債務整理でブラックリストに載る条件【解除はいつから5年かも解説】

当サイトの記事はすべて司法書士三浦永二(東京司法書士会所属、登録番号7300号)が執筆しています。

債務整理したいけど、ブラックリストに登録されると借金をしたり、カードを持ったり、住宅ローンを組めなくなるからと躊躇する人は多いです。

確かに、債務整理をすると信用情報に事故情報が登録され、ローンやクレジットカードの審査に通りにくくなります。

しかし、この影響は一生続くものではなく、一定期間を過ぎれば信用情報から削除されます。

どのような場合にブラックリストに登録されるのか、また登録される期間や影響について詳しく解説します。

参考元:債務整理-東京司法書士会

目次

「ブラックリストに登録される」とは?

ブラックリストに登録されるというのはどういうことですか?

「ブラックリストの登録」とは、信用情報機関に債務整理や延滞などの金融事故情報が登録される状態を指します。

信用情報機関は、個人の借入や返済履歴などを記録・管理している機関で、JICC、CIC、KSCの3つが存在します。

参考元:信用情報とは-指定信用情報機関のCIC

開示結果の見方-JICC

信用情報機関は、主にJICC、CIC、KSCがあります。

JICC主に消費者金融や銀行が登録
CIC主に信販会社(クレジットカード会社)や消費者金融が登録
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行や信用金庫が登録

信用情報機関では下記の様な情報が管理されています。

信用情報機関に登録されていること
  • 借入先の会社名
  • 契約日
  • 借入金額
  • 返済の状況

消費者金融や銀行等の借入、クレジットカードでのキャッシングやショッピング、ローンを組んでいる物等もすべて登録されます。

「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関に事故情報が登録されることを意味します。

  • CICでは返済状況に異動と記載されます
  • JICCでは異動参考情報等に延滞や債務整理と記載されます

貸金業者等は融資の際に貸し倒れ防止のために、信用情報を参照して審査を行っています。

ブラックリストに登録されていると、借入やローンを組む、クレジットカードを作成する等の審査に通るのは難しくなります。

滞納や債務整理等、支払いに問題があった時にだけブラックリストに登録されます。

滞納や債務整理するとブラックリストに登録される

ブラックリストに登録される主なケース

ブラックリストに登録される条件を教えてください

借金やローンの返済を滞納したり、債務整理をした場合にブラックリストに登録されます。

毎月の期日に支払いをしていれば、ブラックリストに登録されることはありません

債務整理をした場合

債務整理をするとブラックリストに登録されます。

債務整理には任意整理、個人再生、自己破産がありますが、どの債務整理を行ってもブラックリストに登録されます。

長期の返済滞納

期日に返済ができず、長期間の滞納をしてしまうとブラックリストに登録されます。

滞納でブラックリストに登録される条件
  • 支払日から61日以上延滞
  • 3か月以上の延滞

※2ヵ月以上滞納してしまうと、ブラックリストの影響が発生する可能性が高いです。

うっかり数日遅れた程度であれば登録はされず、長期に渡って滞納すると登録されます。

スマホの料金滞納でブラックリストに登録される

携帯電話端末の分割払いやショッピングローンなども対象になります。

スマホ本体の代金を分割払いで購入している場合、毎月の通話料と併せて請求されます。

その状態で携帯料金を滞納すると、スマホ本体代金の分割払いのローンも滞納することになります。

そのため、長期に渡って携帯本体の代金の返済を滞納すると、ブラックリストに登録されます

スマホと債務整理については以下の記事でも詳しく解説しています。

銀行ローンの代位弁済

銀行カードローンなどには保証会社が付いており、延滞や債務整理等が生じると、保証会社が代わりに支払う「代位弁済」が行われます。

この代位弁済がされた時点でブラックリストに登録されます。

代位弁済後は保証会社から請求が来て、返済も保証会社に対して行うことになります。

過払い金請求では登録されない

完済後の過払い金請求ではブラックリストに登録されません。

返済中の場合

返済中に過払い金請求をする際は、取引の当初から法律内の利息だったものとして、計算をする=引き直し計算をします。

引き直し計算の結果、借り入れが残る場合は、残った金額を任意整理する扱いになるため、ブラックリストに登録されます。

借り入れがなくなって過払い金が発生する場合は、ブラックリストには載りません。(手続き中、一時的に登録される可能性はあります)

