過払い金請求を検討している方がまず気になるのは「費用はいくらかかるのか?」
「過払い金が戻らなかった時に費用だけ取られてしまったりしないか?」という点です。
依頼先や手続きの内容によって、費用の内訳や金額は大きく変わります。
- 過払い金請求費用の支払い方法
- かかる費用の内訳や相場
- 費用を安く抑える方法
- 実際のケース別費用例
- よくある落とし穴
上記を専門家の視点で徹底的に解説します。
過払い金請求の費用はいつ・どうやって払う?
- 過払い金請求の費用はどのタイミングで支払うんですか?
-
着手金が不要な事務所であれば費用は後払いで、回収した過払い金から差し引かれることになります。
過払い金から費用が差し引かれる場合は、財布から支払う必要はありません。
過払い金請求の費用は、ほとんどの事務所で「後払い」が基本なので、事前に現金を用意する必要はありません。
着手金が必要な事務所は注意
着手金が必要な事務所の場合のみ、手続きを始める前に現金で支払う必要があります。
ただ、最近は「着手金無料」の事務所が増えているため、実際にはほとんどのケースで事前支払いは必要ありません。
【体験談】

過払い金が戻らなかった場合は費用も発生しないと聞いて安心。失敗した時のリスクがなく、安心して相談できました。
- 着手金不要の事務所なら、費用はすべて後払い
- 費用は過払い金から差し引かれるので事前に費用を準備する必要はない
過払い金が発生する仕組みについては、以下の記事で詳しく解説しています。




過払い金請求にかかる主な費用の種類
- 過払い金請求ではどのような費用が必要になりますか?
-
必ず必要になるのは成功報酬です。
成功報酬は、回収した金額の20%~25ほどになっていることが多いです。
他には相談料、着手金、基本報酬、解決報酬、減額報酬の名目での費用がかかることがあります。
参考元:債務整理の弁護士報酬のルールについて-日本弁護士連合会
債務整理事件の処理に関する指針の制定について(会長談話)-日本司法書士会連合会
弁護士や司法書士は規定や指針で、一定以上の費用は取ってはいけないと定めれていますが、既定以上に高い費用を請求する事務所もあります。
費用には色々と種類がありますが、主に以下の名目になります。
- 相談料
- 着手金
- 基本報酬
- 成功報酬
- 解決報酬
- 減額報酬
過払い金請求の費用の相場
- 基本成功報酬=0~4万円
- 成功報酬=20%以下、裁判の場合25%以下
費用の項目別解説
相談料
過払い金請求では、相談料は無料の事務所が多いです。
まれに相談料がかかる事務所もあり、その場合の相談料の相場は30分5,000円程度です。
着手金
着手金とは、過払い金請求を事務所に依頼した際に、手続きを始める段階で支払う費用です。
近年は「着手金無料」の事務所も増えていますが、数万円程度請求する事務所も存在します。
【実際に相談に来た人の例】



手元にお金がなかったので、着手金無料の事務所を選びました。
司法書士の立場から見ると、着手金あり=安心とは限らないので、費用は安いに越したことはないです。
着手金は無料の事務所を選択するべきです。
基本報酬
手続きの成否に関わらず発生する事務所もあれば、成功した際のみ発生する事務所もあります。
成功報酬
- 任意交渉:話し合いによる解決(報酬率は20%程度が相場)
- 裁判:訴訟を通じた解決(報酬率は25%が相場)
裁判になると労力や期間が大幅に増えるため、報酬率も高めに設定されています。
解決報酬
過払い金が回収できた際に必要になる費用ですが、解決報酬を取っていない事務所もあります。
減額報酬
借金が残っている状態で請求を行う時にだけ必要になるものです。
借金がなくなった金額に対して数%の費用がかかり、減額された金額の10%ほどかかるところが多いです。
借金が30万円残っていて、過払い金が返金されたら
減額した30万円の10%で3万円が必要になります。
減額報酬を取っていない事務所もあり、減額報酬の有無で大幅に費用が変わることもあります。
実費
その他、通信費や郵送代等の様々な名目で数千円~10万円ほどかかるところもあります。
実費を取っていない事務所もあります。
過払い金請求の費用を抑える3つのポイント
- 着手金・基本報酬が無料の事務所を選ぶ
- 成功報酬率や実費の内訳を事前に明示してもらう
- 「成功報酬のみで追加費用なし」など明朗会計の事務所を比較検討する
かかる費用の種類が多いと最終的にいくらなのかわかりにくく、思っていたよりも高額になってしまうこともあります。
成功報酬のみで、回収した金額の20%~25%のみの費用であれば安い事務所と言えますし、なによりシンプルでわかりやすいです。
ホームページで費用を公開していない、または○○円~のようにあいまいな表記の事務所は高くつくことが多い傾向です。
完済後の過払い金請求なら、着手金や基本成功報酬はかからない事務所が多く、返済中だと必要なところが多いです。
事務所の選び方については、以下の記事でも詳しく解説しています。




