債務整理で保証人に迷惑はかかる?奨学金・車ローン・賃貸契約の注意点

当サイトの記事は、司法書士 三浦永二(東京司法書士会/登録番号7300号)が執筆・監修しています。

借入をするときに保証人を立てているケースとして、奨学金・車のローン・賃貸契約の3つは特に多く見られます。

これらに保証人がついている状態で本人が債務整理をすると、保証人にどんな影響が及ぶのか。

請求が来てしまった保証人はどう対応すればいいのか。

  • 借金を債務整理する側の方
  • 保証人として請求を受けた側の方

どちらの立場にも対応した内容にしています。

司法書士としての実務経験をもとに、ケース別の影響と現実的な対処法を解説します。

参考:保証契約とは-法務省

目次

債務整理で保証人にどんな迷惑がかかるのか

保証人がいる借り入れを債務整理をすると、保証人に迷惑がかかりますか?

保証人付きの借入を債務整理の対象にすると、保証人へ請求が行きます。

任意整理でその借入を対象から外し、返済を続けられる場合は、保証人への請求を避けられます。

債務整理をしても、その効果は本人の借金にしか及びません。保証人が負っている保証債務はそのまま残ります。

たとえば、本人が自己破産をして返済を免れても、基本的に保証人は債権者から残額の支払いを求められます。

さらに本人が債務整理をすると「期限の利益」を失うため、貸金業者は保証人に対して一括で支払うよう請求できることになります。

保証人にとっては突然連絡が来て、一括請求される可能性があるということです。

保証人問題が起こりやすい3つの契約

実務で「保証人付きの借金」として、相談を受けるケースで多いのは次の3つに集約されます。

奨学金
  • 債務整理で守れるか
    • 任意整理で除外し、返済を続けられれば、保証人へ請求は行かない
    • 個人再生・自己破産は除外できないので、保証人へ請求が行く
  • 要確認:人的保証か機関保証か
    • 機関保証の場合は保証人なし
自動車ローン
  • 債務整理で守れるか
    • 任意整理で除外し、返済を続けられれば、保証人へ請求は行かない
    • 個人再生・自己破産は除外できないので、保証人へ請求が行く可能性あり
  • 保証人とは別に確認:所有権留保
    • 所有権留保がある場合、車の引き上げが問題になる
賃貸契約
  • 債務整理で守れるか:滞納がなければ影響なし
  • 滞納がある場合
    • 任意整理で除外して、早めに滞納を解消できれば保証人へ請求行かない可能性あり
    • 個人再生・自己破産では除外できない可能性あり、除外できない場合は保証人へ請求が行く

奨学金|連帯保証人と保証人で請求範囲が違う

奨学金は、保証人問題が最もデリケートになる契約です。

参考:第一種奨学金の人的保証制度

人的保証は2人体制が原則

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金で「人的保証」を選んだ場合、下記の2人を立てる必要があります。

  • 連帯保証人:原則として父母
  • 保証人:4親等以内の親族で生計を別にしている人

一方「機関保証」を選んでいる場合は人的保証人は不要で、保証会社が代わりに保証している形です。

連帯保証人と保証人で「払う額」が違う

  • 連帯保証人:本人と同じ立場。
    • 請求が来たら全額を支払う義務がある。
  • 保証人:「分別の利益」がある。
    • 連帯保証人と保証人が1人ずつの場合、保証人は半分しか支払う義務がない。

「分別の利益」とは、保証人が複数いるときに、その人数で頭割りした金額しか支払わなくてよいという民法上の権利です。

日本学生支援機構の人的保証では連帯保証人と保証人の2人がいるので、通常の保証人は本来「半額」だけ払えばよいことになります。

日本学生支援機構で請求範囲が問題になった経緯

過去に日本学生支援機構が、保証人に対して全額を請求し、それを払ってしまった保証人が多数いたことが問題視されました。

日本学生支援機構も、札幌高等裁判所の判決を踏まえ、今後は保証人に対して返還未済額の2分の1を請求する対応を示しています。

これまで保証人の方への請求に当たっては返還未済額の全額を請求してきたところですが、今後は判決内容に照らし、返還未済額の2分の1の額を請求させていただくこととします。

