2007年以前にPayPayカード(旧国内信販・楽天KC)でキャッシングした方は、過払い金が発生している可能性が高いです。
過払い金がある場合は70〜90%の返還を受けられるケースが多いです。
PayPayカードは国内信販⇒楽天KC⇒KCカード⇒ワイジェイカードと社名変更を繰り返して2021年にPayPayカードという社名になりました。
Yahoo! カード(ヤフーカード)も現在はPayPayカードに切り替わっています。
この記事では、司法書士の視点で下記についてわかりやすく解説します。
- 対象条件
- 請求先の見分け方
- 相場と期間
- デメリットや注意点
【結論】PayPayカードの過払い金|対象時期・請求先・返還相場
- paypayカードでは過払い金は発生しますか?
- 
過払い金が発生するのは2007年よりも以前から借り入れをしていた人に限られます。 楽天KCや国内信販の時代から取引があると、過払い金が発生している可能性があります。 
過払い金は利息制限法の上限金利を超えた取引で発生します。
| 借入額 | 上限金利 | 
|---|---|
| 10万円未満 | 年20%まで | 
| 10万円以上100万円未満 | 年18%まで | 
| 100万円以上 | 年15%まで | 
キャッシング取引のみが対象で、ショッピングは対象外です。
PayPayカードは2007年頃に金利を見直ししているので、2007年以前のキャッシング取引で過払い金が発生する可能性があります。
過払い金が発生する仕組みについては以下の記事でも詳しく解説しています。

社名変遷と承継の基礎知識
PayPayカードは何度も社名変更や事業承継を行ってきた経緯があります。
- ~2005年:国内信販
- 2005年~2011年:楽天KC
- 2011年~2015年:KCカード
- 2015年~2021年:ワイジェイカード
- 2021年~現在:PayPayカード
2022年5月にはKCカード事業の一部を新生フィナンシャル(レイク)やアプラスインベストメントに承継しています。
わかりづらいですが、PayPayカードの過払い金は、
- PayPayカード
- 新生フィナンシャル(レイク)
- アプラスインベストメント
上記の3社のいずれかから返還をしてもらうことになります。
国内信販時代からの取引だった事例
 40代 女性
40代 女性いつから借りたかは覚えてなかったけど、国内信販の名前は覚えていました。司法書士がそれなら過払い金の可能性があるとのことで、依頼したら50万円ほどの金額が戻って来ました。
いつから借りたかを調べる方法については以下の記事で詳しく解説しています。


回収の目安
- 和解交渉
- 回収率:70〜90%前後
- 入金まで:3〜6か月
 
- 訴訟
- 回収率:100%+利息がとれる可能性あり
- 入金まで:5か月〜1年以上
 
過払い金の請求先はPayPayカード/新生フィナンシャル/アプラスインベストメントのいずれかとなります。
新生フィナンシャル(レイク)の過払い金については、以下の記事でも詳しく解説しています。


カード解約・ショッピング残高との相殺|デメリットと回避策
- paypayカードへの過払い金請求ではデメリットはありますか?
- 
請求する会社のカードは解約になります。 また、ショッピングの支払いが残っていると過払い金と相殺されることになります。 
カードの解約
過払い金を請求した会社のカードはすべて解約されます。
- PayPayカードへ請求
- PayPayカードが解約になる
 
- 承継先(新生フィナンシャル・アプラス)へ請求
- 請求した新生フィナンシャルまたはアプラスが解約になる
 


ショッピング残高があると相殺される
- ショッピング利用分の残高は、過払い金と相殺される
- 新生フィナンシャル(レイク)ではショッピング取引自体がないため
- 相殺の対象はPayPayカードまたはアプラスインベストメントでの利用に限られる
 
ショッピング残高が過払い金を上回る場合、残額は任意整理扱いとなり、信用情報に事故情報(ブラックリスト)が登録されます。
ケース別シミュレーション
ケース1:過払い金 > 残高
- 過払い金:50万円
- ショッピング残高:30万円
- 結果:相殺後20万円が返金される
- ブラックリストに登録されない
 
