任意整理の遅延損害金を司法書士が解説【遅延損害金のカット】

  • 遅延損害金って何?
  • 任意整理をする場合、遅延損害金は支払うことになる?

借金の返済日に返済ができないと、返済日以降は通常の利息ではなく遅延損害金というものが発生します。

遅延損害金は多くの会社が年20%に設定をしているので、通常の利息よりも高く、放っておくとどんどん遅延損害金が増えていきます。

任意整理をすると利息はカットしてもらえますが、遅延損害金はカットしてもらえないこともあります。

遅延損害金がカットできない場合は、借金の元金に遅延損害金も含めて分割で返済をすることになります。

長期間滞納していたのであれば借金が時効になっていて、もう返済をする必要がなくなっていることもあります。

  1. 遅延損害金とは
  2. 遅延損害金はカットできるのか
  3. 時効や過払い金が発生している可能性

上記の順番で解説していきます。

目次

遅延損害金とは

返済ができなかった期間に発生する遅延損害金は支払う必要はありますか?

毎月の返済日に返済ができないと、遅れがあった日数分に対して遅延損害金が発生します。

これは通常の返済を怠った賠償金として発生するものなので支払う必要があります。

遅延損害金は普通に利息を払うよりも高い金額になるので、できる限り期限にしっかり払うようにするべきです。

支払いの期限までに支払えない時は、期限から数えて遅れがあった日数分の遅延損害金が付きます。

遅延損害金は利息よりも高い割合になり、遅延損害金は利息制限法で年20%が上限にされています。

そのため、多くの貸金業者が遅延損害金を年20%に設定しています。

50万円の借り入れで遅延損害金が年20%のケース

1年間支払いをせずにいれば10万円も遅延損害金が付くことになります。

遅延損害金とは

任意整理をすると遅延損害金はカットできる可能性がある

任意整理をしても遅延損害金は支払う必要はありますか?

原則的には遅延損害金の支払いは免除してもらうように交渉しますが、免除に応じてもらえないこともあります。

遅延損害金の免除に応じるかは貸金業者によって異なります。

また、普段は遅延損害金の免除に応じる貸金業者でも裁判を起こされている状況だったりすると、遅延損害金の免除に応じないこともあります。

任意整理は利息をなくしてもらう手続きですが、遅延損害金が発生している場合は遅延損害金も免除してもらうよう交渉を進めます。

遅延損害金のカットに応じるかは貸金業者によるところが大きく、問題なく免除に応じてもらえる貸金業者もあります。

免除には応じてもらえずに、元金と遅延損害金を合わせた金額を分割で支払う、という内容でしか任意整理に応じない貸金業者もあります。

通常は遅延損害金のカットに応じる業者でも、支払督促が送られてきていたり、裁判になっている状態だと遅延損害金のカットは厳しくなります。

遅延損害金はカットできないことがあるので、できる限り遅延損害金が大きくなる前に任意整理をするべきです。

任意整理で遅延損害金はカットできるか

任意整理をしても遅延損害金が免除されないこともある

任意整理をしても遅延損害金が免除にならない時はどうなりますか?

借金の元金と遅延損害金を合計した金額を分割で支払うことになります。

任意整理をしても遅延損害金がカットできなかった場合は遅延損害金も支払う必要があります。

借金が100万、遅延損害金が30万円ついていると

借金の元金100万円と遅延損害金30万円を合わせた130万円を3年~5年ほどの分割で支払っていくことになります。

130万円を5年間の60回払いになると毎月22,000円ほどの支払いになるので、この金額を支払っていける人は任意整理を行うことができる可能性があります。

支払いができないなら個人再生や自己破産を検討

遅延損害金が免除にならなかった結果、任意整理をしても毎月の返済が難しいのであれば他の債務整理をして解決を図ることになります。

個人再生は遅延損害金を含めて借金を減額してもらい分割で支払う手続きで、自己破産は遅延損害金も含めて借金の支払いを全て免除されます。

遅延損害金がカットできなかった場合の任意整理

時効で借金の返済をする必要がなくなる可能性がある

長期間滞納している借金は支払わなくてはいけませんか?

滞納している期間が5年以上になると、借金は時効になって返済をする必要がなくなります。

しかし、裁判をされていたりすると時効ではなくなるので、詳しくは弁護士や司法書士に調べてもらうべきです。

長期間取引をしていた人には過払い金が発生している可能性もあります。

遅延損害金が発生していても5年以上借金の支払いをしていない状況ならば、既に借金が時効になっていて支払いは必要ないかもしれません。

消費者金融、クレジットカード、銀行からの借入では返済期日から5年経過すると借金は時効になるので、返済をする必要がなくなります。

そのため、数年ぶりに請求が来た借金は、最初に時効になっているかどうかを確認すべきです。

ただし、5年の時効期間が過ぎていてもそのままでは時効は成立しません。

時効なので支払わないという意思表示=「時効の援用」という手続きを取る必要があります。

長期間滞納をしていても、裁判を起こされている場合等は時効にならないこともあるので、まずは弁護士や司法書士へ相談をして確認すべきです。

また、2007年以前から借入をしていた人は過払い金が発生している可能性があります。

過払い金が発生していれば、借金はなくなっていて逆に過払い金を返還をしてもらう立場になります。

長期間滞納していた場合
  • 取引が長かった人はまずは過払い金が発生していないか確認
  • 過払い金が発生していなければ次に時効になっていないか確認
  • 時効になっていなく返済が苦しい場合は債務整理を検討する
滞納中の借金が時効になっていることもある

まとめ

  • 返済期日に返済ができないと遅延損害金が発生する
  • 遅延損害金は任意整理をしてもカットできないことがある
  • 5年以上返済をしていない場合は借金が時効になり、返済をする必要がなくなる可能性がある
  • 2007年以前から取引があったら過払い金が発生している可能性がある
STEP
取引が長かった人はまずは過払い金が発生していないか確認
STEP
過払い金が発生していなければ次に時効になっていないか確認
STEP
時効になっていなく返済が苦しい場合は債務整理を検討する

借金の返済を怠たると、利息よりも高い遅延損害金が付きます。

任意整理をすると遅延損害金は免除されることもありますが、貸金業者によっては遅延損害金の免除に応じないことがあります。

免除にならなかった時は、借金の元金と遅延損害金の合計金額を分割で支払うことになります。

免除にならなかったことにより任意整理をしても支払っていけない・・・そのような時は個人再生や自己破産を検討すべきです。

そのようなことにならないように、支払いができなくなりそうになったなら、遅延損害金が付く前に早めに相談をすべきです。

また、5年以上支払いをしていない場合は借金が時効になっていることもあるので、数年ぶりに請求が来たような時は時効を疑うべきです。

取引が長い人は過払い金が発生している可能性もあります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次