債務整理をしたいけど、携帯やスマホの契約や利用に影響がでるのは困るので、手続きをしようか迷っている・・・
たしかに債務整理をすることで、スマートフォンや携帯電話の購入や利用に影響を与えることがあります。
しかし、必ずしもすべてのケースで「スマホが解約される」「機種変更できない」といった事態になるわけではありません。
- 債務整理をすると携帯やスマホの購入はできなくなるのか?
- 任意整理をすると携帯・スマホは解約になるのか?
- 個人再生、自己破産をすると携帯・スマホは解約になるのか?
上記の3点について解説しますが、現在の利用状況によっては携帯やスマホに影響を与えずに債務整理を行うことができます。
債務整理をするとスマホの分割購入はできなくなるのか?
- 債務整理をすると、携帯電話やスマートフォンの購入に影響はでませんか?
-
債務整理を行うとブラックリストに登録されるので、携帯電話やスマートフォンを「分割払い」で購入するのは難しくなります。
「一括払い」なら信用情報は問題にならないので、ブラックリストに登録されていても問題なく購入可能です。
ブラックリストに登録されると | |
---|---|
分割払いでの購入 | 審査があるため、分割払いでの購入は難しい |
一括払いでの購入 | 審査がないので、問題なく購入できる |
TCAに強制解約の情報が登録されている場合 | そもそもの回線契約自体が難しい |
債務整理の影響がでるかどうかは、携帯・スマホ等の本体の代金を分割払いで購入するか?一括払いで購入にするか?によって変わります。
分割払いでの購入は難しい
債務整理をすると、信用情報に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト入り」の状態になります。
この状態になると、スマホの【分割払い購入】は原則として難しくなります。
携帯・スマホの分割購入は、車等をローンで買うのと同じローン契約のため、携帯会社は信用情報を確認の上で審査します。
ブラックリストに登録されていると、ローンを組んでも支払いができなくなると判断されて、審査に通らない可能性が高くなります。
- 新規契約
- 他社からの乗り換え
- 機種変更(機種代金の分割払いを伴う場合)
上記のいずれであっても、ブラックリストに載っている人が機種代金を分割払いで契約するのは難しいです。
ブラックリストに登録されていても分割購入できた例もあるため、「必ず不可能」というわけではありません。
ただし、審査落ちのリスクが非常に高いことは認識しておきましょう。
自分がブラックリストに登録されているかどうかは、下記から信用情報を取り寄せて確認することができます。
ブラックリストの影響については以下の記事でも詳しく解説しています。

一括払いならスマホは購入できる
債務整理後でも、スマホ本体を【一括払い】で購入する場合には審査が行われません。
そのため、ブラックリストに登録されていても問題なく購入可能です。
ただし、最新版の機種は非常に高価な機種も多く、金銭的な負担が大きくなる点には注意が必要です。
- 分割購入⇒審査あり⇒ブラックリストだと難しい
- 一括購入⇒審査なし⇒ブラックリストでも購入可能
強制解約されていると契約自体ができない可能性も
料金未納で強制解約されていると、強制解約になったキャリアか別のキャリアかを問わず、新規の契約を断られることがあります。
ブラックリストとは別で、機種代金を一括払いか分割払いで購入は関係なく、回線の契約自体ができなくなる可能性があります。
携帯会社は、未納による強制解約の情報を「電気通信事業者協会(TCA)」に登録しています。
この情報は他社にも共有されるため、たとえ別のキャリアであっても、新規契約を断られる可能性があります。
ドコモを未払いで解約⇒ソフトバンクやauでも契約NGになる可能性あり
※契約が強制的に解約になっていても、未納の料金を完済すれば不払いの情報は削除されます。

