- 任意整理の返済代行って何?
- 返済代行のメリットとデメリットが知りたい
任意整理をした後は決まった金額を毎月「振り込み」で返済していくことになるので、カードや支払用紙での支払いはできません。
任意整理後の振り込み方法には、下記の二つの方法があります。
- 本人が各貸金業者に直接振り込む方法
- 弁護士や司法書士に振り込み、専門家が債権者に返済を行う「返済代行」
本記事では、返済代行の流れやメリット・デメリットについて、司法書士がわかりやすく解説します。
任意整理の返済代行とは?
- 任意整理をした後の返済はどのようにするんですか?
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本人が直接貸金業者へ振り込む方法と、返済代行という方法があります。
返済代行の場合は、貸金業者への返済を弁護士や司法書士が行います。
依頼者は弁護士や司法書士事務所へお金を振り込み、依頼者から振り込まれた金額を弁護士や司法書士が貸金業者へ振り込という方法になります。
任意整理の返済代行とは、任意整理後の毎月の返済を弁護士や司法書士が代行して行う方法です。
返済代行では依頼者は毎月1回、弁護士または司法書士の事務所に決まった金額を振り込みます。
その後、専門家が各債権者へ支払いを振り分けます。
この方式により、債権者と直接やり取りをせずに返済を進めることが可能になります。
返済代行のメリット
- 振込先が、弁護士や司法書士事務所の1か所になるので管理が楽になる
- 返済に遅れがあっても、貸金業者からの連絡は来ないので秘密を守りやすい
振込先が1つになり返済管理が楽になる
複数の会社と任意整理を行った場合、返済代行を利用しないと、自分で毎月それぞれに振込を行う必要があります。
しかし返済代行を利用すれば、専門家の事務所1か所にまとめて振り込むだけで済みます。
債権者からの連絡がなく、家族にバレにくい
返済代行を利用しない場合の連絡先
返済代行を利用しない場合、任意整理成立後に弁護士や司法書士が業務を終了することが多いです。
専門家の業務が終了すると、返済の遅延などがあった際は債権者から本人に直接連絡や郵送物が届きます。

返済代行を利用する場合の連絡先
返済代行を利用すれば、弁護士や司法書士が返済完了まで委任を受けた状態となるため、債権者からの連絡はすべて専門家宛になります。
また、専門家から本人への連絡は、事前に取り決めた方法(メール・電話・時間帯)で行われます。
そのため、郵便物や突然の電話で家族に知られるリスクが低く、債務整理を家族に内緒にしたい方にも安心です。
万が一のときも専門家が対応できる
支払いが難しくなった場合、返済代行を利用していれば、支払いの猶予等の債権者との調整も専門家が行います。
直接振り込み方式では、本人が自ら債権者と交渉する必要がありますが、返済代行なら問題発生時にも専門家が間に入ります。
本人が直接交渉するケースと比べて、スムーズに話がまとまりやすく、トラブルが深刻化しにくいのが大きな利点です。
何かあった場合に専門家と連絡がとれること等、返済の管理を専門家が行う方が債権者にとってもメリットがあります。
実際、返済代行を行っている事務所の方が、債権者との交渉や再和解がスムーズに進むケースも少なくありません。
任意整理後に支払いが難しくなった場合は以下の記事を参考にしてください。


返済代行のデメリットと注意点
- 任意整理の返済代行にデメリットはありますか?
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返済代行には費用がかかることです。
一般的には1社の振込につき毎月1,000円前後必要になるので、任意整理した会社の数が多かったり、分割払いの回数が多いと金額も大きくなります。
費用がかかる
返済代行の場合、振込代行手数料として1社あたり毎月1,000円ほどの手数料が発生します。
3社の任意整理を行い、60回の分割返済になった場合
1,000円×3社×60か月=18万円の手数料が必要になります。
振込手数料との比較が必要
返済代行を使わず本人が直接振込を行う場合、債権者の数だけ振込手数料が毎月かかる点に注意が必要です。
これに対し、返済代行では振込先は専門家の事務所1か所だけになるので、その分振込手数料を抑えることができます。

まとめ:返済代行はこんな人におすすめ
返済方法 | 向いている人 | 特徴 |
---|---|---|
自分で直接振込 | 管理が苦でなく、費用を抑えたい人 | 手数料ゼロ(振込手数料除く)、すべて自己管理 |
返済代行を利用 | 忙しい人・家族に知られたくない人 | 管理が簡単・連絡リスクなし・安心感あり(費用あり) |
返済代行では振込先が専門家の事務所の1つになり管理が楽になります。
返済の遅れ等、何かあった際に専門家が債権者と連絡をとるので、債権者から本人に対して連絡や書類が届くこともありません。
- 手間を減らしたい
- 家族に借金を知られたくない
- 支払いトラブル時に専門家のサポートを受けたい
上記に該当する人は、返済代行の利用を検討する価値があります。
一方で、「費用をできるだけ抑えたい」「自分で振込管理できる」という方には、直接振込方式の方が適しているかもしれません。
自分の状況や優先事項に応じて、最適な方法を選びましょう。