引用:札幌高等裁判所判決を踏まえた今後の保証人への対応について

奨学金を除外して他の借金だけ任意整理する方法

奨学金に保証人が付いている場合、保証人への請求を避けるために、奨学金を任意整理の対象から外すことがあります。

たとえば、奨学金はこれまでどおり返済し、消費者金融やカードローンだけを任意整理する方法です。

この方法であれば、奨学金の保証人へ請求が行くリスクを抑えられる可能性があります。

除外しても返済が回るのであれば、これが保証人を守る最も現実的な選択肢です。

司法書士の判断軸(奨学金の保証人問題)

相談現場で奨学金の保証人問題に直面したとき、私がまず確認するのは次の3点です。

  1. 保証は人的保証か機関保証か
    • 機関保証なら、そもそも親族には請求が行きません。
    • ここを確認せずに「親に迷惑がかかる」と思い込んでいる方が意外と多いです。
  2. 家計から月いくら返済できるか
    • 奨学金を任意整理から除外しても、他の借金とあわせて返済可能か。
    • これで取れる手続きが決まります。
  3. 債務整理に含めざるを得ない場合の保証人対応
    • 奨学金を債務整理に含めると、保証人に請求が行きます。
    • 保証人に支払い能力がない場合は、保証人自身も債務整理を検討する必要があります。

奨学金を残すと毎月の返済負担は残ります。

そのため、保証人を守ることだけでなく、本人が今後も返済を続けられる家計かどうかを一緒に確認する必要があります。

奨学金を除外してカードローンだけ任意整理した事例はこちら。

自動車ローン|保証人への請求と車の引き上げを分けて確認する

車のローンは、保証人の有無だけでなく「車の所有権が誰にあるか」もセットで確認する必要があります。

車ローンには2つの問題が同時に発生する

  • 保証人問題
    • 保証人が立てられている場合、債務整理で保証人に請求が回る
  • 所有権留保問題
    • 完済までローン会社が車の所有権を持っている場合、債務整理をすると車を引き上げられる

なお、車の引き上げと保証人への請求の順番は、ローン会社の運用や契約内容によって異なります。

そのため、「必ず車の引き上げが先」とは限りません。

自動車ローンを残して任意整理できるか

車を残したい・保証人を守りたいなら、自動車ローンを任意整理から除外できるかが鍵です。

除外しても他の借金が無理なく整理できるならば可能です。

しかし、収支が厳しいと除外できず、個人再生や自己破産を選ばざるを得ないケースもあります。

司法書士の判断軸(車ローンの保証人問題)

自動車ローンは、消費者金融やクレジットカードと比べて金利が低く、任意整理をしても返済額が大きく下がらないケースがあります。

また、所有権留保があるローンを整理対象にすると、車の引き上げが問題になることがあります。

そのため、実務上は自動車ローンを任意整理から除外し、車の返済は続けながら、他の借金だけを任意整理するケースがほとんどです。

保証人が付いている場合も同じです。

自動車ローンを除外して返済を続けられれば、保証人へ請求は行きません。

保証人がいる自動車ローンを任意整理する場合

まれに保証人が付いている車ローンについても任意整理を希望される方がいます。

その場合は、保証人へ請求が行くことを説明したうえで、保証人の返済能力や、保証人も含めて債務整理を検討する必要があるかを確認します。

「保証人の有無」だけでなく、「車を残せるか」「任意整理するメリットがあるか」「保証人も対応できるか」を判断することが大切です。

車ローンと債務整理の詳細はこちら。

賃貸契約|家賃滞納があると保証人へ請求される

カードローンやクレジットカードを債務整理しただけで、賃貸契約の連帯保証人へその借金が請求されるわけではありません。

ただし、家賃滞納がある場合は別です。

賃貸の連帯保証人が保証する範囲

賃貸の連帯保証人が責任を負うのは、原則として次の項目です。

  • 滞納家賃
  • 更新料
  • 退去時の原状回復費用や損害賠償

3つのケースで影響を整理する

ここを混同している方が多いので、場合分けして整理します。

  • ケース1:家賃滞納なし+カードローンを債務整理
    • 賃貸の連帯保証人には影響なし。
    • 家賃が滞らない限り、大家や保証会社から保証人へ連絡が行くことはありません。
  • ケース2:家賃滞納あり+債務整理で滞納家賃も整理対象
    • 滞納家賃は本人については減額や免責の対象になります。
    • 連帯保証人には滞納分が一括請求される可能性があります。
  • ケース3:債務整理後に賃貸を新規契約・更新する
    • 信用情報がブラックの間は、信販系の家賃保証会社の審査に通りにくくなります。
    • これは保証人問題というより、新しい部屋を借りられるかという別問題です。