残金がある場合
借り入れがなくなり過払い金が発生

50万円の借入残高が0円になり更に過払い金が戻ってきた

ブラックリストに登録されない(手続き中、一時的に登録される可能性はあり)

計算後も借り入れが残る

50万円の借入残高が20万円まで減った

20万円を任意整理することになるので、ブラックリストに登録される

引き直し計算ついては以下の記事でも詳しく解説しています。

ブラックリスト登録が消えるまでの期間

ブラックリストの登録がなくなるまでの期間を教えてください

登録された原因や信用情報機関ごとにも異なりますが、滞納と任意整理は完済日から数えて5年。

個人再生と自己破産は、JICCとCICでは契約終了から5年、KSCでは登録から7年残ります。

信用情報機関にはJJICCやCIC、全国銀行個人信用情報センター(KSC)があり、それぞれで期間が違います。

JICC主に消費者金融や銀行が登録
CIC主に信販会社(クレジットカード会社)や消費者金融が登録
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行や信用金庫が登録

返済の延滞での登録期間

滞納でブラックリストに登録される期間
JICC契約日が2019年9月30日以前:滞納の解消から1年
契約日が2019年10月1日以降:完済等の契約終了から5年
CIC完済等の契約終了から5年
KSC完済等の契約終了から5年

JICCでは契約をした日が、2019年10月1日以前か以降かで異なります。

滞納で登録されたあと、2年かけて完済したら、そこから5年間は記録が残るので合計7年間は記録が残ります。

滞納中+完済から5年間
ブラックリストに登録される
滞納で登録
完済後5年影響が残る

任意整理での登録期間

任意整理でブラックリストに登録される期間
JICC契約日が2019年9月30日以前:事故情報の登録から5年
契約日が2019年10月1日以降:完済から5年
CIC完済から5年
KSC任意整理での登録はないが、保証会社の代位弁済で登録される
完済から5年

JICCでは契約をした日が、2019年10月1日以前か以降かで異なります。

3年かけて完済したら、そこから5年間は記録が残るので、合計8年間は記録が残ります。

任意整理中+完済から5年間
ブラックリストに登録される
任意整理中
完済後5年影響が残る

代位弁済とは

銀行からの借入を延滞したり任意整理をすると、代わりに保証会社が銀行へ返済します(これを代位弁済といいます)。

代位弁済後は保証会社に対して、返済を行うことになります。

KSCの場合、任意整理が原因としては登録されませんが、代位弁済を原因として登録され、完済日より数えて5年間登録が残ります。

代位弁済後に完済から5年間
ブラックリストに登録される
代位弁済
完済後5年影響が残る

個人再生と自己破産での登録期間

個人再生・自己破産でブラックリストに登録される期間
JICC契約終了から5年
CIC契約終了から5年
KSC開始決定から7年

個人再生と自己破産では信用情報機関によって期間が異なります。

信用情報機関は信用情報を共有している

「JICCでブラックリストに載っていても、CICしか登録していない会社なら、JICCの情報を閲覧されず審査に通るのでは」

と考える人もいますが、信用情報機関同士は情報を共有しているため、他の機関の事故情報も審査で確認されます。

自分がブラックリストに登録されているかは、下記から信用情報を取り寄せて確認することができます。

まとめ:債務整理後のブラックリスト登録は一時的

まとめ
  • 債務整理や長期延滞があると、信用情報機関に事故情報が登録される
  • ブラックリスト登録中は、ローンやカードの審査に通りにくくなる
  • 登録期間は5年〜7年
  • 登録期間を過ぎれば、信用回復は可能

ブラックリストに登録されると借入やローンは難しくなりますが、現金で生活する等審査とは関係のない生活を送るなら影響は生じません。

また、何社からも借り入れをしているとブラックリストに登録されていなくても、新たにローンを組んだりするのは難しいです。

債務整理をして早めに完済をしてしまえば5年~7年で記録は消去されるので、早い段階で債務整理をするという選択も検討するべきです。

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