アプラスの任意整理|自動車ローン・カード・信用情報への影響

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

アプラスを任意整理をすると利息が原則0%にカットされ、60回ほどの分割払いが可能となり、毎月の負担を減らすことができます。

一方で、ポイント失効・自動車ローンの引き上げリスクなど、アプラス特有の注意点もあるため正しく理解しておくことが大切です。

本記事では、司法書士の実務経験をもとに、

  • アプラスの任意整理の実際の条件
    • 利息・分割回数・和解までの期間
  • 自動車ローンやカード解約などの注意点
  • ブラックリスト期間や過払い金発生の可能性
  • 手続きの流れと家族や会社にバレないためのポイント

をわかりやすく解説します。

参考元:債務整理-東京司法書士会

目次

アプラスの任意整理|利息免除・分割回数の目安と和解までの期間

アプラスの借金を任意整理するとどうなりますか?

利息は免除してもらえるので、任意整理後は元金だけを分割で返済していくことになります。

60回ほどと長期の分割払いにも応じてもらえるので、毎月の返済額も少なくなる可能性が高いです。

アプラスを任意整理すると、基本的には次のような条件になります。

  • 利息:原則0%にカット
  • 分割回数:60回(5年)程度の分割払いに対応
  • 和解成立までの期間:受任通知を送ってからおよそ3か月前後

長期の分割払いに応じてもらえるため、毎月の返済負担を軽くしたい人に有効な方法です。

アプラスを任意整理して
利息がなくなるメリット
任意整理前
半分が利息の支払い
任意整理後
返済した金額の分だけ元金が減っていく

アプラスを任意整理するメリットを比較

任意整理をすると、利息がカットされて毎月の返済額や完済までの総支払額が大きく変わります。

任意整理をしない場合(通常返済)

  • 借入額:50万円
  • 金利(手数料):年15%
  • 毎月の返済額:12,000円
  • 完済までに払う利息総額:21万円以上
  • 完済までの期間:約5年

任意整理をした場合(利息カット・60回払い)

  • 借入額:50万円
  • 金利:0%(利息免除)
  • 毎月の返済額:約8,300円(50万円÷60回)
  • 完済までに払う利息総額:0円
  • 完済までの期間:5年

比較表|任意整理前と後の違い

項目任意整理前任意整理後(60回)
利息の総額21万円以上0円
完済までの期間約5年5年
毎月の返済額12,000円約8,300円

任意整理のメリット

  • 利息がゼロになるので
    • 返済した金額の分、元金が減っていく
  • 長期の分割払いになるので
    • 毎月の返済額をさらに軽くできる
  • 返済計画が明確になり完済の目処を立てやすい

返済額が少なくなった事例

40代 男性

最初は不安でしたが、アプラスを任意整理した後は返済額が減り借金が膨らむのを止めることができました。もっと早く相談すればよかったです。

任意整理のメリット

アプラスを任意整理するデメリット

アプラスを任意整理するデメリットは何がありますか?

アプラスを任意整理すると、アプラスのカードは解約になり、ブラックリストに登録されるので他社のカードやローン利用も制限されます。

また、自動車ローンがある場合は車が引き上げられる可能性もあります。

アプラスのカードは解約になる

  • 任意整理をした会社のカードはすべて解約になる
  • 複数枚アプラスのカードを持っている場合は全て使えなくなる
  • 携帯代・ネット代などをアプラスカードで支払っている
    • 口座引き落とし等、他の支払い方法に変更が必要

カードが解約になるとポイントは無効になるため、ポイントが貯まっている場合は事前に使用又は交換をするようにしましょう。

任意整理後にカードが使えなくなった事例

30代 女性

事前に司法書士から聞いていましたが、実際にアプラスの任意整理後にカードが使えなくなり、支払いを口座振替に切り替えました。少し不便ですが仕方ないと割り切っています。

ブラックリストに登録される

参考元:信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

任意整理をすると、信用情報に事故情報が登録され、ブラックリスト状態となります。

期間完済から約5年間登録される
借入カードローン
キャッシングが原則不可
ローン住宅ローン
自動車ローン
スマホ分割払いが原則不可
クレジットカード任意整理をしていないカードも
停止・解約になる可能性
アプラス任意整理中+完済から5年間
ブラックリストに登録される
任意整理中
完済後5年影響が残る

クレジットカードがなくても、デビットカードやPayPay等のQR決済で代替可能です。

ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。

自動車ローンへの影響

アプラスは自動車ローンも扱っているため、注意が必要です。

  • アプラスの自動車ローンを返済中の場合
    • 任意整理の対象となり車が引き上げられる可能性がある
  • アプラス以外の会社で自動車ローンを組んでいる場合
    • そのローンは対象外のため車を失うリスクはない

アプラスの自動車ローンを返済中に、アプラスを任意整理すると車が引き上げられる可能性があります。

ポイントは所有権留保を確認すること。(車検証と契約書で確認)

  • 所有権留保あり
    • 引き上げリスクあり
  • 所有権留保なし
    • 車を失う心配なし

自動車ローンについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

まとめ

  • アプラスを任意整理するとカード解約・ポイント失効が避けられない
  • ブラックリスト登録は完済から約5年間続く
  • 他社カードやローンも利用制限がかかる
  • アプラスで自動車ローン返済中なら車が引き上げられる可能性大
アプラスを任意整理するデメリット

過払い金の対象年|2007年3月31日以前(提携カードは2009年まで)

