過払い金が発生するのは「高金利でキャッシングしていた時期の取引」に限られ、ショッピング(立替販売)分は対象外です。
本記事では、下記について実務経験にもとづき整理します。
- 対象の見分け方
- 時効について
- 返還割合/期間
- デメリットについて
ニッセン過払い金の対象と時効について
- ニッセンで過払い金が発生する条件を教えてください
-
ニッセンは2010年頃に過払い金が発生しない金利に見直しているため、2010年以前から取引があった人だけ過払い金が発生する可能性があります。
- 対象になり得る:
- 2010年より前からのキャッシング取引がある人
- 対象外:
- ショッピング取引
- 2011年以降に新規で借り始めたキャッシング
対象となる「時期・金利」の根拠
借入金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上~100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
上限を超える利息で返済していた人に、過払い金は発生します。
実際の金利引下げの時期は会社ごとに差があります。
過払い金の仕組みについては以下の記事でも詳しく解説しています。

ニッセンで過払い金が発生していた事例

2006年からニッセンでキャッシングを利用していました。司法書士の先生に調べてもらったら約35万円の過払い金があることがわかりました。
社名の遍歴
- 旧称:ニッセンGEクレジット
- 2017年6月11日:ニッセン・クレジットサービス株式会社へ商号変更
- ブランド:マジカルクラブカード
時効:請求期限の目安(原則10年)
- 完済(最後の返済)から原則10年で過払い金請求の時効が完成
- 途中完済等があると時効の時期がわかりにくくなる
- 早めの履歴取り寄せと引き直し計算をするべき
過払い金の時効については以下の記事でも詳しく解説しています。


ニッセンの過払い金が時効だった事例



10年以上前に完済したニッセンが、時効で過払い金の回収ができませんでした。早めに調べておけばと後悔しました。
ニッセンの回収目安と過払い金請求の流れ
任意交渉(裁判なし)
- 返還割合の目安:元金の70~90%
- 入金までの目安:2~5か月
- 履歴取寄1~2か月+和解後1~3か月
訴訟(裁判あり)
- 返還割合の目安:過払い利息(年5%)を一部~全額回収できる可能性
- 入金までの目安:半年~1年以上かかることも
過払い金の利息については以下の記事でも詳しく解説しています。


手続きの流れ(取引履歴の取り寄せ→計算→交渉/訴訟→入金)
- ニッセンへ受任通知を送付して取引履歴を取り寄せます。
- 取引履歴の送付を請求すると
- 請求から1ヵ月ほどで取引履歴が送付されてきます。
- 取引履歴を基に過払い金の計算を行います。
請求書を送付して交渉をするか、裁判をして過払い金の回収をするかを目指します。
裁判をした際も折り合いがつけば和解をすることになり、金額等で折り合いがつかない時は判決になります。
和解した返還日か、判決で決められた日に過払い金が返還されます。
過払い金請求の流れについては以下の記事でも詳しく解説しています。


ニッセン(マジカルクラブ)への過払い金請求のデメリット
- ニッセンへ過払い金請求をするにあたりデメリットはありますか?
-
ニッセンのカードは解約になります。
また、ニッセンでショッピングを返済中に過払い金請求をすると、過払い金とショッピングの残金で相殺されます。
主なデメリット一覧
- ニッセンのカードは必ず解約
- 請求対象の会社のカードは解約される
- 貯まっていたポイントも失効する
- 公共料金・携帯料金の引落変更が必要
- カード払いにしている場合は別の支払方法へ変更が必要
- ショッピング残高があると相殺される
- 過払い金とショッピング残高を相殺した結果
- ショッピング残高の方が多いと任意整理扱いになる
- 信用情報に事故情報(ブラックリスト)が載る
カード解約・ポイント失効
請求を行った会社のカードは必ず解約になるので、ニッセンは解約になります。
ニッセンカードに貯まっていたVポイントは失効するので、事前にポイントを使い切るようにしましょう。
ショッピング残高との相殺
過払い金請求をすると、過払い金額とショッピング残高が相殺されます。
過払い金よりもショッピング残高の方が多い場合は、相殺後の金額が任意整理扱いとなり、ブラックリストに登録されます。
過払い金>残高
- 過払い金:50万円
- ショッピング残高:30万円
- 差額20万円を過払い金請求する
- ブラックリストに登録されない
過払い金<残高
- 過払い金:30万円
- ショッピング残高:40万円
- 残債10万円が任意整理扱い
- ブラックリストに登録される
ブラックリストの影響については以下の記事でも詳しく解説しています。


司法書士からのアドバイス
ニッセンのカードは解約になるので、請求前に公共料金・携帯料金の引落先を変更しておきましょう。
また、ショッピングを完済した後に請求すれば、信用情報への影響を気にする必要はありません。
よくある質問(FAQ)
ニッセンの取引履歴の取り寄せは自分でもできる?
本人でも可能です。また引き直し計算も本人で行うことも難しくありません。


ニッセンを過払い金請求すると郵送物はどのくらい届く?家族に知られたくない場合の対策は?
ニッセンからの郵送物はありません。司法書士からの送付については事前に郵送方法を取り決めできます。


ニッセンが社名変更しているけど、古い取引でも対応できる?
できます。会社名変更後も過払い金請求の権利は消えません。
ニッセンの契約書や利用明細がなくても調査できる?
取引履歴がニッセンから取り寄せ可能なため、書類がなくても調査可能です。
まとめ(相談前のチェックリスト)
- 2010年以前からキャッシングを利用していた
- 完済から10年以内(時効を確認)
- ショッピング残高の有無を把握(相殺リスクを確認)
- 公共料金/携帯の支払方法を他社カード/口座振替に変更
司法書士からのアドバイス
- 取引履歴の確認しないと過払い金の有無はわからない
- 過払い金の有無は書類や記憶だけでは判断できません。
- 時効(10年)が迫っているケースも多い
- 完済から10年で請求権が時効にかかるため、思い立ったら早めの行動が必須です。
- カード解約・信用情報の影響を事前に整理
- ショッピング残高がある状態で請求すると事故情報が載ることがあります。
- 事前に公共料金の支払い方法や利用中のカードを整理しておくと安心です。
- 請求方法の選択(交渉or裁判)で結果が変わる
- 金額重視なら訴訟、スピード重視なら交渉と目的に応じて手続を選ぶことが大切です。
- プロのサポートで回収率・スピードが向上
- 自分で手続を進めることも可能ですが、司法書士や弁護士が介入することで回収率が高まるケースが多いです。
- 特に取引の分断や時効問題など争点がある場合は早めに専門家に相談してください。