家賃を滞納していない場合、カードローンや消費者金融の債務整理で、賃貸の連帯保証人へ請求が行くことはありません。

家賃を滞納していて、家賃も債務整理の対象になる場合だけ、保証人に影響がでることになります。

司法書士の判断軸(賃貸の保証人問題)

相談では、「賃貸契約で親が保証人になっているのですが、債務整理をすると親に請求されますか」と聞かれることがあります。

この場合、まず確認するのは家賃滞納の有無です。

家賃を滞納しておらず、整理対象がカードローンや消費者金融だけであれば、賃貸契約の保証人へ借金の請求は行きません。

私が相談現場で実際にお伝えしているのは次の2点です。

  1. 家賃は滞納しないようにしてください
    • 滞納がなければ債務整理は家賃の保証人に影響しません。
  2. 次の引っ越しの際は少し注意が必要
    • ブラックリスト期間中は、信販系の家賃保証会社の審査に通りにくくなります。
    • 連帯保証人の問題と、自分が新しい部屋を借りられるかは別問題として整理してご案内しています。

賃貸契約と債務整理の詳細はこちら。

債務整理の種類別にみる保証人への影響

保証人への影響は、どの債務整理を選ぶかによって変わります。

任意整理は保証人付きの借金を除外できる場合がある

任意整理は、整理する借入先を選べる手続きです。

そのため、保証人付きの借金を対象から外し、保証人がいない借金だけを整理できる場合があります。

  • 奨学金はそのまま返済する
  • 車のローンは除外する
  • 家賃滞納分は任意整理の対象にせず、早めに滞納を解消する
  • 消費者金融やカードローンだけ任意整理する

この方法を取ることで、保証人へ請求が行くリスクを抑えられる可能性があります。

任意整理については、以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理で保証人付き借金を除外する場合の考え方

任意整理で保証人付きの借金を除外する場合は、次の点を確認します。

  • 保証人付き借金の返済額
    • 除外した後も、毎月の返済を続けられるか確認します。
  • 他の借金の整理後返済額
    • 任意整理後に、他の借金を毎月いくら返済することになるかを確認します。
  • 家計の余力
    • 保証人付き借金の返済と、任意整理後の返済を合計しても、生活費を圧迫しすぎないか確認します。
  • 他の手続きの必要性
    • 任意整理で返済を続けるのが難しい場合は、個人再生や自己破産も含めて検討します。

除外した借金の返済を続けられなければ、無理な返済計画になってしまいます。

保証人への影響を避けることだけでなく、本人の家計が成り立つかどうかもあわせて確認することが大切です。

具体例

保証人付き借金を任意整理から外すと、毎月の返済額がどう変わるかをシンプルに計算します。

  • A社:30万円(保証人なし)月1万円返済
  • B社:30万円(保証人あり)月1万円返済

A社・B社の両方を任意整理した場合(60回払い): A社5,000円+B社5,000円=合計1万円

B社を除外してA社だけ任意整理した場合:A社5,000円+B社1万円(従来どおり)=合計1万5,000円

保証人を守るには毎月5,000円多く払い続ける必要がある。

この差額が払えるかどうかが、保証人を守れるかどうかの分かれ目です。

任意整理ができないパターンの詳細はこちら。

個人再生は保証人付き借金だけを除外できない

個人再生は、原則としてすべての借金を対象に含めなければならない手続きです。

そのため、保証人付きの借金だけを外して、他の借金だけ個人再生するという扱いは原則としてできません。

本人の借金が個人再生で減額されても、保証人の責任は残ります。

その結果、保証人に対して残額の請求が行く可能性があります。

奨学金、自動車ローン、滞納家賃などに保証人がいる場合は、個人再生を選ぶ前に保証人への影響を確認する必要があります。

ただし、住宅ローン特則を使う個人再生では、住宅ローンを従来どおり返済し続けることがあります。

住宅ローンに保証人がいる場合でも、返済を継続できれば保証人への請求を避けられる可能性があります。

個人再生の詳細はこちら。

自己破産でも保証人の責任は残る

自己破産は、裁判所を通じて借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。

ただし、本人が免責を受けても、保証人の責任は消えません。

そのため、保証人付きの借金がある状態で自己破産をすると、保証人へ請求が行く可能性があります。

特に注意が必要なのは、次のようなケースです。

  • 奨学金に親や親族が保証人として付いている
  • 車のローンに保証人が付いている
  • 家賃滞納があり、賃貸契約に連帯保証人がいる
  • 家族が保証している事業資金がある