ケース2:過払い金 < 残高
- 過払い金:30万円
- ショッピング残高:40万円
- 結果:残金10万円が残り任意整理
- ブラックリストに登録される
 
ブラックリストの影響については以下の記事でも詳しく解説しています。


過払い金の時効|途中完済の注意点
時効の基本ルール
- 時効は完済から10年
- 借金を完済した日から10年が経過すると、過払い金請求の権利は時効で消滅する
 
- 時効を止める方法
- 裁判上の請求や内容証明郵便を使った催告などで時効を一時的にSTOPできる
 
途中完済に注意
- 取引の途中で完済してから再借入れした場合
- 途中完済から10年経過で、その時点までの過払い金が時効になる可能性がある
 
再借入れまでの期間が1年以上空いていると、途中完済時点までの過払い金が時効扱いになるリスクが高まります。
時効間際で間に合った事例



覚えていませんでしたが完済から10年近かったようで急いで手続きしてもらいました。時効ギリギリで間に合ってホッとしています。
過払い金請求の流れ
- まずは司法書士や弁護士と面談し、借入内容や完済日を確認します。
- 家族に知られず進めたい場合も、連絡方法の工夫で対応可能です。
- カード会社や承継先に取引履歴の開示請求を行います。
- 取得には1〜3か月程度かかります。
- この履歴で下記がわかり、過払い金の有無や時効の有無を判断できます。
- 借入・返済日
- 利息率
- 完済日
 
- 履歴をもとに過払い金を利息制限法に基づき計算します。
- その後の進め方は2パターン:
- 示談交渉(スピード重視・返還率は70〜90%前後)
- 裁判提起(時間はかかるが100%+利息が回収できる可能性あり)
 
- 示談で合意すれば和解書を作成し、内容に基づいて返還。
- 裁判で合意に至らない場合は判決で金額を確定。
和解や判決の内容通りに過払い金が指定口座に振り込まれます。
過払い金請求の流れについては以下の記事でも詳しく解説しています。


よくある質問(FAQ)
PayPayカードの過払い金請求に必要な書類は?
業者側から取引履歴を取得するので書類は不要です。
ただし、借入時の契約書や明細などがあるとスムーズです。
PayPayカードに過払い金請求をすると家族や職場に知られますか?
PayPayカードから連絡はなく、司法書士からの連絡や郵送も事前に取り決めをすれば知られずに進められる可能性が高いです。
PayPayカードを解約した後でも過払い金請求はできますか?
解約後でも業者側に取引履歴が残っているので請求可能です。
ただし、完済から10年で時効になり回収できなくなります。
PayPayカードへの過払い金請求は自分で手続きできますか?
個人でも可能です。
もし低い水準での交渉しかできない状況になった場合、そこから専門家に依頼をすることも可能です。
まとめ
- 2007年以前からのキャッシング取引なら過払い金の可能性が高い
- 請求先はPayPayカード・新生フィナンシャル・アプラスインベストメントのいずれか
- カード解約やショッピングとの相殺に注意
国内信販や楽天KCで2007年よりも前からキャッシングを利用している人は過払い金が発生している可能性があります。
過払い金が発生している場合は、PayPayカード、新生フィナンシャル、アプラスインベストメントへ請求することが可能です。
ただし、請求をするカードは解約になります。
司法書士からのアドバイス
- 過払い金は1日でも時効を過ぎれば回収できない
- 完済から10年で時効なので早めの行動が重要です。
 
- PayPayカードは社名変更や事業承継が多く、請求先の特定が複雑になりやすい
- 請求先の特定が困難な場合は、専門家に依頼すればスムーズです。
 
- ショッピング残高やカード解約、信用情報への登録リスクなど
- 事前に確認すべきポイントが多いため、司法書士と全体像を把握することが大切です。
 
- 無料相談を活用すれば、費用や手続きの流れを確認したうえで判断できるので安心です。
PayPayカードやアプラスインベストメントでショッピングを利用している人は、過払い金と相殺されるため注意が必要です。
PayPayカードで返済が難しい状況の人は任意整理をして、返済を楽にすることができます。


