アイフルの任意整理は他社と少し違い、利息が0%にはならず3〜5%程度が残るケースが多いのが実情です。
一方で、60回前後の長期分割に応じてもらえることが多く、返済負担を現実的に軽減できます。
2007年7月以前から取引している人は過払い金が発生している可能性もあり、借金が減額されたり返済が不要になるケースもあります。
この記事では、
- アイフルの任意整理の最新条件(利息・分割回数・応じない場合)
- デメリットとその回避方法
- 過払い金の可能性
- 手続きの流れと依頼後にやるべきこと
を司法書士の実務経験をもとに詳しく解説します。
「今の返済を続けるべきか、それとも任意整理をすべきか」と悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
参考元:キャッシングやローンでお困りの方へ-政府広報オンライン
アイフルを任意整理するとどうなる?
- 利息:原則0%にはならない
- 3〜5%で和解するケースが多い【2025年時点】
- 分割回数:60回が目安
- 交渉が厳しい条件:取引開始から1年未満だと利率が下がりにくい
- 利息10%前後で提示されるケースあり
- 過払い金:2007年7月以前の契約は過払い金が発生している可能性大
- デメリット:ブラックリストに完済から概ね5年登録
- 依頼から返済再開までの期間:およそ3〜6か月
利息は0%になる?
アイフルの任意整理では、利息を完全に0%にするのは困難です。
和解条件の多くは3〜5%前後の利息を付けたままの分割払いで、他社のように0%に応じるケースは稀です。
ポイント
- 取引年数が短いと利息引き下げが難しい
- 長期の取引があるほど、利息引き下げが期待できる
分割回数は何回まで?
原則として60回(5年)の分割払いが目安です。
ただし、借入額が少なければ60回以下の分割払いになります。
任意整理をして返済額が下がった事例

0%になると思っていましたが、アイフルは3%での和解でした。それでも毎月の返済額が減り、やっと生活が回るようになって助かりました。
任意整理をした場合としない場合の返済比較
50万円を通常返済した場合
- 完済までに支払う利息総額:25万円以上
- 完済までの期間:約4年10か月
- 毎月の返済額:13,000円
60回分割で任意整理した場合
- 完済までに支払う利息総額:約4万円
- 完済までの期間:5年
- 毎月の返済額:約9,000円
任意整理前後の返済比較表
任意整理前 | 任意整理後 | |
---|---|---|
完済までに支払う利息 | 25万円以上 | 約4万円 |
完済までの期間 | 約4年10か月 | 5年 |
毎月の返済額 | 13,000円 | 約9,000円 |
まとめ
- 返済期間を延ばすことで毎月の返済額を軽くできる
- 取引内容や交渉条件によって差はあるが、負担は減らせる可能性が高い
おまとめローンに落ちて任意整理を決断した事例



銀行のおまとめローンに申し込んだのですが、審査に通らず困っていました。最終的に任意整理で解決でき、結果的に返済が楽になりました。
任意整理の詳細は以下の記事で解説しています。


アイフルを任意整理するデメリット
- アイフルを任意整理する際のデメリットを教えてください
-
任意整理をするとブラックリストに登録されます。
ブラックリストの登録は完済してから最大5年間残るため、その間は借金をしたりローンを組んだり、クレジットカードを持つのは難しくなります。
アイフルの契約は解約になる
任意整理をした会社の契約は解約になるので、アイフルを任意整理するとアイフルとの契約は解約になります。
ブラックリストに登録される
任意整理をすると、信用情報機関に事故情報(ブラックリスト)が登録されます。
- 登録期間:完済から最長5年間
- 登録中は以下の制限あり:
- 新たな借入やカードローンの利用が困難
- 住宅ローン・自動車ローン・携帯電話の分割購入も不可
- クレジットカードの新規作成不可、保有カードも解約される可能性あり
ただし、登録期間が過ぎれば事故情報は消えます。
登録期間中はデビットカードやスマホ決済などの代替手段で日常生活は対応可能です。
ブラックリストの登録については以下の記事でも詳しく解説しています。


銀行保証会社による口座凍結リスク
アイフルは銀行カードローンの保証会社になっていることがあります(例:東京スター銀行など)。
- アイフル保証の銀行からの借入がある状態でアイフルを任意整理すると
- 保証が実行され1~3か月程度口座が凍結される
- 預金がある場合、借入金と相殺される可能性がある
口座凍結については、以下の記事でも詳しく解説しています。


デメリットまとめ(一覧表)
デメリット内容 | 詳細 |
---|---|
ブラックリスト登録 | 完済から最長5年間 借入・カード作成不可 |
アイフル契約解約 | 任意整理した会社の契約は強制終了 |
他社カードへの影響 | 他社カードが解約される可能性あり |
銀行口座凍結・相殺 | アイフル保証の銀行借入がある場合 口座が凍結・相殺される |
司法書士からのアドバイス
- 任意整理の最大のデメリットは「信用情報への登録」
- 銀行保証付き融資がある人は口座凍結リスクに特に注意


