過払い金請求をしたいけど「どの事務所に依頼すれば良いのか」「信頼できるか」「費用はいくらかかるのか」といったことで悩む人は多いです。
事務所によって費用や実績、サポート体制には大きな違いがあります。
- 事務所の選び方
- 事務所選択を間違えるとどのような問題がおこるのか?
- 費用はどのぐらいが相場なのか?
ここでは専門家ならではの視点から、失敗しない事務所選びのポイントを徹底解説します。
参考元:債務整理の弁護士報酬のルールについて-日本弁護士連合会
債務整理事件の処理に関する指針の制定について(会長談話)-日本司法書士会連合会
なぜ専門家への依頼が必要なのか
過払い金請求は正確な利息計算や時効管理、業者との粘り強い交渉が求められます。
専門家に依頼することで以下のようなメリットがあります。
- 正確な過払い金額の計算ができる
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利息制限法に基づき引き直し計算をし、過去判例を踏まえて問題点を事前に洗い出します。
- 時効を見逃さず請求できる
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過払い金請求には時効があり、その中でも分断からの時効があったりすると、専門家でないと見逃しがちです。
- 業者との交渉を丸ごと任せられる
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貸金業者は平日の昼間しか対応できませんが、この対応をすべて専門家に任せられます。
- 訴訟になった場合も対応できる
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裁判になった際の裁判所に提出する書類の作成や、出廷も専門家に任せられます。
【時効間際の事例】

完済からもうすぐ10年というギリギリのタイミングで相談しました。専門家が迅速に対応してくれて、時効になる前に過払い金を取り戻せました。
時効については、以下の記事でも詳しく解説しています。


弁護士と司法書士の違い
- 過払い金が140万円以下であれば、弁護士でも司法書士でもどちらでも問題ありません。
- 140万円を超える場合や、複雑な訴訟が見込まれる場合は弁護士が適しています。
過払い金請求をする事務所を選ぶ際の3つのチェックポイント
- 過払い金請求を依頼する事務所は、どうやって選べばいいですか?
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まずは、いくつかの事務所のホームページを見比べてみましょう。
費用が他の事務所よりも安いかどうか、また、過払い金請求にどれだけ力を入れているかをチェックすることが大切です。
良い事務所を選ぶことが、過払い金請求を満足できるものするか決める1番のポイントになります。
そのために、事前にチェックするべきポイントをあげていきます。
費用体系が明確か
着手金・報酬・実費・成功報酬など、分かりやすく提示されているかをホームページで確認すべきです。
例:着手金無料、成功報酬は回収額の20%のみなど
【費用が不安で事務所を乗り換えた事例】



最初に相談した事務所は電話では「着手金無料」しか教えてくれませんでした。不信に思い依頼はしませんでした。
得意分野や強みが明確か
ホームページを見て「過払い金の情報が多いか」「過払い金請求に精通している事務所か」という点も確認すべきです。
過払い金請求になれていないと回収金額が少なかったり、手続きに時間がかかり回収までの期間が遅くなる可能性があります。
弁護士、司法書士が直接の面談をするか
面談では、クレジットカードの解約やブラックリスト登録など大切な注意点を、弁護士や司法書士自身が説明する必要があります。
しかし、実際には事務員が面談対応をしている事務所も見受けられます。
こうした事務所では、その後の手続きも事務員任せになりがちで、十分な説明や対応がされずにトラブルが起きるリスクが高まります。
事務所選びで失敗すると|よくあるトラブル・注意点
- 過払い金請求を依頼する事務所の選択を間違えると、どのような問題がありますか?
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思ったよりも費用が高くなるケースがとても多いです。
手続きが遅かったり、対応の悪さから質問がしにくい、ということが考えられます。
高額な報酬・不明瞭な費用
広告では「着手金無料」とうたっていても、実際は報酬や追加料金が多く、トータルで予想以上の費用がかかるケースがあります。
連絡がなかなか来ない・相談しづらい
【実例】



最初にお願いした事務所は、全然連絡が来なくて不安だった。質問しようと思っても、事務的な対応で相談しづらかった。
進捗状況をこまめに報告してくれる事務所だと、安心して任せることができます。
担当者が途中で変わってしまう
担当者が途中で変わると、「最初から説明し直す手間がかかり、話が食い違う」ことがあります。
このトラブルを防ぐには――
- 最初の相談時に、担当者が変わらないかを確認する
- 規模が大きな事務所でよく聞く事例なので、あまり規模が大きくない事務所を選ぶ
- メールやLINE対応ができる事務所を選ぶ
過払い金請求の費用相場・料金体系
- 過払い金請求の費用は事務所によって違いますか?
-
費用は事務所ごとに異なります。
同じ金額を回収しても、費用が高ければ手元に戻る金額は少なくなります。
そのため、なるべくは費用は安い事務所を選ぶようにするべきです。
個人的な印象としては、良心的な費用の事務所は手続きも良心的です。
そのため、費用がなるべく相場におさまっている事務所を選ぶようにするべきです。
費用の相場は?
- 着手金:0円
- 基本報酬:0~4万円
- 成功報酬:20%以下、裁判の場合25%以下
- 減額報酬:0~10%
その他、通信費や出張費等、色々な名目で費用がかかることもあります。
ホームページに費用が掲載されていても念のため電話や面談の際に、他に費用はかからないのか確認することをおすすめします。
安い事務所の費用
- 基本報酬:0~2万円以下
- 成功報酬:20%以下、裁判の場合25%以下
着手金と減額報酬に注意
「着手金あり」の事務所の場合、依頼時に一定の負担が必要となるので要注意です。
また、借金が残っている場合に、減額した金額に対して費用がかかる「減額報酬」は、高額になるので無いに越したことはありません。
費用が発生するタイミングと支払い方法
多くの事務所は「回収した過払い金から差し引いて精算」するため、手元から直接支払う必要はありません。
【成功報酬制の実例】