「費用対効果」で見る過払い金請求の注意点
過払い金請求は、費用が高額だと手元に戻る金額が大きく減ることになります。
【他事務所をキャンセルして相談に来た例】



最初に依頼をした事務所は、取り戻したお金の半分以上が費用で消えることになったのでキャンセルしました。
こういったケースは多いですが、事務所を変更するとご本人の手間が増えるため、最初から費用が安い事務所を選ぶにこしたことはありません。
ケース1:着手金・基本報酬無料、成功報酬20%のみの場合(おすすめ)
回収額 | 着手金 | 基本報酬 | 成功報酬 | 返金額 |
---|---|---|---|---|
50万円 | 0円 | 0円 | 10万円 | 40万円 |
30万円 | 0円 | 0円 | 6万円 | 24万円 |
回収額が50万円だと費用を引いても返金額は40万円になりますが、回収額が30万円だと返金額は24万円になります。
ケース2:着手金・基本報酬あり、成功報酬20%の場合
回収額 | 着手金 | 基本報酬 | 成功報酬 | 返金額 |
---|---|---|---|---|
50万円 | 2万円 | 2万円 | 10万円 | 36万円 |
ケース3:減額報酬ありのケース
借入残高 | 回収額 | 成功報酬(20%) | 減額報酬(10%) | 返金額 |
---|---|---|---|---|
50万円 | 50万円 | 10万円 | 5万円 | 35万円 |
着手金や基本報酬があると、さらに手元に残る金額は少なくなります。
費用対効果のまとめ
このように、費用の名目や報酬体系によって「手元に返金される金額」は大きく変わります。
また、回収する金額が少なければ手元に残る金額も少なくなります。
費用で後悔しないためのQ&A
- 無料相談・無料調査でもその後に費用がかかることはありますか?
-
はい。
正式な依頼に進んだ場合は、成功報酬や実費などの費用が発生します。
無料の範囲と有料の範囲を確認しましょう。
- 費用の「後払い」とはどういう仕組みですか?
-
回収した過払い金から報酬や実費を差し引いて依頼者に返金する方式です。
現金を用意する必要はありません。
- 過払い金請求で後から追加費用が発生することはある?
-
あります。
たとえば「訴訟になった場合の日当」や「実費(郵送費等)」などがあります。
追加費用が発生するかは事務所の費用形態によるので、必ず事前に「追加費用」が発生しないかを確認すべきです。
- 依頼後にキャンセルした場合の費用は?
-
着手金が発生している場合は返金されないことが多いです。
着手金無料ならキャンセル料が不要な事務所もあります。
- 過払い金が戻らなかった場合、費用は一切かかりませんか?
-
着手金無料・完全成功報酬の事務所なら費用はかかりませんが、事務所によって異なるため要確認です。
- 過払い金請求の費用は分割払いできますか?
-
一般的に費用は回収した過払い金から差し引かれるため、分割払いの必要がありません。
着手金がある場合は事前に確認すべきです。
- 成功報酬はどのタイミングで支払いますか?
-
基本的に、過払い金が回収できた時点で、回収額から自動的に差し引かれます。
まとめ|専門家からのアドバイス
- ほとんどの事務所では、過払い金請求の費用は回収した過払い金から差し引かれる
- 成功報酬と基本報酬のみの事務所を選択するべき
過払い金請求には事務所により色々な名目で費用が掛かります。
ホームページ等を参考にして、なるべくシンプルで安い事務所を選ぶことが大事です。
ほとんどの事務所が費用は回収をした過払い金から差し引く方法をとっています。
そのような事務所なら事前にお金はかからないですし、回収できなくても費用を払う必要もありません。
最初の相談で事前に取られる費用はないのか?過払い金が無かった時に取られる費用はないのか?事前に確認することをおすすめします。

