり、ブラックリストに登録されます。
返済中の場合にブラックリストの登録を回避するためには、事前に過払い金が発生しているのか?借金が残るのか?を調査する方法があります。