三井住友カードの任意整理|口座凍結・Olive・モビットの注意点を解説

当サイトの記事は、 司法書士 三浦永二(東京司法書士会/登録番号7300号) が執筆・監修しています。

現在、モビットとSMBCファイナンスサービス(旧セディナ)は三井住友カードに合併されています。

三井住友カードの任意整理では、将来利息を0%にして、元金を分割で返済する和解を目指します。

注意が必要なのは、三井住友銀行のキャッシュカード一体型カード、三井住友銀行カードローン、自動車ローンが関係するケースです。

この記事では、三井住友カードを任意整理するとどうなるのかを、司法書士の実務経験を踏まえて解説します。

目次

三井住友カードを任意整理するとどうなる?

三井住友カード本体と旧SMBCファイナンスサービスは60回分割を目指しやすい一方で、モビットだけは取引状況によって分割回数が変わります。

モビット・旧SMBCファイナンスサービスは
現在すべて三井住友カードに統合されています

三井住友カード

将来利息
原則0%
分割回数
60回(5年)

旧SMBCファイナンスサービス
(旧セディナ)

将来利息
原則0%
分割回数
60回(5年)

モビット

将来利息
原則0%
分割回数
12〜60回

取引年数や利用状況によって変動

モビット以外の三井住友カードでは、実務上、将来利息0%・60回分割で和解できることが多いです。

ただし、モビットからの借入には注意が必要になります。

モビットは取引年数によって分割回数が変わる

モビットは、取引期間が短いほど分割回数も短くなる傾向があります。

当事務所で交渉する際の目安は、次のとおりです。

  • 取引1年程度:12回前後
  • 取引2年程度:24回前後
  • 取引3年程度:36回前後
  • 取引4年程度:48回前後
  • 取引5年以上:60回前後

モビットは何回の分割払いにできるかが任意整理できるかどうかを大きく左右します。

モビットは3か月以内の和解が重要

モビットからの借入の場合、受任通知の送付から3か月以上経過すると、訴訟を提起してくる可能性が高いです。

また、3か月を超えると和解条件も厳しくなる傾向があります。3か月以内に和解を間に合わせるためには、以下の対応が重要です。

  • 依頼後早めに費用の積立を開始すること
  • 積立を滞りなく続けること
  • 専門家からの書類や確認連絡に早めに対応すること

当事務所では、モビットが含まれる場合はこの期限を前提にスケジュールを組んで交渉を進めます。

任意整理については、以下の記事でも詳しく解説しています。

訴訟になっても和解はできる

万が一訴訟に移行してしまった場合でも、その後に和解することは可能です。

ただし、和解の選択肢と条件は早く動くほど有利です。

任意整理をしたケースとしないケースの比較

「利息がなくなり、分割払いになる」と聞いても、実際にどの程度の違いがあるのかイメージしにくい方も多いでしょう。

40万円借入
(金利18%・毎月8,000円返済)

任意整理をしない場合

毎月の返済額
8,000円
完済までの期間
7年10か月
利息総額
約34万円

任意整理をした場合(60回払い)

毎月の返済額
約6,700円
完済までの期間
5年
利息総額
0円

任意整理で利息が0%になることで、返済した金額がすべて元金の返済に充てられるため、確実に借金の総額が減っていくようになります。

返済を続けた場合と比べると、毎月の負担は8,000円から約6,700円へ下がり、完済までの期間も約7年10か月から5年に短縮されます。

【参考】40万円を任意整理(利息0%)で分割した場合の月額目安

分割回数(年数)毎月の返済額
12回(1年)約33,400円
24回(2年)約16,700円
36回(3年)約11,200円
48回(4年)約8,400円
60回(5年)約6,700円

毎月の最低返済額が8,000円だった場合、交渉の結果「48回払い」以下になると、毎月の支払負担自体は増えてしまうことがわかります。

モビットのように分割回数が短くなる可能性がある借入では、事前に返済額を確認することが重要です。

実際に任意整理で月々の返済額が軽くなったケースは、以下の記事でも紹介しています。

Oliveやキャッシュカード一体型カードを任意整理するとどうなる?

