- 生活保護受給者が債務整理するには
- 生活保護の申請時に借金があるとどうなる
- 過払い金を請求するとどうなる?
生活保護費から借金の返済をしていると、受給停止等の問題になる可能性があります。
生活保護を受けている人が借金を債務整理する際は、注意すべき点が多くなります。
過払い金を取り戻した時にも問題になることがあるので、この点にも注意が必要です。
生活保護費で借金を返済するとおこる問題、生活保護を受けている人が債務整理をする方法、借金がある状況で生活保護を受けることはできるのか?解説します。
参考元:債務の整理をしたいと考えています。どのような方法がありますか?-法テラス
生活保護費で借金を返済するデメリット
- 生活保護費で借金を返済することに問題はありますか?
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保護費で借金を返済していると、生活保護を打ち切られることがあります。
また、受給中に新しく借金をすると借りたお金が収入とみなされて、生活保護費から差し引かれることもあります。
保護費から借金を返済していると最悪の場合、生活保護が打ち切りになることもあります。
生活保護は必要最低限の収入がなく、他に財産もないような時に必要最低限の生活を送れるように支給されるものです。
そのため、保護費を借金の返済に回すというのは制度の目的に沿いません。
ケースワーカーは受給者に対して生活の維持、向上その他のために必要な指導をすることができます。
借金をすると
受給中に借金をすると、その借入は収入と認定されて借金をした分だけ生活保護費が削られます。
保護費が削られても借金の返済義務はそのままです。
生活保護受給中に10万円借りると
保護費から10万円引かれた上で、10万円の借金の返済義務が残ります。
借金をしたことをケースワーカーに秘密にしていても不正受給になり、生活保護が停止や打ち切られることがあります。
生活保護を受けていることを貸金業者に隠してお金を借りたりすると詐欺に該当することもあります。
一部の医療費や学費等では福祉事務所の承認があれば借金が認められる場合はあります。
- 収入認定されて生活保護費が減額される
- 借金は残るので返済義務も残る
- 生活保護が停止や打ち切りになることがある
債務整理をする方法
- 生活保護受給中に借金がある時はどうすればいいですか?
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生活保護費から返済すると生活保護が打ち切りになる可能性がある以上、借金の支払い義務がなくなる自己破産をすることになります。
生活保護受給者は法テラスを通して自己破産を行えば、費用をかけずに自己破産をすることができます。
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産があります。
任意整理は先々の利息をカットしてもらい元金のみを分割で支払う手続きです。
個人再生は借金を減額してもらい分割で返済していく手続きで、自己破産は借金を帳消しにしてもらう手続きです。
自己破産がおすすめ
生活保護受給中の人が自己破産をする際も、自己破産に必要な費用は発生します。
生活保護受給中の人は法テラスを通して自己破産を行えば、弁護士等の報酬と裁判所にかかる予納金を立て替えてもらえます。
さらに自己破産の手続きが終了した時に、生活保護受給中の状態であれば立替金の返還も免除されることになります。
そのため、生活保護受給中の人の任意整理や個人再生の依頼を受ける弁護士や司法書士はあまりいないでしょう。
自己破産をしたからといって生活保護が打ち切りになることはありません。
生活保護費での借金の返済が事実上できないこと費用もかからないことから、生活保護受給者が債務整理をする際は自己破産が原則です。
- 基本的に任意整理と個人再生はできないので自己破産となる
- 自己破産の費用は必要なし
- 自己破産をしても生活保護は打ち切られない
借金がある状態での生活保護申請
借金があると生活保護を受けられない・・・と勘違いしている人もいますが借金があっても生活保護を受けることは当然できます。
むしろ収入がなくて借金が返済できないような人ほど生活保護を受給すべきです。
生活保護の申請時に借金があるかを確認されるので、よほど低額の借金でなければ自己破産をしてくださいと指導される可能性が高いです。
過払い金請求は注意が必要
- 生活保護受給中に過払い金を回収したらどうなりますか?
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生活保護受給中の人が過払い金を回収した場合はそのことをケースワーカーに報告する必要があります。
報告しない場合は不正受給となることもあるので注意が必要です。
取り戻した過払い金は所得とみなされ、その分生活保護費を削減されるか一定期間受給が停止されることがあります。
生活保護を受ける前に完済した借金や、受給中に隠れて借金をしていて過払い金が発生している人はいます。
しかし、生活保護を受けている人が過払い金を取り戻すには注意点があります。
過払い金を取り戻したことをケースワーカーに報告する必要がありますが、回収した過払い金は所得とみなされます。
過払い金を回収したことをケースワーカーに申告しない場合は不正受給になる可能性があります。
生活保護費が毎月15万円の人で、過払い金が45万円返ってくると
45万円÷15万円=3か月間生活保護の受給を停止される可能性があります。
生活保護と債務整理のまとめ
- 受給中に借金の返済しているとケースワーカーから、借金の返済はしないように指導が入ることがある
- ケースワーカーからの指導に従わなければ生活保護が打ち切りになることもある
- 収入認定されて生活保護費が減額される
- 借金は残るので返済義務も残る
- 生活保護が停止や打ち切りになることがある
- 基本的に任意整理と個人再生はできないので自己破産となる
- 自己破産の費用は必要なし
- 自己破産をしても生活保護は打ち切られない
生活保護受給後に借金をするとその分の受給額は削られ、さらに指導に従わなければ受給を打ち切られることもあります。
そのため、借金をしてもデメリットしかなく、既に借金がある人は自己破産をすべきということになります。
過払い金を回収したらケースワーカーに申告する必要があり、基本的には回収した過払い金の分の保護費は減額されます。
過払い金を回収したことを申告しなければ不正受給の扱いになることもあります。