利息制限法の上限金利

法律で定められている上限金利は以下のとおりです。

借入額上限金利
10万円未満年20%まで
10万円以上~100万円未満年18%まで
100万円以上年15%まで

過払い金が発生する可能性

  • 対象になる可能性があるケース
    • 2007年3月31日以前からキャッシング取引をしていた場合
    • 一部の提携カードは2009年まで高金利での貸付が続いていた
  • 対象にならないケース
    • 2010年以降の新規借入
    • ショッピング利用分(キャッシング以外)は過払い金の対象外

取引期間ごとの過払い金の可能性

取引開始時期過払い金の可能性
2007年3月31日以前高金利で貸付
過払い金が発生する可能性あり
2007年4月~2009年提携カードなど一部で
過払い金が発生する可能性あり
2010年以降法律内の金利
過払い金は発生しない

引き直し計算をした結果どうなるか

  • 借金が減額される場合
    • 利息を再計算して元金が減り、その残高を分割で返済することになります。
  • 借金がゼロになり過払い金が出る場合
    • 任意整理ではなく、過払い金請求として返還交渉を行うことになります。

ポイントまとめ

  • キャッシングのみ対象:ショッピングは対象外
  • 2007年以前の取引:過払い金の可能性あり
  • 2010年以降:過払い金なし
  • 引き直し計算で「減額」か「過払い金請求」かが決まる

過払い金の診断については、以下の記事で詳しく解説しています。

返済中でも引き直し計算をすると過払い金発生する

任意整理の流れ(アプラスの場合)

STEP
面談

弁護士・司法書士に相談し、任意整理を依頼するかどうかを決定します

STEP
受任通知送付
  • 専門家がアプラスへ「受任通知」を送付。
  • この時点でアプラスからの督促や返済は一時的にストップします。
STEP
引き直し計算(過払い金がある場合)
  • 約3週間後にアプラスから取引履歴が届く。
  • 利息制限法を超える金利で取引していた場合
    • 引き直し計算を行い、残高を修正。
  • 結果によっては「減額」や「過払い金」が発生するケースがあります。
STEP
和解交渉
  • 利息カット+分割回数を交渉。
  • 借金がゼロになり過払い金が出ている場合
    • 任意整理ではなく「過払い金返還請求」に切り替わります。
STEP
返済再開

和解成立後、交渉内容どおりに元金のみを分割返済していきます。

依頼者が行うこと(任意整理期間中)

STEP
アプラスへの返済を止める
  • 交渉がまとまるまでの間は返済をストップ。
  • この間にアプラスから督促が来ることはありません。
STEP
積立金を行う
  • 任意整理後の返済に備え、毎月の返済額と同じくらいの金額を積み立てていきます。
  • これは「実際に返済を継続できるか」を確認するためのテストでもあります。
  • 積立ができない場合
    • 任意整理は難しいと判断され、個人再生や自己破産の検討が必要になります。
STEP
返済の再開

任意整理の交渉成立までの目安は3か月程度

その後は和解内容に従い、元金だけを分割返済していきます。

任意整理依頼後に依頼者が行うこと

任意整理は家族や会社に秘密のまま手続きできる

アプラスの任意整理は家族や会社に秘密にしたままできますか?

任意整理は自己破産等と比べて必要な書類が少なく、アプラスから連絡が来ることもないので家族や会社にバレる可能性が非常に少ない手続きです。

ただしブラックリストの影響には注意が必要です。

受任通知送付後はアプラスから直接連絡が来ることもなく、郵便物も専門家の事務所に届きます。

ただし、ブラックリストの影響でカード解約やローンが組めないことで、家族に疑われるリスクはあります。

クレジットカードを活用して生活している場合は、事前にデビットカードやスマホ決済などに変更しておくことが大切です。

デビットカードやスマホ決済については、以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問

アプラスの任意整理をすると職場に連絡されますか?

任意整理が原因で職場へ連絡が行くことはありません。

アプラスのキャッシング枠とショッピング枠を同時に整理できますか?

はい、どちらも任意整理の対象になります。ただしショッピング利用分は過払い金の対象にはなりません。

アプラスカードの家族カードも解約されますか?

家族カードの本会員のカードが解約になると、紐づく家族カードも使えなくなります。

アプラスのETCカードはどうなりますか?

親カード(本カード)が解約される場合は、ETCカードも利用停止となります。

アプラスの任意整理まとめ

  • アプラスの任意整理は利息免除+60回分割が目安
  • ブラック情報は完済から約5年
  • 自動車ローンは所有権留保に注意
  • 2007年3月31日以前(提携は2009年まで)のキャッシングは過払い金の可能性あり
  • カード解約でポイント失効/公共料金の支払変更が必要

司法書士からのアドバイス

アプラスの任意整理は、利息がカットされて長期の分割払いが可能になる点で大きなメリットがあります。

ただし、自動車ローンやカード解約・ブラックリストといった注意点を理解しておかないと、不利益につながることもあります。

任意整理は「誰でも同じ条件」ではなく、取引期間・借入金額・利用内容(キャッシングかショッピングか)によって結果が変わります。

そのため、まずは過去の取引履歴を取り寄せて、自分の借金や過払い金の状況を正しく把握することが第一歩です。

「返済が苦しい」「このまま支払っていけるか不安」と感じたら、早めに専門家へ相談してください。

司法書士や弁護士に依頼すれば、督促が止まるだけでなく、あなたに合った最適な返済プランを一緒に考えることができます。

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