楽天銀行スーパーローンは、返済が難しくなったときには「任意整理」という手続きで返済を楽にすることが可能です。
任意整理をすると利息が原則カットされ、元金のみを分割で返済していくことになります。
返済回数は60回(5年)の分割払いが基本です。
任意整理でどのぐらいのメリットが生まれるのか、楽天銀行を任意整理する際の注意点も含めて解説します。
参考元:債務整理-東京司法書士会
【保証会社別】任意整理の交渉相手
参考元:カードローン商品概要-楽天銀行
楽天銀行には保証会社がついており、借金を任意整理すると保証会社が代位弁済を行い、以後は保証会社と交渉する形になります。
- 楽天カード株式会社が保証の場合
- 任意整理後の交渉は楽天カードと行う
- 三井住友カード(旧SMBCファイナンスサービス)が保証の場合
- 任意整理後の交渉は三井住友カードと行う
借入先は楽天銀行でも、実際の返済先・交渉相手は保証会社になる点に注意が必要です。
【楽天銀行を任意整理した事例】

楽天銀行はネットで手軽に借りられる分、つい使いすぎてしまいました。毎月の返済に追われて生活費が足りなくなり、司法書士に相談して任意整理を決意しました。
楽天カードについては、以下の記事でも詳しく解説しています。


任意整理をした場合としない場合の比較
- 楽天銀行の借金を任意整理するとどうなりますか?
-
任意整理すると利息はなくなり、元金のみを最長60回(5年)の分割払いで返済でき、毎月の負担が軽くなります。
利息がなくなって60回の長期の分割払いになると言ってもわかりにくいと思います。
任意整理をしたケースとしないケースで比較します。
任意整理をしない場合(通常返済)
- 借入額:90万円
- 金利:14.5%
- 毎月の返済額:18,000円
- 利息の返済に10,000円以上
- 完済までの期間:約6年6か月
- 支払う利息総額:48万円以上
任意整理をした場合
- 借入額:90万円
- 利息:0%にカット
- 分割回数:60回(5年)
- 毎月の返済額:15,000円
- 完済までの期間:5年
- 支払う利息総額:0円
毎月の返済額は借入額を分割回数の60で割ると算出できます。
90万円÷60=15,000円が毎月の返済額になります。
任意整理前と後の比較表
任意整理前 | 任意整理後 | |
---|---|---|
利息総額 | 48万円以上 | 0円 |
完済までの期間 | 6年6か月 | 5年 |
毎月返済額 | 18,000円 | 15,000円 |
ポイントまとめ
- 任意整理をすると利息がなくなるため、総返済額が約48万円減る
- 毎月の返済額も3,000円減り、負担が軽くなる
- 返済期間も1年半ほど短縮できる
任意整理については、以下の記事でも詳しく解説しています。




任意整理のデメリット(楽天銀行特有のリスク)
- 楽天銀行を任意整理する際のデメリットを教えてください
-
楽天銀行スーパーローンは解約となり、ブラックリスト登録で新規借入やローン契約が困難に。
さらに口座凍結や他カード解約の可能性もあります。
スーパーローンの扱い
- 楽天銀行スーパーローンは解約になる
- 楽天会員の人は解約後も楽天ポイントが利用可能
ブラックリスト(信用情報への登録)
- 任意整理をすると信用情報に事故情報(ブラックリスト)が登録される
- 登録中は以下が難しくなる
- 新たな借入(カードローン・キャッシング)
- 各種ローン(住宅、自動車、スマホ分割など)
- クレジットカードの新規作成や継続利用
- 任意整理をしていないカードでも解約される可能性がある
- 影響は「完済後から5年」
- 現金払い・デビットカード・スマホ決済等の利用は可能
【デメリットとメリットを比較した事例】



最初は任意整理をするとしばらく住宅ローンが組めない点がネックでしたが、返済に追われる生活よりは任意整理をして正解だったと感じています。
ブラックリストの影響については、以下の記事でも詳しく解説しています。


口座凍結はいつ・どのくらい?(1〜3か月の目安と回避策)
- 任意整理すると口座が凍結される
- 基本的に受任通知が届いた時点で凍結される
- 凍結期間:おおよそ1〜3か月
- 預貯金と借入残高で相殺される
- 給与振込口座の場合
- 事前に別口座へ変更が必須
- 引き落としがある場合
- 自動引落が停止するため、他口座へ切替が必要
銀行の債務整理については、以下の記事でも詳しく解説しています。


デメリットのまとめ
項目 | 任意整理の影響 |
---|---|
スーパーローン | 解約になる |
信用情報 | ブラックリスト登録 借入 ローン クレカ利用不可 完済後5年で解除 |
他のカード | 解約の可能性あり |
生活への影響 | 下記は利用可能 デビットカード スマホ決済 |
楽天銀行口座 | 1~3か月凍結 預貯金と相殺 引落は事前に切替が必要 |


楽天銀行スーパーローンの任意整理の流れ
専門家が行うこと
- 弁護士・司法書士と面談し、状況を確認
- 任意整理に進めるか判断
- 楽天銀行へ受任通知を送付
- 以降は督促が止まる
- 利息カット(原則0%)
- 返済回数を保証会社(楽天カードまたは三井住友カード)と交渉
和解成立後、決められた条件で返済を再開
依頼者が行うこと
- 受任通知後、楽天銀行への返済は一旦停止
- 督促は来ない
- 交渉完了までの間(3〜6か月)、毎月積立を実施
- 用途
- 任意整理後の返済シミュレーション
- 専門家報酬の分割払い
- 積立ができない場合は任意整理は難しい
- 自己破産や個人再生を検討する必要あり


- 交渉成立後、楽天カードor三井住友カードへ返済開始
- 完済まで返済を継続
楽天銀行のよくある質問
- 楽天銀行スーパーローンで過払い金は発生しますか?
-
銀行は利息制限法の範囲内で貸付を行っているため、過払い金は発生しません。
- 楽天カードを利用している場合、影響はありますか?
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保証会社が楽天カードの場合は、借入残高が合算されて、どちらも任意整理の対象になります。
- 三井住友カードの場合はどうなりますか?
-
保証会社が三井住友カードの場合は、借入残高が合算されて、どちらも任意整理の対象になります。
- 楽天銀行スーパーローンを任意整理すると家族にバレますか?
-
基本的に家族に知られることはありません。
ただし、家族に知られないようにするためには、連絡方法を専門家と確認しておくことが重要です。
あわせて読みたい家族にバレずに債務整理はできる?司法書士が解説する注意点と対処法 債務整理をして家族や会社に借金があることが知られることはないか?秘密にしたまま債務整理をすることはできるのか?家族や会社に知られることなく債務整理ができるかについて解説しています。
まとめ
- 毎月の返済額が少なくなる
- 完済までに支払う金額が少なくなる
- 完済までの期間が短くなる
上記のメリットがでる可能性があります。
- 楽天銀行のカードローンは解約になる
- ブラックリストに登録される
- 楽天銀行の口座が凍結される
司法書士からのアドバイス
- 口座凍結への備えを
- 給与振込口座や公共料金の引落口座を事前に変更しておくことが大切です。
- 返済計画を現実的に立てる
- 任意整理後は「毎月どのくらいなら無理なく払えるか」を基準に積立金や返済額を調整する必要があります。
- 早めの専門家相談が有効
- 返済が滞る前に相談することで、選べる解決策が広がり、生活への影響を最小限にできます。