保証人が一括で支払えない場合は、保証人自身も分割交渉や債務整理を検討する必要が出てくることがあります。

自己破産の詳細はこちら。

保証人に迷惑をかけないための確認ポイント

ここからは、債務整理を検討している本人向けの手順です。

STEP1:保証人付きの借金を洗い出す

まず、自分のすべての借金について、保証人がついているかどうかを確認します。

確認方法は次のとおりです。

  • 契約書・契約締結時の書類を確認する
  • 奨学金は人的保証か機関保証かを確認する(日本学生支援機構のスカラネット・契約書で確認可能)
  • 車のローンは契約書で確認する
  • 賃貸契約書を確認する

なお、主債務者本人の信用情報だけで、保証人の有無や保証人が誰かまで正確に分かるとは限りません。

詳しくは後述の「信用情報の開示で保証契約は確認できるか」のセクションを参照してください。

STEP2:除外して返済できるか試算する

保証人付きの借金を任意整理から除外できるかを検討します。

除外できるかどうかは、家計の状況によって変わります。

奨学金を除外する場合は、奨学金の返済を続けながら、任意整理後の返済もできるかを確認します。

車ローンを除外する場合は、車ローンの返済を続けながら、他の借金の返済もできるかを確認します。

家賃滞納がある場合は、家賃滞納分をどう解消するかも重要です。

任意整理で保証人付き借金を除外できるかは、単に「除外したい」という希望だけでは決まりません。

除外後の返済を継続できるかが重要です。

STEP3:保証人へ請求が行く可能性があるなら伝え方も考える

保証人へ請求が行く可能性が高い場合、何も伝えずに手続きを進めると、家族関係や人間関係が悪化することがあります。

保証人へ伝える前に、次の点を整理しておくことが大切です。

  • どの借金に保証人が付いているか
  • 保証人へ請求される可能性がある金額
  • 一括請求になる可能性/分割交渉の余地
  • 保証人自身も支払えない場合の選択肢

保証人を辞めることはできるか

結論:原則として一方的には辞められない

「家族関係が悪くなった」「最初は短期間のつもりだった」など、保証人側の事情だけで辞めることは原則できません。

保証契約は、債権者と保証人との契約です。

本人や保証人だけの判断で終了できるものではなく、債権者の同意が必要になります。

保証人を辞められる可能性があるケース

保証人を外すには、債権者が納得する事情が必要です。

たとえば、次のような対応が考えられます。

  • 残債を完済する
  • 代わりの保証人を立てる
  • 担保を差し入れる
  • 債権者と合意して保証契約を終了する
  • 賃貸契約で保証人変更の承諾を得る

ただし、債権者が応じるとは限りません。

債権者にとって保証人は、回収のための重要な担保です。

そのため、保証人を外すことは簡単ではありません。

債務整理では「保証人を外せるか」より「除外できるか」を先に考える

債務整理の場面では、「保証人を外せるか」よりも、まず「保証人付きの借金を整理対象から外せるか」を考えるのが現実的です。

任意整理で保証人付きの借金を除外できれば、保証人へ請求が行くリスクを抑えられます。

保証人付きの借金も整理対象にする場合や、個人再生・自己破産を選ぶ場合は、保証人への請求を前提に対応を考える必要があります。

保証人や本人が亡くなった場合の取り扱い

保証人問題は、本人や保証人が亡くなったときにも問題になります。両方向から整理します。

保証人が亡くなった場合:保証債務は相続される

通常の保証債務は相続人に引き継がれます。

例外として「身元保証」(就職時の身元引受人など)は、保証人の死亡で原則として消滅し、相続されません。

相続したくない場合は相続放棄を検討

保証債務が大きく、相続財産より負担が大きい場合は、相続放棄を検討することがあります。

ただし、相続放棄には期限があります。

原則として、相続があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

本人(債務者)が亡くなった場合:保証人の責任は消えない

本人が亡くなったら保証人の責任も消える、と誤解されている方が多いのですが、本人の死亡で保証債務が消滅することはありません。

  • 相続人が借金を引き継いで返済を続ける:保証人の責任はそのまま継続
  • 相続人全員が相続放棄した:次の順位の相続人もいない場合は保証人へ請求が回る
  • 相続人が借金を相続したうえで自己破産した: 保証人へ全額請求

