過払い金請求でいつから借りたかを確認する方法6つを司法書士が解説

  • 過払い金請求をしたいけどいつからの取引だったのか覚えていない
  • 当時の書類も捨てたので何も残っていない

このような状態でも過払い金が発生していれば請求を行うことができます。

弁護士や司法書士に依頼をすると、弁護士や司法書士が貸金業者から取引履歴というものを取り寄せます。

取引履歴があれば過払い金の調査から請求までのすべてをすることができます。

そのため書類が残ってなくても問題なく請求を行うことができます。

ただ、自分で調べられるところは調べたいという人もいると思うので、今回は弁護士や司法書士に依頼をせずに、自分でいつからの取引だったのかを確認する方法を解説します。

目次

いつからの借入だったのかを覚えていない場合

いつから借りていたかを覚えていない場合はどうすればいいですか?

いつからの取引だったのかを覚えていない場合、過去の契約書や明細で契約日が記載されていれば確認できます。

口座引き落としで返済していたのであれば通帳等で引き落としの日付を確認できます。

利息制限法という法律では借入額に対する利息の上限が定められています。

この利息の上限を超えた利息で取引を行っていた場合に過払い金は発生します。

利息制限法の金利の上限
10万円未満の借入20%まで
10万円以上~100万円未満の借入18%まで
100万円以上の借入15%まで

多くの貸金業者は2007年の途中に過払い金の発生しない利息制限法内の利息に見直しをしています。

そのため、2007年よりも前からキャッシングの借り入れをしている人には過払い金は発生する可能性が高いです。

反面、2008年以降に借入を開始した人は過払い金が発生する可能性は低くなります。

※アプラスやニッセン等、貸金業者によっては2008年~2010年頃まで過払い金が発生する利息での取引を行っている会社もあります。

いつからの取引だったのか覚えていないくても、弁護士や司法書士に依頼をすると詳しく調べることができます。

書類が残っている場合は、借入の開始時期は以下の方法で確認をすることができます。

書類がある場合の確認方法
  • 契約書で確認
  • 明細で確認
  • 通帳で確認

契約書がある場合

貸金業者との契約書があれば契約日を確認することができます。

契約書には当時の利息も記載されているので、過払い金が発生するかどうかがすぐに確認できます。

利息が20%よりも高ければ過払い金が発生しています。

明細がある場合

ATMで返済している場合は、貸金業者にもよりますが支払い明細に契約した日が記載されている場合があります。

契約した日が載っていない貸金業者もあるので、その場合は明細ではいつからの借入だったのかを確認することができません。

また、明細では借り入れ当初の利率が何%だったのかを確認することはできません。

通帳に記載がある場合

口座引き落としで返済していた場合は、通帳で引き落とし日が確認できるので少なくともその日よりも前から取引があったことを確認できます。

ただし通帳では利息が何%だったのか記載されることはないので、利息の確認はできません。

ショッピングでは過払い金は発生しませんが、通帳ではキャッシングかショッピングの支払いのどちらだったのかを確認することもできません。

書類が残っていない場合

契約書や明細等の書類もない場合、過払い金があるか確認するにはどうすればいいですか?

書類がない場合は、貸金業者によっては電話でいつからの取引だったのかを確認することができます。

取引履歴を取り寄せたり、信用情報を取得する方法もあります。

書類が残っていない場合でも、過払い金請求を行うことができます。

弁護士や司法書士に依頼をすれば、資料を取り寄せて過払い金の計算を行いますが、以下の方法で本人で確認をすることもできます。

書類が残ってない場合
  • 電話で確認
  • 取引履歴を取り寄せて確認
  • 信用情報を取り寄せて確認

電話で確認

貸金業者によっては、電話でいつからの借入だったのか?当初の利息が何%だったのかを確認することができます。

いつ完済したのかも確認することができる場合は、完済から10年での時効になっているかどうかも確認することができます。

電話では教えてもらえない貸金業者の場合は以下の方法での確認が必要になります。

取引履歴を取得する

個人の人でも貸金業者から「取引履歴」というものを取得することができます。

取引履歴には過去にいついくら借りて、いついくら返済してきたかが記載されていて、貸金業者によっては利息が何%だったかも記載されてます。

取引履歴があれば過払い金の正確な計算をすることができ、完済日もわかるので時効かどうかも確認できます。

取引履歴は貸金業者のカスタマーセンターへ連絡して、取引履歴を取得したい旨を伝えれば取得方法を案内してもらえます。

電話だけで取得できるところもあれば、書面で申請が必要なところもあります。

電話ならその場でいつからの取引だったか確認できますが、取引履歴の取得には1週間~2か月ほど時間がかかります。

そのため、まずは電話で確認をして2007年以前の取引であれば取引履歴を取り寄せる方法がおすすめです。

ただし電話ではいつからの取引だったのかの確認がとれない貸金業者もあります。

弁護士や司法書士の事務所によっては、取引履歴を本人に代わって取得し過払い金の計算まで無料で行っている所もあります。

いつからの取引だったのかわからない人は、そのような事務所に調査を依頼する方法もあります。

信用情報機関で確認

資料等が残っていない場合は信用情報機関から信用情報を取得すると、貸金業者ごとの契約日を確認することができます。

信用情報では当初の利息が何%だったのかを確認することはできません。

信用情報機関にはCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターがあります。

例えばCICから信用情報を取得すると取引があったCICに登録している業者の情報が全て開示されます。

電話での確認や取引履歴の取得は1社ごとに行う必要があります。

しかし、信用情報では信用情報機関に登録している貸金業者でいつから借入をしていたのかをまとめて確認することができます。

信用情報では過去に取引があった会社が一連で開示されるので、会社名がわからなくてもどこからの借入だったのかを確認することができます。

契約終了から5年以上経っている場合は信用情報機関の情報が削除されていて、確認できないことがあります。

信用情報の取得
  • 信用情報ではその信用情報機関に登録している、取引があった貸金業者の契約日をまとめて確認できる
  • 借りていた貸金業者の名前がわからない場合も、どこから借りていたのか確認できる
  • 契約終了から5年以上経過していると、情報が削除されていて確認がとれないことがある

まとめ

書類がある場合の確認方法
  • 契約書で確認
  • 明細で確認
  • 通帳で確認
書類が残ってない場合
  • 電話で確認
  • 取引履歴を取り寄せて確認
  • 信用情報を取り寄せて確認

いつからの取引だったのかを自分で確認する方法としては、契約書や支払明細、通帳があれば確認することができます。

書類がない場合も、貸金業者によっては電話で確認できますし、取引履歴や信用情報を取得することで確認できます。

特に取引履歴にはいつからの借入だったのかと、完済日が記載されていて、貸金業者によっては利息が何%だったのかも記載されています。

過払い金の計算から請求には必ず取引書類が必要になり、弁護士や司法書士に依頼をする場合は弁護士や司法書士が取引履歴を取り寄せます。

本人で取引履歴を取得してから弁護士や司法書士へ取引履歴を持ち込めば、再度取引履歴を取得する必要はないため時間の短縮にもなります。

書類がない場合は電話でいつからの取引だったのかを確認し、2007年以前からの取引であれば取引履歴を取得するという方法がおすすめです。

借りていた会社の名前がわからない場合は、信用情報機関から信用情報を取得することで確認できます。

しかし、契約終了から5年以上の期間が経っている場合は信用情報は削除されて確認をすることはできません。

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