「任意整理をしてもPayPayやLINE Payは使えるの?」「スマホ決済やQR決済が止まるのでは?」
結論から言えば、前払い(残高チャージ)で使うスマホ決済は、任意整理後も利用できる可能性が高いです。
一方で、クレジットカードでのチャージやあと払いなど与信が関わる決済は制限されやすいのが実情です。
任意整理後でも無理なくキャッシュレス生活を続けるために、ぜひ参考にしてください。
結論
- 残高チャージで使うスマホ決済(現金、ポイント、口座からのチャージ)
- 任意整理後も継続できる可能性が高い
- キャリア決済(通信料金と合算請求される方法)
- 任意整理後も継続できる可能性が高いが推奨しない
- クレカ登録・あと払いなど(与信を伴う方法)
- 信用情報の影響で利用できなくなる可能性あり
- 審査がない後払いアプリもあるが推奨しない
- 「前払い(銀行/ATMチャージ)で当面運用」や「デビットカード」を利用するのが安全
任意整理後でもチャージ式は原則OK(スマホ決済/QR決済)
- 任意整理をしてもチャージ式スマホ決済は利用できますか?
-
ATMや口座からアプリにチャージする場合は、ブラックリストに登録されてもPayPayや楽天ペイ等のチャージ式スマホ決済の利用ができます。
ただし、アカウント自体が凍結されてしまうと、ATMや口座からのチャージも利用できなくなります。
| 任意整理をしてもスマホ決済は利用できるか | |
|---|---|
| ATMや口座からのチャージ | 〇 アカウントが凍結されなければ可能 |
| キャリア決済 | △ 基本的に利用可能だが推奨しない |
| クレジットカードでのチャージ | ✕ カードが利用停止になる可能性あり |
| 登録したクレジットカードでの支払い | ✕ カードが利用停止になる可能性あり |
| あと払い | △ 審査なしのアプリもあるが推奨しない |
銀行口座・ATMからのチャージ
- アカウントが凍結されていなければ利用可能
- チャージした残高で通常通り支払いができる
任意整理をしてブラックリストに載ると、クレジットカードは影響を受けて利用ができなくなる可能性があります。
しかし、アプリへATMや銀行口座からチャージをして、買い物等をすることはブラックリストの影響は関係ありません。
体験談:チャージ式で乗り切れたケース
20代 女性任意整理をする際にPayPayが止まるか不安でした。司法書士から「チャージ式は基本大丈夫」と聞き、乗り切れるイメージができました。
キャリア決済
- 携帯会社が通信料金とまとめて請求する方式(「通信料合算払い」)
- 携帯契約を継続中で、滞納がない場合は利用できることが多い
- 一方で、以下のような場合は利用停止になる可能性あり
- 通信料金や端末代を滞納している
- 携帯会社(通信事業者)への債務を任意整理に含めた
通信料と一体化しているキャリア決済は、延滞すると携帯契約そのものが停止されるおそれがあります。
また、利用分を通信料金とまとめて支払う仕組みのため、実質的には「あと払い」に近い性質を持ちます。
その結果、支払い金額を把握しづらく、使い過ぎにつながりやすい点にも注意が必要です。
代わりに、前払い型のスマホ決済(現金・口座・ATMチャージ)やデビットカードの利用が、より安全で確実な方法です。
参考元:キャリア決済とは-dメニュー
任意整理後に使えなくなる/止まりやすい機能
任意整理をすると、手続き対象のカードはもちろん、対象外のカードもブラックリストの影響で利用できなくなるケースがあります。
そのため、以下のスマホ決済の機能は、クレジットカードの利用停止や信用情報の影響により、使えなくなる可能性が高いです。
クレジットカードからのチャージ
- 任意整理をした後も、クレジットカードでスマホ決済にチャージをすることはできますか?
-
任意整理でクレジットカードが利用できなくなれば、カードを利用してチャージすることはできなくなります。
- 決済アプリにクレジットカードを登録すると、クレジットカードからチャージできる
- この機能は任意整理をしてクレジットカードが解約になれば、利用することができなくなる
任意整理の対象となったクレジットカードは原則として利用停止・更新不可となります。
また、任意整理をしてブラックリストに載ると、任意整理の対象にしていないカードも利用ができなくなる可能性があります。
登録クレジットカードでの支払い
- 任意整理をすると、スマホ決済に登録したクレジットカードの支払いもできなくなりますか?
-
任意整理の影響でカードそのものが使えなくなると、スマホ決済に登録したクレジットカードでの支払いもできなくなります。
クレジットカードを登録しておけば、スマホ決済でクレジットカード払いをすることができます。
クレジットカードを持ち歩く必要がないですし、PayPayならPayPayカードの利用でポイント還元も受けられるというメリットもあります。
しかし、任意整理をしたり、ブラックリストの影響でカードが解約になると、スマホ決済でのクレジットカード払いも利用できなくなります。
スマホ決済の後払い
- 任意整理をしてブラックリストに登録されると、スマホ決済で後払いも利用できなくなりますか?
-
審査がある後払いは、任意整理をしてブラックリストに登録されると利用ができなくなる可能性があります。
- 審査ありの後払いサービス
- 任意整理後やブラックリスト登録中だと審査に通らない可能性が高い
- 審査不要の後払いアプリも存在
- 一部のサービスでは審査なしで使えるものもある
- ただし、支払い遅延が続けば利用停止や追加手数料のリスクがある
- 使いすぎる可能性があるので任意整理中の利用は推奨しない
ブラックリストの影響については以下の記事でも詳しく解説しています。