本人が亡くなった場合は、むしろ保証人にとって請求が現実化しやすい場面です。

司法書士の判断軸(相続と保証人)

注意すべきは、家族でも知らない保証契約がある可能性です。

「父が親族の事業の連帯保証人になっていたと、亡くなってから判明した」というケースは実際にあります。

信用情報を取得して確認をすることが重要です。

保証契約を信用情報で確認したい場面には、大きく2つのパターンがあります。

  • 「自分の借金に保証人がいるか」を調べる場合
  • 「自分が誰かの保証人になっているか」を調べる場合

上記では確認方法が異なります。

主債務者本人の信用情報を見ても、自分の借金に保証人が付いているかどうかを正確に確認できるとは限りません。

一方で、自分が誰かの保証人になっている契約については、信用情報に登録されていることがあります。

また、信用情報機関ごとの扱いは、次のとおりです。

  • CIC
    • 保証人となった事実が登録されます。
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター)
    • 銀行等のローン、保証、連帯保証人になることに関する情報が登録対象に含まれます。
  • JICC
    • 個人の契約に係る保証人情報は登録されません。
    • ただし、法人代表者が法人契約の保証人になっている場合は、保証を引き受けた事実が登録される場合があります。

参考:保証人になっている場合、その内容は登録されますか?-JICC

そのため、「自分が誰かの保証人になっていないか」を確認したい場合は、CICやKSCの開示が手がかりになることがあります。

亡くなった方が保証人になっていたかを確認する場面では、CICとKSCの両方を開示することで、保証情報を確認できる可能性があります。

信用情報に出てこない保証契約

賃貸の保証会社や、中古車販売店の自社ローンなどでは、信用情報機関に加盟していない会社が関係していることがあります。

このような会社で保証人になっている場合、保証人本人の信用情報を開示しても、保証契約が表示されない可能性があります。

つまり、信用情報の開示は有効な確認方法のひとつですが、万能ではありません。

保証人の有無を確認するには、契約書、申込書、奨学金の保証制度に関する書類、請求書、督促状などを見るのが基本です。

不明な場合は、各借入先に直接問い合わせるのが確実です。

【保証人の方向け】請求が来た場合の対応

自分が保証人として請求を受けた場合の対応方法です。

まずは請求内容と自分の立場を確認する

  • どの契約に基づく請求か(奨学金・車ローン・カードローン・賃貸の家賃滞納など)
  • 自分は連帯保証人か、通常の保証人か
  • 請求金額
  • 時効の可能性がないか
  • 一括請求か、分割の余地があるか

支払期日から5年以上経過している場合は、時効で返済をする必要がない可能性があります。

時効については以下の記事で詳しく解説しています。

一括で払えない場合は分割交渉を検討する

請求が一括であっても、分割交渉に応じてもらえるケースもあります。

担当窓口に連絡し、下記を伝えて交渉します。

  • 一括では支払えないこと
  • 月々いくらまでなら支払える

分割の交渉ができた場合、支払い計画の合意は、後のトラブル防止のために必ず書面で残しておきましょう。

放置すると、裁判や差押えに進む可能性があります。

支払えないからといって請求書を無視するのではなく、早めに対応方針を決めることが大切です。

保証人自身も支払えない場合は債務整理を検討する

分割でも支払えない場合は、保証人自身も債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)を検討することになります。

