- 「銀行カードローンや住宅ローンでも過払い金は発生するのか?」
- 「銀行系クレジットカードで過払い金が発生する条件は?」
- 「銀行の返済が厳しいときはどうすればいいの?」
この記事では、司法書士としての実務経験をもとに、上記3つの疑問を解決します。
実際の事例・金利の仕組み・確認方法まで詳しく解説し、返済負担を軽減する方法も紹介します。
銀行カードローンや住宅ローンで過払い金は発生する?
- 銀行からの借入では過払い金が発生することはありますか?
-
銀行からの直接の借入(カードローン・住宅ローン・フリーローン)では、過払い金は発生しません。
理由は、銀行は利息制限法の上限金利を超えて貸し付けを行わないためです。
利息制限法の上限
借入額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円以上100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
消費者金融やクレジットカード会社等では、以前は利息制限法を超えた金利で貸し付けをしていたことがありました。
過払い金の条件については以下の記事でも詳しく解説しています。


銀行系クレジットカードで過払い金が発生する条件
- 銀行系のクレジットカードでは過払い金が発生しますか?
-
銀行との取引ではなく、銀行系のクレジットカード会社は過払い金が発生する可能性があります。
- 銀行系クレジットカードの取引相手はクレジットカード会社です
- このため、過去にグレーゾーン金利でのキャッシング取引があれば過払い金が発生します
銀行系のクレジットカードは、○○銀カード、○○カードサービスや○○ディーシーカードとなっているものが多いです。
銀行系のクレジットカードで有名なところだと三井住友カード等があります。
発生条件
- グレーゾーン金利での取引
- 2007年以前にキャッシング利用をしていると、過払い金が発生する可能性あり
- 取引が完済から10年以内
実務経験上、銀行系カードでは一括払いのキャッシングのみ対象になるケースが多く、リボ払いは対象外のこともあります。
【過払い金が発生しなかった事例】

2009年以降に契約した銀行系カードを使っていました。金利は常に年18%以下だったため、過払い金は発生しませんでした。司法書士に確認してもらったことで、対象かどうかの判断がすぐにつきました。
完済から10年以上が経過している場合は、過払い金は時効になり回収をすることはできません。
過払い金の時効については以下の記事でも詳しく解説しています。


銀行系カードの金利推移(例:三井住友カード)
年代 | 主な金利水準 | 過払い金発生可能性 |
---|---|---|
〜2005年 | 年27.8% | 高い |
2006年~ | 年18%以下 | 発生しない |


過払い金の有無を確認する方法
弁護士や司法書士に依頼をする際は、取引履歴も弁護士や司法書士が取得します。
自分で計算をしてみたい人は、以下の記事で詳しく解説しています。


【依頼をして過払い金が発覚した事例】



契約書も明細もなく、自分の記憶だけで判断できなかったので、司法書士に依頼して取引履歴を取り寄せました。すると、初期の数年間は年29.2%で借りていたことが判明し、予想外に過払い金が出て驚きました。
銀行や銀行系カードの返済が厳しいときの解決策
銀行系のクレジットカードや、銀行の借入の返済が難しいのでしたら債務整理をすることができます。
任意整理
- 将来利息を0%にし、元金のみを分割返済
- 毎月の返済額を減らせる
【任意整理で毎月の返済が半分になった事例】



「銀行系カードと消費者金融合わせて毎月8万円の返済がありました。任意整理を依頼した結果、返済額が毎月4万円に減りました。おかげで生活が安定し、延滞も防げました。
任意整理については以下の記事でも詳しく解説しています。


個人再生
- 借金を最大5分の1まで減額(最低100万円)
個人再生については以下の記事でも詳しく解説しています。
自己破産
- すべての借金返済義務を免除
自己破産については以下の記事でも詳しく解説しています。
銀行を債務整理する際は、口座凍結等の注意点があります。
銀行の債務整理については、以下の記事でも詳しく解説しています。


よくある質問(FAQ)
銀行カードローンや住宅ローンでも過払い金が発生しますか?
発生しません。銀行は利息制限法の上限を超える金利で貸付を行わないためです。
銀行系クレジットカードのリボ払いでも過払い金は発生しますか?
リボ払いは対象外のカードが多いです。
一括キャッシングのみが対象となる場合があります。
銀行系カードの金利はどうやって確認できますか?
契約書や利用明細で確認、またはカード会社に取引履歴の開示請求を行います。
銀行からの借入が返せない場合、過払い金以外で解決できる方法はありますか?
任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理で返済負担を減らすことが可能です。
まとめ|司法書士からのアドバイス
- 銀行では過払い金は発生しない
- 銀行系のクレジットカードは発生することがあるが、可能性は低い
- 返済が難しいなら債務整理をすることができる
銀行からの借入では利息制限法を超える利息での取引はないため、何年取引を行っていても過払い金が発生する可能性はありません。
銀行からの借入ではなく、銀行系のクレジットカード会社からの借入の場合は過払い金が発生する可能性があります。
しかし消費者金融や通常の信販会社と比較して、銀行系のクレジットカードでは過払い金が発生する可能性は低いです。
銀行からの借入や銀行系のクレジットカードでも債務整理を行うことは可能なので、支払いが厳しい場合は債務整理を検討するべきです。