スマホ決済vsデビットカード|メリット・デメリット比較
ブラックリストに登録されていても利用できるキャッシュレス決済として、スマホ決済以外にもデビットカードがあります。
| 項目 | スマホ決済サービス | デビットカード |
|---|---|---|
| 支払い方法 | 残高チャージ型 | 口座から即時引き落とし |
| 審査の有無 | チャージ式は不要 | 原則審査なし |
| 任意整理中の利用 | チャージ式なら利用可 与信機能は不可 | 問題なく利用可能 |
| 使いすぎ防止 | 前払いなら抑制できる あと払いは危険 | 抑制できる |
| 家計管理 | アプリで管理しやすい | 銀行口座で管理 アプリもあり |
| ポイント還元 | キャンペーン・クーポンが豊富 | クレカよりも低め |
| 利用できる場所 | QR決済対応店が中心 | Visa・JCB等の加盟店 国内外で利用可 |
| 付帯サービス | アプリ限定キャンペーン・クーポン中心 | 保険や優待は少なめ クレカより簡素 |
スマホ決済(前払い運用)のメリット/デメリット
メリット
- スマホひとつで決済ができる
- 「現金より手軽/レジが早い」という利便性が高く、日常使いに向いている
- チャージ式なら支払いが先送りにならない=使い過ぎを防ぎやすい
- キャンペーン・ポイント還元が充実しており、使うことで還元を受けやすい
- 銀行口座連携・チャージ機能・アプリ内での残高管理などスマホ中心に設計されている
デメリット
- チャージが必要になる
- 審査なしで利用できる「あと払い等」は使い過ぎが起こり得る
- 個人再生や自己破産では、あと払いの利用が偏頗弁済にあたる可能性がある
- 一部利用できない店がある
デビットカードのメリット/デメリット
メリット
- 基本的に審査はなし
- 決済と同時に銀行口座から即時引き落としされる
- 支払いが先送りにならない=使い過ぎを防ぎやすい
- チャージが不要
- クレジットカードと同じ、VisaやJCB等の加盟店で利用できる
デメリット
- 口座残高以上の支払いができない
- クレジットカードのように「後払い・分割払い」は原則不可
- クレジットカードに比べて
- 付帯サービス(旅行保険・優待)
- 与信ベースの機能(分割・リボ・ボーナス払い)などが少ない
- 銀行口座に残高を常に確保しておく必要があり、残高不足で決済が弾かれるリスクあり
体験談:デビットカード利用のメリット



デビットカードはそのまま口座から落ちるので管理が簡単。アプリと連動させたら、家計の管理もラクになりました。
デビットカードについては以下の記事でも詳しく解説しています。


よくある質問
任意整理後にクレジットカードが再発行できるまでどれくらいかかりますか?
信用情報への登録期間は、完済から数えておおむね5年です。信用情報の登録がなくなれば通常の審査を受けることが可能です。
任意整理をしたら電子マネー(Suica・PASMO・WAONなど)は使えますか?
電子マネーは基本的に「前払い型」なので利用可能です。ただし、オートチャージ設定にクレジットカードを使っている場合、そのカードが停止になると機能しません。
任意整理後に携帯電話の機種変更はできますか?
分割払い(割賦)を伴う機種変更は、審査に通らない可能性が高いです。一括払いであれば原則問題ありません。
任意整理中でも、公共料金やサブスクの支払い方法を変更できますか?
デビットカードや口座振替、プリペイドカードに変更すれば継続利用可能です。クレジット払いのままだと停止になる可能性があります。
任意整理をした後でも、家族カードは使えますか?
本会員(家族)側の審査で新規発行できる場合があります。ただし、任意整理の対象にしたカード会社では発行できない可能性があります。


まとめ(任意整理とスマホ決済の関係)
- 前払い(チャージ式)は原則OK
- 審査が不要なため、任意整理後も利用できる
- キャリア決済も原則使用はできる
- あと払いに近いため使い過ぎるリスクあり
- あと払い・クレカ登録は要注意
- 信用情報の影響で審査に通りにくい
- 当面の現実解
- チャージ式の利用かデビットカードに切替
- サブスクはデビット・口座振替へ
- 支出の見える化
- アプリ明細や家計簿で毎月の出費を可視化し、再発防止につなげる
司法書士からのアドバイス
キャッシュレスは使い方次第で再出発の強い味方になります。次の3点を意識しましょう。
- 与信取引は控える
- あと払い・分割・リボは負担を先送りにします。
- 任意整理後は「今あるお金の範囲」で運用するのが安全。
- 支出管理を仕組み化
- PayPayやデビットの明細通知、家計簿アプリで見直し。
チャージ式のスマホ決済やデビットカードを利用して、あと払い等は使わないようにすべきです。
任意整理をしてカードが利用できなくなっても、スマホ決済やデビットカード等を利用すればあまり不便なく生活ができると思います。
クレジットカードが解約になるので任意整理を躊躇しているという人は参考にしてみてください。