三井住友銀行のキャッシュカードとクレジット機能が一体になっているカードでは、銀行口座への影響を確認する必要があります。

ただし、Oliveと従来型のキャッシュカード一体型カードでは、口座凍結の扱いが異なります。

Olive(オリーブ)

銀行口座の凍結
されない

キャッシュカード一体型でも影響なし

Olive以外の一体型カード

銀行口座の凍結
凍結される

預金の引き出し・給与の出金・引き落としが
できなくなる

単体の三井住友カード

銀行口座の凍結
されない

キャッシュカードと一体型ではないカード

お手持ちのカードがキャッシュカードと一体型かどうかは、依頼前に必ず確認が必要です

Olive(オリーブ)は任意整理しても口座凍結されない

Olive(オリーブ)のクレジットモードの発行元は三井住友カードです。

通常の三井住友カードと同じように任意整理が可能で、和解条件(利息0%・60回分割)も変わりません。

Oliveはキャッシュカード一体型ですが、任意整理をしても三井住友銀行の口座は凍結されません。

そのため、三井住友銀行カードローンの借入があっても、カードローンはこれまでどおり返済を続けることができます。

注意が必要なのは、Olive以外の「従来型のキャッシュカード一体型カード」を持っている場合です。

Olive以外のキャッシュカード一体型カードは三井住友銀行の口座が凍結される

Olive以外の三井住友銀行のキャッシュカードとクレジットが一体になったカードを任意整理すると、三井住友銀行の口座が凍結されます。

口座が凍結されると、以下の影響が出ます。

  • 預金の引き出しができなくなる
  • 給与振込口座にしている場合、給与を出金できなくなる
  • 公共料金や携帯代などの引き落としができなくなる

一体型のカードを任意整理する場合は、「残高の引き出し」「給与振込口座の変更」「引き落とし口座の変更」が必要にあります。

三井住友銀行カードローンがある場合の注意点

Olive以外の一体型カードを任意整理すると、三井住友銀行の口座が凍結されます。

三井住友銀行の口座が凍結される場合で三井住友銀行の借入がある場合、三井住友カードを整理して三井住友銀行を整理しないことはできません。

1Olive以外の一体型カードを任意整理する

キャッシュカードと一体型のカードが対象です。

2三井住友銀行の口座が凍結される

3三井住友銀行のカードローンも整理の対象に

クレジットカードだけを整理して、カードローンを残すことはできません。

この影響があるのは「三井住友銀行のカードローンがある場合」だけです。
他の銀行のカードローンは対象になりません

銀行カードローンと口座凍結については、以下の記事でも詳しく解説しています。

三井住友カードを任意整理するデメリット

三井住友カードは解約になる

起きること

  • 三井住友カード・モビット・旧SMBCファイナンスサービスがすべて解約になる
  • 貯まっているポイントが失効する
  • 家族カード・ETCカードも利用停止になる
  • 信用情報に事故情報が登録される(完済から5年程度)

代わりに使えるもの

  • デビットカード(口座から即時引き落とし)
  • スマホ決済(事前チャージ)

カードが解約になると貯まっているポイントは失効する可能性があるため、注意が必要です。

※IDの連携状況で扱いが分かれますが、使えるものがあるなら、先に使い切る発想が安全です。

ブラックリストに登録される(信用情報への影響)

任意整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。

完済後5年程度は、新たなクレジットカード、カードローン、各種ローン、スマホ端末の分割払いなどの審査に通るのが難しくなります。

任意整理中+完済から5年間
ブラックリストに登録される
任意整理中
完済後5年影響が残る

ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。

三井住友カード、旧SMBCファイナンスサービス、モビットは、現在はいずれも三井住友カード株式会社に統合されています。

運営元が同じであるため、複数の契約があっても交渉先は三井住友カードにまとまり、原則としてすべてが任意整理の対象になります。

三井住友
カード

SMBCファイナンス
(セディナ)

モビット

1社だけを選んで整理はできず
1つを整理すると他のカードも連動して解約になる

たとえば、以下のような分け方はできません。

  • クレジットカードだけ任意整理して、三井住友カードの自動車ローンは残す
  • モビットだけ任意整理して、三井住友カードは残す
  • 三井住友カードだけ任意整理して、旧セディナ分は残す

