パート・アルバイトでも任意整理はできる？【司法書士が条件を解説】

「正社員ではないけれど、借金の返済が苦しい。任意整理ってできるの？」

パートやアルバイト、派遣社員の方でも、任意整理は可能です。

この記事では、パート・アルバイト・派遣社員の方でも任意整理が可能な条件や注意点を司法書士がわかりやすく解説します。

参考元：債務整理-東京司法書士会

パート、アルバイトでも任意整理は可能

パートやアルバイトでも任意整理をすることはできますか？

安定した収入があって、任意整理後の返済を行っていける見込みがあれば、パートやアルバイト、派遣社員の人でも任意整理をすることができます。

任意整理とは、借金の利息をカットし、元本を3年〜5年（36回〜60回）で分割返済する手続きです。

長期間の分割返済になるので、毎月安定した収入があるかどうかが任意整理の可否を左右します。

一方、日雇いの仕事や短期契約のパートやアルバイトの場合は、安定した収入とは認められず任意整理ができないケースがあります。

また、正社員であっても、支払い能力に問題があれば任意整理はできません。

任意整理ができない場合は個人再生や自己破産を検討する必要があります。

安定した収入があって任意整理後の長期間の返済ができそうなら、パートやアルバイトでも任意整理が可能

任意整理できるかどうかの判断方法

任意整理後に、返済を続けていけるかどうかはどうやって確認するんですか？

任意整理後は3年～5年⇒36回～60回での分割払いになるので、借金の金額を36～60で割って毎月の返済見込額を計算します。

手取りの収入から、毎月の生活費を除いて返済に回せる金額を算出し、返済に回せる金額が毎月の返済見込額を上回っていれば任意整理ができそうだと判断することになります。

後は実際に毎月積立金をして、任意整理後に支払っていけそうかをテストすることになります。

任意整理後の返済計画が現実的かどうかを確認するには、以下のステップで計算します。

返済可能額（3万円）が返済見込み額（17,000円）を上回っているため、任意整理による返済は可能と判断できる

「積立金」で実際に返済可能かを確認

任意整理を依頼した後は、貸金業者への返済をいったん止め、弁護士や司法書士事務所に毎月一定額を預ける「積立金」を行います。

一般的に積立金は3ヶ月～6ヵ月ほど行います。

積立金を実際に毎月振り込んでもらい、任意整理後にちゃんと支払っていけそうかどうかをテストします。

積立金ができないと任意整理では返済していくことは難しいと判断されるので、任意整理はできなくなります。

その際は、自己破産や個人再生の検討が必要になります。

任意整理は家族に秘密で行える？

任意整理は家族に秘密にしたままできますか？

任意整理は自己破産や個人再生と比べて、家族に秘密で行うことができる可能性が高い手続きです。

任意整理は、家族に知られずに手続きできる可能性が高い債務整理です。

参考元：信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

秘密で進めやすい理由

• 家族の収入証明や財産開示が不要
• 貸金業者からの直接連絡（電話・郵便など）が禁止される
• 退職金見込額などの資料提出も不要

たとえば夫に内緒で任意整理をしたいパート勤務の方などでも、安心して相談することができます。

ただし、生活費等をクレジットカードで支払っている人は注意が必要になります。

任意整理をすると、信用情報に登録され、クレジットカードの停止やローン審査の通過が難しくなることがあります。

生活費をカード払いしている場合などは、不審に思われる可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

パートやアルバイトでも、収入が安定していて、任意整理後の返済を行っていけそうなのであれば任意整理を行うことができます。

任意整理後に長期で毎月の返済を支払っていけそうかどうかの判断は、事前にある程度確認し最終的には積立金を行って判断をすることになります。

任意整理は家族に秘密のままでできる可能性が高い手続きなので、家族に秘密の人も安心して任意整理の手続きを行うことができます。

「正社員でないから無理かも」とあきらめず、まずは専門家に相談してみましょう。

早めの行動が、借金問題の解決につながります。