「戻ったお金から報酬が引かれる完全成功報酬制」でお願いできたので、手元からお金を用意する必要がなく安心でした。実際に返還された額も明細で説明され、納得して支払えました。
過払い金請求の費用については、以下の記事でも詳しく解説しています。




過払い金の回収方法と事務所選びの注意点
- 過払い金はどこの事務所でも同じ金額の回収になりますか?
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裁判をするかしないか等によって、過払い金をどのぐらい回収できるのかは事務所ごとに異なります。
そのため、費用が安くても回収金額が少なければ手元に戻る金額は少なくなります。
過払い金の回収額は事務所ごとに違う?
「過払い金はどの事務所に依頼しても同じ金額が戻る」と思われがちですが、実際はそうではありません。
過払い金の回収方針は事務所によって大きく異なります。
- 裁判ありの場合
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回収できる過払い金は多くなる傾向にありますが、解決までに時間がかかります。
- 裁判なしの場合
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回収額はやや少なくなりますが、返還までの期間は短くなります。
そのため、「費用だけでなく、どれだけ回収できるのか」「どのような回収方針なのか」を事前に確認することも重要です。
事務所ごとの回収方針の違いに注意
- 依頼者の希望に合わせて柔軟に方針を選んでくれる事務所もあります。
- 一方で「裁判はしない」という明確なポリシーを掲げている事務所もあります。
あなたの希望と、事務所の方針が合っているかどうかを、相談時に確認しましょう。
- 過払い金の回収を急いでなく、金額重視であれば訴訟をする
- 回収を急いでいたり、裁判まではしたくないのであれば話し合いで回収する


大手事務所=安心できる訳ではない
- 過払い金のCMをしているような大きな事務所なら信用できますか?
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大手の事務所は、回収実績が多いのでその点は安心できると思います。
ただ、CMを行っている事務所は費用が高い傾向にあるので、この点は注意が必要です。
大量の相談を受けているので割合としては少ないのかもしれませんが、「テレビCMをしている事務所に相談に行ったら対応が悪かった」
「電話では多額の過払い金が発生していると言われたのに実際には過払い金は発生しなかった」このような話しを聞くことは何度もあります。
大手事務所のメリット・デメリット
メリット
- 実績が多く、相談件数も豊富。
- 全国対応など体制が整っている場合が多い。
デメリット
- CMや広告宣伝費がかかる分、費用が高い傾向あり。
- 大量の依頼を受けているため、手続きや連絡が遅れることがある。
- 担当者が頻繁に変わり、毎回同じ説明をしなければならない場合がある。
- 手続きを早く終わらせるため、業者と安易な和解をして回収額が下がることも。
もちろん、すべての大手事務所が悪いわけではなく、評判の良い大手の事務所も存在します。
事務所選びでよくある質問Q&A
- 過払い金が戻らない場合に費用は発生しますか?
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成功報酬制を採用している事務所であれば費用負担ゼロです。
ただし、着手金が必要な事務所は返金されない可能性があります。
また、一部の事務所は調査費用のみ発生する場合があるので、必ず事前に確認しましょう。
- 複数の事務所に同時に相談・依頼してもいいですか?
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複数の事務所に相談することは問題ありませんが、正式な依頼(契約)は1事務所に絞る必要があります。
複数の事務所に同時に依頼をすることはできません
- 家族や勤務先に知られずに手続きできますか?
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専門家が連絡方法や郵送方法に配慮して対応するので、家族に知られることはほぼありません。
また、勤務先に連絡が行くこともないので、勤務先に知られることはありません。
- どのタイミングで費用を支払う必要がありますか?
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過払い金が返還された時点で、過払い金から報酬が差し引かれる形が一般的です。
着手金がある場合は依頼時に支払う必要があります。
- 過払い金請求を依頼した場合の流れを教えてください
-
下記の流れになります。
STEP無料相談・ヒアリングSTEP弁護士司法書士への相談STEP取引履歴の取り寄せSTEP引き直し計算STEP業者への請求・交渉 or 裁判STEP和解or判決STEP返金過払い金請求の流れについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
あわせて読みたい過払い金請求の流れと期間|自分で手続き・専門家依頼の違いも解説 過払い金請求はどのような流れで行われて、裁判するかしないかで回収までにどのぐらいの期間の差があるのか?専門家に依頼する場合と、ご自身で請求する場合にわけて解説しています。
まとめ|失敗しない過払い金請求は事務所選びが決め手
- 費用が高い
- 回収額が少ない
- 手続きが遅い、放置される
- 事務所との連絡がとれない
- カード解約やブラックリストに登録される等のデメリットについて説明がない
- 基本成功報酬が0~3万円以下
- 成功報酬=20%以下、裁判の場合25%以下
弁護士、司法書士と言っても当たり外れは激しい業界です。依頼した事務所によって結果が大きく変わります。
なるべくなら後悔することのないように、事前に調べたうえで相談をするべきです。
ただし、実際にはどのような対応をされるのかは、相談をしてみないとわからないものです。
まずは費用が安い事務所を選び、対応に不信感があれば依頼をせず別の事務所に相談してみるという方法が良いでしょう。