アイフルでの借金減額や過払い金
- アイフルで借金が減額されたり過払い金が発生することはありますか?
-
アイフルは2007年の7月までは法律の制限を超える利息で取引を行っていました。
2007年の7月よりも前からアイフルと取引をしていたなら、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性があります。
過払い金が発生する可能性(2007年7月以前)
アイフルは 2007年7月まで、利息制限法を超える高金利で貸付を行っていました。
したがって、2007年7月以前から取引していた人は、借金が減額されたり過払い金が発生している可能性があります。
2007年8月以降の契約
- 2007年8月以降、アイフルは 新規契約をすべて法律内の利息に変更しました。
- したがって、この時期以降に新規で契約をした人には、原則として過払い金は発生しません。
2007年7月以前から取引があった人は、8月以降も高金利のまま取引を行っていることが多いです。
借金が減額されるケース
過去に高金利で取引していた場合は、引き直し計算によって借金が減ることがあります。
減額後は、利息をカットし元金のみを分割返済していくことになります。
引き直し計算については、以下の記事でも詳しく解説しています。


借金がゼロになり過払い金が戻るケース
- 借金が全てなくなり、払いすぎていた分が過払い金となって返還請求できる場合もあります。
- この場合は 任意整理ではなく過払い金返還請求の手続きとなります。
過払い金請求の場合は、ブラックリストに登録されません。(ただし手続き中、一時的に情報が載る可能性はあります)
事例で見るイメージ
借入状況 | 引き直し計算後 |
---|---|
借金30万円 ⇒ 10万円に減額 | 元金10万円だけを分割返済 任意整理になる |
借金30万円 ⇒ 0円、さらに20万円の過払い金発生 | 20万円返還請求可能 過払い金請求になる |
まとめ
- 2007年7月以前から取引がある人は要チェック
- 借金減額や過払い金が発生している可能性が高い
- 減額のみの場合は「任意整理」で元金を分割返済
- 借金がゼロになり過払い金がある場合は「過払い金返還請求」へ
過払い金については、以下の記事でも詳しく解説しています。




アイフル任意整理の流れと依頼後にやること
- 専門家と面談し、借入状況・収支を確認
- 任意整理が適しているかを判断


- アイフルに受任通知を送付
- 同時に「取引履歴」を請求し、返済状況を確認
- この時点でアイフルへの返済をストップ(督促は止まる)
- 取引履歴をもとに金利を再計算
- 法定利息を超えていれば借金が減額、または過払い金が発生
- 減額後の金額で和解交渉へ進む
- 利息のカット(アイフルは3〜5%残ることが多い)
- 分割回数の交渉(60回が目安)
- 借金ゼロ+過払い金ありなら、過払い返還交渉に切替
- 和解成立後、合意内容に基づいて毎月返済を開始
- 依頼から返済開始までは約3〜6か月
依頼者が行うこと(返済停止・積立金・再開準備)
- アイフルの任意整理を依頼した後、依頼者がすることはありますか?
-
依頼後はアイフルへの返済を止めて、積立金を行うことになります。
専門家が間に入ったら本人への連絡はできなくなるので、アイフルから連絡が来ることはありません。
- 交渉を行うため、アイフルへの返済は中止
- 督促は止まる
- 専門家に毎月積立金を預ける
- 意味は「専門家報酬の分割払い」と「返済シミュレーション」
- 積立ができない場合、任意整理は続行できず → 個人再生や自己破産を検討


- 交渉成立後、その条件どおりに返済を再開
- 返済先は「専門家経由(代行返済)」か「アイフル直接振込」のどちらか


ポイント
- 任意整理は「返済額を確定してから交渉」するため、返済を一旦止める
- 積立金は「返済能力のテスト」でもあるので非常に重要
- 依頼から返済再開まで3か月〜半年程度


よくある質問
家族に秘密でアイフルを任意整理できますか?
任意整理は家族に知られずに進められる可能性が高いです。
ただし、クレジットカードが解約になったり、ローン審査が通らなくなったりするため、日常生活の中で家族に気づかれる可能性はあります。
アイフルの借金が少額(10万円以下)の場合でも任意整理できる?
可能ですが、弁護士・司法書士の費用とのバランスを考える必要があります。
アイフル以外の借金も一緒に任意整理できる?
可能です。むしろすべての借入先をまとめて整理する方が一般的です。
一部だけを整理することもできますが、残した借入先からの返済負担は変わらないため注意が必要です。
アイフルの任意整理と「おまとめローン」はどちらが有利?
返済がまだ可能なら「おまとめローン」、すでに困難なら「任意整理」が適しています。
まとめ
- 任意整理後の利息はカットできない
- 3〜5%ほどになる
- 分割回数は60回前後
- 過払い金が発生している可能性あり
- アイフルは解約になる
- ブラックリストに登録される
司法書士からのアドバイス
アイフルの任意整理は、他社に比べて利息を完全に0%にできないケースが多いという特徴があります。
それでも利息が大幅に下がり長期の分割払いになることで、毎月の返済額を少なくすることができます。
また、
- 2007年7月以前から取引がある人は
- 過払い金の有無を必ず確認する
- 取引期間が短い人は
- 和解条件が厳しくなる可能性を想定しておく
- アイフルが保証会社となっている銀行借入がある場合は
- 口座凍結リスクへの対策を事前に講じる
といった点にも注意しましょう。
任意整理は「借金の返済を楽にする手続き」であると同時に、「今後の生活を立て直す第一歩」です。
もし返済が続けられるか不安な場合や、条件が厳しそうな場合には、個人再生や自己破産も早めに検討することをおすすめします。