相談の際に「どんな流れで手続きが進むのか」「何に注意すればいいのか」「専門家に依頼するべきか」など、よく質問をされます。
この記事では、過払い金請求の基本的な流れをステップごとに分かりやすく解説します。
はじめての方でも安心して手続きを進められるよう、必要な情報を網羅しています。
- 過払い金請求の進め方を知りたい
- まず何から始めれば良いか分からない
- 失敗やトラブルを避けたい
という方は、ぜひ最後までご覧ください。
過払い金請求の全体の流れ【一覧】
- 過払い金請求の依頼はどのような流れで進められますか?
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まずは弁護士や司法書士の事務所に相談の電話をすることから始まります。
事務所によってはメールやLINEでの相談も受け付けています。
電話相談の後は、弁護士や司法書士の事務所で面談をすることになります。
過払い金請求の全体像・ステップ一覧
過払い金請求の事前準備と相談のポイント
- 電話相談ではどのようなことを聞かれますか?
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どこから借りていたのかと、借り始めた時期、完済しているなら完済した時期、最低でもこれらは確認されます。
取引年数がわかれば過払い金が発生しているかどうか、ある程度見極めることができます。
- 借入先の会社は自分で調べる必要がある
- 取引年数は大体の年数でも良い
弁護士・司法書士事務所への相談方法と必要な情報
電話またはメールで相談を開始します。
以下の情報を把握していると、相談がスムーズに進みます。
- どこから借りていたか
- いつ頃から取引があったか(取引年数)
- 借入額
多くの事務所では相談料が無料で、5〜15分ほどで終わります。
借りていた業者名
- 借入先が思い出せない場合:「契約書」や「通帳」、「明細書」で確認できる
- 上記の資料がない場合:手数料が発生するが、信用情報を取り寄せれば確認可能
ただし、契約終了から5年以上経過していると情報が消去されていることがあります。
【下記から信用情報の取得ができます】
どこからの借入かを確認する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

取引期間
- いつから借りていたのかがわかれば:過払い金が発生する可能性があるか確認できます
- いつ頃完済したのかがわかれば:過払い金が時効かを確認できます
【体験談】

契約書や明細が残っていなくても、司法書士さんが取引履歴を取得してくれて助かりました。昔の借り入れでもあきらめなくてよかったです。
取引期間を確認する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。




弁護士・司法書士との面談
- 過払い金請求の面談では何を聞かれるんですか?
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取引をしていた業者名や取引期間、借入額等を聞かれます。
その後、デメリットや費用、今後の手続きの流れ等を説明されます。
依頼をする場合は、本人確認をして委任契約書を交わすことになります。
- 免許証や保険証等の本人確認書類
- 印鑑
- 請求する業者のカードや明細等(なくても問題なし)
面談時間は30分~長くても1時間程度で終わります。
面談は1度だけでいいので、何度も面談をする必要はありません。


専門家に依頼した後の過払い金請求の流れ
- 面談後の過払い金請求の手続きはどのように進められますか
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依頼後の手続きは弁護士や司法書士が行うため、依頼者が貸金業者と連絡を取る必要はありません。
貸金業者から取引履歴を取得して、計算後に請求をして交渉を行う、という流れで手続きは進められます。
受任通知を送付して、貸金業者から取引履歴を取得します。
取引履歴が届くまでの期間は、早い業者であれば1週間、遅い業者だと3か月ほどです。
取引履歴に基づき、元本に対し過去の利率ではなく正しい法定利率で再計算します。
これにより、請求可能な過払い金額が明確になります。
司法書士や弁護士が、貸金業者と返還金額や返還時期について交渉します。
交渉で折り合いがつけば和解成立となります。
不調の場合は訴訟提起し返還を求めます。
和解または判決を経て業者から返還されます。
和解から入金までには数週間〜数か月の幅があります。
【最終的に専門家に依頼した例】