注意点として、保証人が債務整理をすると保証人自身の信用情報にも事故情報が登録されます。

クレジットカードや新規ローンの利用ができなくなる期間が発生するため、慎重な判断が必要です。

可能であれば、本人と保証人が同じ司法書士・弁護士に相談するのがおすすめです。

本人と保証人それぞれの状況を踏まえて、よりよい選択肢を検討できます。

債務整理でブラックリストに載る期間の詳細はこちら。

身に覚えのない請求が来た場合

「保証人になった覚えがないのに請求が来た」というケースもあります。この場合の対応は次のとおりです。

  • 保証契約は書面でなければ成立しない(民法上、口頭の保証契約は無効)
  • 本人の同意なしに名前が書かれているだけでは保証契約は成立しない
  • ただし、少額でも支払うと事後的に同意したとみなされるリスクがある

身に覚えがない請求にはとりあえず一切支払わず、まず司法書士・弁護士に相談するのが鉄則です。

債務整理後に保証人になることはできる?

債務整理をすると、信用情報に事故情報が登録されるため、その期間中は新たに保証人になることが難しくなる可能性があります。

たとえば、子どもの奨学金、賃貸契約、ローン契約などで保証人になる場合、審査に影響することがあります。

ただし、審査の有無や判断基準は契約内容や保証会社によって異なります。

債務整理後にできなくなることや代替手段については、以下の記事で詳しく解説しています。

よくある質問

債務整理をすると保証人に必ず請求されますか?

保証人付きの借金を整理対象にすると、保証人へ請求される可能性があります。ただし、任意整理で保証人付きの借金を対象から外せる場合は、保証人への請求を避けられる可能性があります。

奨学金を自己破産すると親に請求されますか?

人的保証の奨学金で、親が連帯保証人になっている場合は、本人が自己破産すると親へ請求される可能性があります。また、親族が通常の保証人になっている場合も、請求を受ける可能性があります。

奨学金の保証人に迷惑をかけない方法はありますか?

任意整理で奨学金を対象から外し、他の借金だけを整理できる場合があります。たとえば、奨学金はこれまでどおり返済し、消費者金融やクレジットカードだけを任意整理する方法です。

車のローンを債務整理すると保証人に請求されますか?

保証人付きの車ローンを債務整理の対象にすると、保証人へ請求される可能性があります。また、所有権留保がある車ローンでは、車の引き上げも問題になります。車を残したい場合や保証人への請求を避けたい場合は、車ローンを任意整理から除外できるかを確認します。

賃貸契約の保証人に債務整理の連絡は行きますか?

カードローンや消費者金融の借金を債務整理しただけで、賃貸契約の保証人にその借金が請求されるわけではありません。ただし、家賃滞納、更新料、退去費用などの未払いがある場合は、賃貸契約の連帯保証人へ請求される可能性があります。

保証人に内緒で債務整理できますか?

保証人付きの借金を任意整理から除外できる場合は、保証人へ請求は行きません。保証人に知られずに手続きを進められます。

保証人は途中で辞めることができますか?

原則として、保証人が一方的に辞めることはできません。保証契約を終了させるには、債権者の承諾や、代わりの保証人の設定、完済などが必要になることがあります。

保証人が亡くなった場合、相続人が支払うことになりますか?

保証人が亡くなった場合、基本的には保証債務が相続人に引き継がれます。請求が来た場合は、契約書や請求内容を確認し、相続放棄の期限にも注意が必要です。

保証人になった覚えがないのに請求が来たらどうすればいいですか?

身に覚えのない請求が来た場合は、すぐに支払わず、まず契約書や請求根拠を確認してください。保証契約は、本人の意思に基づいて成立する必要があります。

不明な点がある場合は、支払う前に専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ|保証人がいる場合の債務整理で後悔しないために

最後に、3つのケース別に「保証人を守るための要点」を整理します。

契約本人が債務整理した場合保証人を守る方法
奨学金人的保証では連帯保証人・保証人へ請求される可能性あり任意整理で除外
車ローン保証人請求+車の引き上げ任意整理で除外
所有権留保の確認
賃貸家賃滞納がなければ影響なし滞納を作らず家賃は払い続ける
  • 任意整理なら保証人付き借金を除外できる場合がある:ただし除外後も返済が回ることが条件。
  • 個人再生・自己破産は除外不可:保証人は原則として全額を一括請求される。

保証人に迷惑をかけたくない場合は、債務整理を始める前に、どの借金に保証人が付いているのかを整理することが大切です。

判断に迷う場合は、チャット・LINE・メールでご相談ください。

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