任意整理をしても携帯やスマホは継続して使用できるか?
- 任意整理をしても、現在使用している携帯やスマホは利用できますか?
-
消費者金融やクレジットカードの借金を任意整理しても、スマホや携帯の利用に影響がでることはありません。
携帯料金自体の支払いが難しい場合、携帯料金を任意整理をすることはできますが、携帯電話は解約になります。
携帯料金を任意整理しなければ継続して使用できる
携帯料金自体の任意整理を行わなければ、他の借金の任意整理をしても携帯契約は解約になりません。
滞納している場合、携帯料金を任意整理することはできますが、任意整理をすると契約が解消されるため利用ができなくなります。
- 携帯料金を任意整理に含めない場合
-
携帯会社との契約はそのまま継続され、スマホも問題なく使い続けられます。
- 携帯料金を任意整理に含めた場合
-
携帯会社との契約は解除となり、スマホは使えなくなります。
携帯料金の任意整理は必要か
携帯料金は2、3か月の滞納で強制解約になるので、携帯料金が1か月1万円だとすると、3か月で3万円ほどの金額にしかなりません。
そのため、弁護士や司法書士の費用をかけてまで任意整理をするメリットは少ないでしょう。
一方、スマホ本体の分割残債が10万円以上など、高額な場合には任意整理を検討する価値があります。
- 実務上は携帯料金は任意整理せずに、他の借金だけを任意整理することが多い
- 携帯料金の任意整理をしなければ、他の借金の任意整理をしても携帯やスマホはそのまま利用できる
任意整理については以下の記事でも詳しく解説しています。


個人再生や自己破産でスマホ・携帯電話は解約になるのか?
- 個人再生や自己破産をしても、携帯やスマホに影響はありませんか?
-
個人再生や自己破産をしても、必ずしもスマホや携帯電話が解約になるわけではありません。
携帯料金を滞納せず支払っていて、端末代金を分割払い中でもない場合は、携帯料金は個人再生や自己破産の対象にはなりません。
その場合は、他の借金を個人再生や自己破産しても解約にはなりません。
携帯料金を滞納している、または端末代金を分割払い中だと、携帯料金は個人再生や自己破産の対象になるため解約になります。
個人再生や自己破産で携帯・スマホは解約になるか | |
---|---|
携帯料金を滞納して | 解約になる可能性あり |
機種本体の分割払い中 | 解約になる可能性あり |
料金の滞納がなく、機種代金を分割払いではない場合 | 解約にならない、継続して利用できる |
料金に未納がなく本体代金を分割払い中でなければ継続して利用できる
携帯端末代金を分割払中ではない、かつ不払いがないのであれば、携帯契約は債務整理の対象にはなりません。
※問題になるのは電話料金が不払いのケースと、機種代金を分割払い中のケースです。
解約になるケース
以下のいずれかに該当する場合、個人再生や自己破産をすると携帯契約は解約になります。
- 携帯料金に未納がある場合
- 端末代金を分割払い中の場合
未納分の料金や、分割払い中の料金は借金と同じように扱われるので、個人再生や自己破産では債務整理の対象しなければなりません。
滞納分を事前に払うのは偏波弁済になる
解約を免れるため、滞納分を一括返済すればいいと思うかもしれませんが、手続き前に一括返済するのはリスクがあります。
債務整理では「債権者平等の原則」があり、一部の債権者に優先的に返済をする行為は禁止されています。
特定の債権者(この場合は携帯会社)に優先的に返済すると「偏波弁済(へんぱべんさい)」と見なされる恐れがあります。
※少額であれば偏波弁済と見なされない可能性もありますが、判断が難しいため、事前に弁護士や司法書士に相談することが重要です。
第三者に払ってもらう方法
端末代金や滞納料金を第三者が支払うことで、偏波弁済を避けられる場合があります。
ただし、同居家族など同一生計の人が支払った場合は第三者と見なされず、偏波弁済と判断される可能性があるので注意が必要です。
すでに解約されているなら債務整理に含める
携帯料金の滞納などにより、すでに解約されている場合は、その債務を債務整理に含め、免責や減額を受けることが可能です。
個人再生と自己破産については以下の記事でも詳しく解説しています。

まとめ
- ブラックリストに登録されると、スマホを分割払いで購入するのは難しくなる
- 一括払いなら問題なし
- 携帯料金を債務整理すると解約になる
債務整理をすると、信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト」状態になります。
この状態では、スマホを分割払いで購入するには審査があるため、通過するのは困難です。
ブラックリストに載っていても、一括払いで購入するのであれば審査はないので問題なく購入できます。
携帯料金を債務整理の対象にすると携帯契約は解約になります。
端末代金を分割で支払っていたり、毎月の携帯料金の未納分があると、個人再生や自己破産では携帯契約は解約になります。
端末代金を分割払い中ではなく、通話料等に不払いがないのであれば、携帯料金は債務整理の対象にはならず、利用することができます。
任意整理なら柔軟な対応が可能
任意整理では、債務を選んで整理できます。そのため、携帯料金や端末代金を任意整理の対象から外すことも可能です。
携帯契約を継続したい場合は、携帯関連の債務を除いて他の借金だけを整理するという方法もあります。