最初は自分でやろうか迷いましたが、途中で不安になり司法書士に依頼。すべてお任せできて安心。もっと早く相談すればよかったです。
裁判をしない場合の過払い金回収方法と期間
- 過払い金はどのようにして回収をするんですか?
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過払い金を回収する方法は、話し合い(和解)で解決するか、裁判を通じて回収するかの2通りがあります。
少額や早期回収を希望する場合は、裁判をせずに話し合いで進めるケースが一般的です。
過払い金請求書の送付と和解の流れ
【返金までの期間】
- 業者や交渉内容によりますが、平均は1〜6か月程度
- 返金が遅い業者の場合は1年ほどかかることもあります
【ポイント】
- 話し合いの場合、和解金額は全額〜半額以下まで業者によって幅があります
- 回収した過払い金は弁護士・司法書士の事務所に一度入金され、費用差し引き後に依頼者の口座へ振り込まれます
裁判で過払い金を回収する場合の流れと注意点
- 裁判で過払い金を回収をする場合はどうなりますか?
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裁判をした後、多くの貸金業者は裁判中に、和解の提案をだして来ます。
納得できれば和解することもできますし、折り合いがつかない場合は判決まで行くことになります。
過払い金を利息まで含めて全額回収したいとか、和解提案に納得がいかない場合は裁判を行うことになります。
訴訟提起から判決・和解までの過程
複数回行われることも
合意できなければ判決へ
【返金までの期間】
- 争いがなければ3〜8か月程度
- 業者が争う場合は1年以上かかることもあります
【ポイント】
- 裁判の手続きや出廷は専門家が行うため、依頼者が裁判所に行く必要はありません
- 裁判中も業者から和解の打診があるため、途中で和解解決となることも多いです
和解と裁判それぞれの特徴と期間の目安【比較】
専門家(司法書士・弁護士)に依頼するメリットとデメリット
- メリット:計算や交渉を代行してくれるため、手間が少なく安心です。
- デメリット:費用がかかる点や、事務所選びに注意が必要です。
依頼時の注意点・費用の目安
- 相談料:無料〜
- 成功報酬:返還額の数十%程度
- 契約前に報酬体系や追加費用の有無を明確にしておきましょう。
費用の相場等については以下の記事でも詳しく解説しています。


事務所の選び方
- 過払い金請求に強いか
- 費用の安さ
- 事務所の評判・口コミ
事務所の選び方については以下の記事でも詳しく解説しています。


自分で過払い金請求をする手続き方法と流れ
- 弁護士や司法書士に依頼をせず過払い金を回収することはできますか?
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個人でも過払い金を請求することができます。
しかし、個人からの請求では、裁判をしないと不当に低い金額でしか和解できないことが多いです。
弁護士・司法書士の代理人をたてず自分で過払い金を請求することも可能です。
自分で請求する場合の手続き方法
業者に電話や書類で請求し、過去の借入・返済の記録を取り寄せます。
通常は1週間~1か月程度で届きますが、業者によっては2か月以上かかることもあります。
届いた取引履歴をもとに、Excelや無料の計算ソフトを使って過払い金を計算します。
自分で行えば無料、計算代行業者に依頼すると数千円の費用がかかります。
業者に対して書面で請求書を送り、返還を求めます。
業者から和解案が届きますが、多くの場合は請求額よりも少ない金額を提示されます。
納得できない場合は、裁判で争う必要があります。
和解成立後、取り決めた期日に返金されます。
和解から返金まで:通常は1〜3か月、遅い場合は1年ほどかかることもあります。
【注意点】
- 書類の作成や計算ミスに注意が必要です
- 和解金額は業者によって大きく異なります。
- 裁判をしないと、まったく請求に応じない業者もあります。
- 手続きや交渉、裁判もすべて自分で行う必要があります
【計算用ソフトは下記から取得できます】
計算方法については以下の記事でも詳しく解説しています。


【本人での交渉が上手くいかなかった事例】



請求書送付から2週間後に業者から電話があり「半額でどうですか」と言われ専門家に任せることに。費用を差し引いても返金額が増えて満足です。
過払い金請求の流れに関するよくある質問(FAQ)
- 過払い金は自分でも請求できる?
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自分で過払い金を請求することも可能です。
しかし、専門家に依頼するよりも手間と時間がかかることには注意が必要です。
- 過払い金請求に必要な書類を紛失している場合はどうしたらいいですか?
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契約書や明細がなくても、業者から取引履歴を取り寄せれば手続きは可能です。
- 完済してから何年まで過払い金請求できますか?
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過払い金請求の時効は、完済後10年です。それを過ぎると原則請求できません。
あわせて読みたい過払い金の時効と請求期限|いつまで取り戻せるのか司法書士が解説 過払い金は時効になり回収を行うことはできなくなることがあります。過払い金が時効になってしまう条件と、時効を止める方法を解説しています。 - 過払い金請求をしたことが信用情報(ブラックリスト)に載りますか?
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過払い金請求自体は信用情報に登録されません。
ただし、借返中の場合は登録される可能性があります。
あわせて読みたい過払い金は返済中でも請求できる?条件・デメリット・流れを解説 借金を返済中でも過払い金は発生するのか?借金返済中に過払い金請求をするメリットは?デメリットはないのか?借金返済中に過払い金請求をするデメリットを回避する方法も併せて解説しています。
まとめ|過払い金請求の流れと注意点を押さえて失敗を防ぐ
過払い金請求は流れを理解し、適切な書類・交渉をすれば、初めてでもスムーズに進められます。
簡単に過払い金の流れと期間についてまとめましたが、特に期間と和解提案額については相手方の貸金業者次第で大きく異なってきます。
個人で請求する方法についても書きましたが、個人で過払い金請求するにはある程度手間がかかることになるでしょう。
しかし、その分回収までの期間は伸びてしまいますので、自信がないようであれば最初から専門家に依頼することをおススメします。