モビット(残高50万円)+三井住友カード(リボ残高30万円)がある場合

モビットを任意整理すると、三井住友カードの30万円も自動的に任意整理の手続きに含まれ、合計80万円の債務になります。

ご依頼前に、三井住友カード系列の借入全部を把握しておく必要があります。

三井住友カードの自動車ローンがある場合は除外を検討する

三井住友カードの自動車ローンを
返済中の場合

所有権留保
付いている
任意整理をすると
車のローンも対象になり
車を引き上げられる
回避策
三井住友カード自体を
任意整理対象から外す

三井住友カードで自動車ローンを組んでいる場合、クレジットカードと自動車ローンを分けて手続きすることはできません。

三井住友カードのリボやキャッシングを任意整理すると、自動車ローンも一緒に任意整理の対象に含まれてしまいます。

三井住友カードの自動車ローンには所有権留保が付いているため、任意整理の対象にすると車を引き上げられる可能性があります。

「車を残したい」という希望がある場合、三井住友カード自体を任意整理の対象から外す判断になることが多いです。

三井住友カードを任意整理する場合、自動車ローンがないかは必ず確認が必要になります。

自動車ローンと所有権留保(車の引き上げ)については、以下の記事で詳しく解説しています。

三井住友カードを任意整理する流れ

1口座変更を済ませてから受任通知を送付

キャッシュカード一体型カードの場合は、残高の引き出しと給与振込口座・引き落とし口座の変更を先に済ませます。
そのうえで受任通知を送ると、督促と返済が止まります。

2積立と和解交渉

返済が止まっている間に費用の積立を行いながら、将来利息0%と60回分割を条件に交渉します。
モビットが含まれる場合は、受任から3か月以内の和解を目指します。

3和解成立・返済再開

和解書を取り交わし、決まった金額(元金のみ)で返済を再開します。

任意整理の流れについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

三井住友カードは過払い金の対象になる?

過払い金が発生するかどうかは、どの会社と、いつから契約していたかによって明確に分かれます。

  • 三井住友カード
    • 2005年以前からの「キャッシング一括払い」のみ発生の可能性あり。
    • リボ払いやショッピング枠では発生しません。
  • 旧SMBCファイナンスサービス(旧セディナ)
    • 2007年以前からのキャッシング取引であれば発生の可能性があります。
  • モビット
    • 当初から適法な金利での貸付のみを行っていたため、過払い金は原則発生しません

過払い金や減額がある場合の交渉の流れ

  • 借金が減額される場合
    • 減額後の金額を分割返済(任意整理)
  • 借金が全額なくなり過払い金が発生する場合
    • 任意整理ではなく「過払い金請求」へ切替

引き直し計算については、以下の記事でも詳しく解説しています。

FAQ(よくある質問)

Oliveを任意整理できますか?

はい。Oliveのクレジット利用分は任意整理できます。

Oliveだから任意整理できないということはありません。

キャッシュカード一体型の三井住友カードを任意整理すると口座はどうなりますか?

Olive以外の一体型カードの場合、三井住友銀行の口座が凍結されます。

受任通知の送付前に、残高の引き出しと給与振込口座・引き落とし口座の変更等が必要です。

家族や勤務先に三井住友カードの任意整理が知られる可能性はありますか?

任意整理は、原則として勤務先に連絡することはありません。

ただし、カードが利用停止になったことや郵便物など、生活上のきっかけで家族に気づかれる可能性はあります。

三井住友カードを任意整理している途中で返済ができなくなったらどうなりますか?

返済が滞ると和解条件が破棄され、一括請求や法的手続きに移行する可能性があります。

その場合は個人再生や自己破産を検討することになります。

三井住友カード以外の借入も一緒に任意整理できますか?

はい、任意整理は複数の債権者をまとめて交渉することができます。

状況に応じて対象を選択することも可能です。

三井住友カードの家族カードやETCカードはどうなりますか?

本会員のカードが解約されると、付帯している家族カードやETCカードも自動的に利用停止になります。

まとめ

任意整理は「もう返済できない」と思ったときの最後の手段ではなく、返済が苦しいと感じた時点で、早めに状況を整理することが大切です。

早く動くほど、訴訟や差押えのリスクを避けやすくなります。

特にモビットが含まれる場合は、受任通知の送付から3か月以内の和解を意識して進める必要があります。

相談が遅れるほど、和解条件が厳しくなる可能性もあります。

当事務所は司法書士三浦永二(東京司法書士会第7300号)がすべて担当します。

ご相談はLINE/メールで記録を残しながら進めます(勤務の都合で電話の即時対応が難しいことがあります)。

裁判所書類など緊急性が高い場合は、相談者利益を優先して他事務所の利用をご案内することもあります。

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