任意整理の対象外のクレジットカードも使えなくなるか司法書士が解説

当サイトの記事は、 司法書士 三浦永二(東京司法書士会/登録番号7300号) が執筆・監修しています。

「任意整理をしてもクレジットカードは使い続けられますか?」という質問をよくいただきます。

対象にしたカードは受任通知の到達後すぐに使えなくなります。対象外にしたカードも、更新や途上与信のタイミングで止まる可能性が高いです。

カードが止まる時期と、止まる前に切り替えておく支払い方法を、司法書士が解説します。

この記事のポイント

対象のカード
受任通知の到達後すぐに利用停止・解約になる
同じ会社
他のカード・ETC・ショッピングローンもまとめて対象になる
対象外カード
更新審査や途上与信で止まる可能性が高い
代替手段
デビット・チャージ式QR決済・家族カード・ETCパソカ
再取得の目安
完済から約5年(任意整理した会社の扱いは別)

参考元:信用情報開示報告書-CIC

目次

任意整理したカードはいつ使えなくなる?

任意整理の対象にしたクレジットカードは、受任通知の到達後に利用が停止し、その後に解約(契約終了)となるのが一般的です。

対象に
したカード
対象外に
したカード
止まる時期 受任通知の
到達後すぐ
途上与信・
更新審査のとき
止まる可能性 確実に止まる 高い
ETC・家族カード 同時に解約 本カードと
同時に停止
ポイント 原則失効 停止と同時に
失効することがある

複数のカードを発行している場合

同じ会社から複数枚のカードを発行していた場合、その会社を任意整理すればすべてのカードが止まります。

ニコスで2枚のカードを持っている人がニコスを任意整理すると、カードは2枚とも解約になります。

同じ会社で組んだショッピングローンも、自動的に任意整理の対象になります。

ジャックスを任意整理すると、同社で組んだパソコンのローンなども対象になり、商品を引き上げられる可能性があります。

ショッピング・リボ払いを中心に債務整理を検討する場合の注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。

カード停止に備えていた事例

30代 女性

任意整理を依頼した翌週にはカードが使えなくなりました。司法書士に聞いていたので、事前にデビットに変えておいて助かりました。

任意整理の基本的な仕組みについては以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理の対象外にしたカードはいつから使えなくなるのか

任意整理では、整理する会社をある程度選ぶことができます。

たとえば、一括払いしか使っていないカードや、残高が少ないカードを任意整理の対象から外すことも可能です。

しかし、任意整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆるブラックリストに載ることになります。

カード会社は定期的に信用情報を確認しているため(途上与信)、対象外にしたカードも利用停止や更新拒否、強制解約になることがあります。

遅くとも更新時期までには使えなくなる前提で、支払い方法を早めに切り替えるのが安全です。

対象外にしたカードのその後

任意整理の対象外にしたカードは、実際に使えなくなったという方が多いです。
一方で、そのまま使えている方もいます。
止まるかどうか、いつ止まるかはカード会社の運用次第です。

認定司法書士 三浦永二

参考元:信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

クレジットカードを再び作れるまでの期間

事故情報が消えるのは、任意整理後に完済してから5年が目安です。

3年で完済した場合

依頼時

事故情報が登録される

対象にしたカードはすぐに止まり、対象外のカードも途上与信や更新のときに止まる可能性が高い

和解どおりに返済 3年
3年後

完済

事故情報はここから約5年残る

登録が残る期間 約5年
8年後

事故情報が消える

新しいカードの審査を受けられる。ただし任意整理した会社には社内の記録が残ることがある

ブラックリストの影響が残る期間については以下の記事でも詳しく解説しています。

クレジットカードの代わりに何が使える?

審査注意点
デビットカードなしリボ払い
キャッシングは不可
QR決済
スマホ決済
チャージ式はなしカードからのチャージは不可
家族カード本会員で判断本会員の協力が必要
ETCパソカなし保証金の預け入れが必要

デビットカード:審査なしで発行可能

デビットカードは基本的に審査がなく、事故情報が登録されていても持てます。

VisaやJCBなどのブランドデビットなら、店舗やネットショップなどで利用でき、支払額は利用と同時に銀行口座から引き落とされます。

デビットカードについては以下の記事でも詳しく解説しています。

PayPay等のQR決済、スマホ決済:チャージ式でブラックリストでも利用可能

PayPayなどのチャージ式のQR決済は、信用情報の影響を受けずに使えます。

チャージ元にしていたクレジットカードが解約された場合は、銀行口座や現金からのチャージに切り替えます。

なお、PayPayのあと払い(PayPayクレジット)はPayPayカードの支払い方法なので、扱いはクレジットカードと同じです。

チャージ式電子マネーについては以下の記事でも詳しく解説しています。

家族カード:信用情報の影響を受けずに利用可能

家族カードは、基本的に本会員の信用情報や支払い能力をもとに発行されます。

そのため、本人がブラックリストの状態でも、配偶者など家族が本会員であれば家族カードを利用できる可能性があります。

家族カードを利用した事例

40代 男性

クレジットカードが解約になると聞き、妻に家族カードを申し込んでもらいカードを使わせてもらいました。日常生活に支障はありませんでした。

家族カードについては以下の記事でも詳しく解説しています。

ETCパーソナルカード:ETCの代替手段

ETCパーソナルカードはクレジット契約ではないため、事故情報が登録されていても申し込めます。

クレジットカードを持てない期間でも、ETCを使い続ける方法の一つです。

ETCについては以下の記事でも詳しく解説しています。

カードが止まる前にやること

任意整理を依頼すると、受任通知はすぐに発送されます。

カードで払っている固定費は、依頼の前後で早めに切り替えておきます。

1カード払いの支払先を書き出す

電気・ガス・水道・携帯電話・サブスク・保険料など、カードで払っているものをすべて書き出します。

2口座振替かデビットカードに切り替える

公共料金や携帯料金は、口座振替に切り替えるのが確実です。
切り替えが反映されるまで1〜2か月かかることがあるため、早めに手続きします。
対象外のカードも更新時期までに止まる前提で、支払先を集中させないようにします。

3ETCを使う人は代わりのカードを申し込む

対象カードに付帯するETCカードは、本カードと同時に使えなくなります。
高速道路を日常的に使う人は、ETCパーソナルカードか家族カードのETCを用意します。

カードが使えなくなったからといって、クレジットカード現金化などのサービスは使わないでください。

手数料で負担が増え、和解した返済を続けられなくなる原因になります。

事前に支払い方法を変更した事例

20代 女性

任意整理を申し込んですぐに支払いを全部デビットに変えました。司法書士さんに教えてもらっていたので、慌てずに済みました。

よくある質問

クレジットカードのポイントやマイルはどうなりますか?

カードが解約になる場合は原則としてポイントやマイルは失効します。対象外のカードも停止されると同時に消滅することがあります。

任意整理後にスマホの分割払いはできますか?

信用情報に事故記録がある期間中は分割払いの審査に通らないことが多いです。一括払い等での購入を検討しましょう。

家族カードを利用する際、支払いは誰の口座から引き落とされますか?

本会員の口座から一括で引き落としされます。

完済後、任意整理した会社でまたカードを作れますか?

事故情報が消えた後でも、任意整理した会社には社内の記録が残ることがあり、同じ会社の審査は通りにくいです。

カードを作るなら、別の会社に申し込むのが現実的です。

過払い金請求でもクレジットカードは使えなくなりますか?

完済後の過払い金請求では事故情報は登録されず、止まるのは請求した会社のカードだけです。

返済中で、過払い金と相殺しても借金が残る場合は任意整理として扱われ、他社のカードにも影響します。

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